英語の第一文型(SV)と用語の説明
ある英文を勉強する時、その英文が英語の五つある基本文型のどれに分類されるかが理解できれば、英語が比較的簡単に理解できるようになります。
この記事では、五つの文型に登場する語句と、第一文型について、記しています。
1. 五つの基本的な文型とは?
まず五つの基本的な文型は以下の通りです。
第一文型 SV
第二文型 SVC
第三文型 SVO
第四文型 SVOO
第五文型 SVOC
この記事では以下の要領で英語の文型を説明します。
1. まず「S」「V」「C」「O」を説明します。この記事では便宜上、「S→V→O → C」順で説明します。
2. そして、その後、実際の英文を通して、文型を説明します。今回は第一文型の
みを説明します。
2.「S(Subject)」の説明
「S」とは「Subject」の頭文字で、日本語では文法用語で「主語」と呼びます。
「主語」というのは「動詞で表される動作をする人や物や事」つまり「動作主」のことです。日本語では「主語」の後に「は」や「が」などが使われます。
注意事項:
「は」や「が」がついたモノが必ずしも「主語」にならないことに留意してください。
例えば:
「りんごは食べたが、みかんは食べなかった。」
という日本語文では、「は」を対比を表すモノであって、動詞の動作主、つまり「主語」を表すモノではありません。
主語がわからなくなった時は、動作主がどれかを探すようにしてください。
ちなみに「りんごは食べたが、みかんは食べなかった。」の主語(動作主)はもちろ ん「私は」です。
ほとんどの英文は「主語」から始まります。
「主語」の部分には:
「名詞(a book、a dogなど)」
「主格の代名詞(he、sheなど)」
「動名詞(eating、drinkingなど)」
「不定詞(to eat、to drinkなど)」
など「名詞の働きをするモノ」を置くことができます。
3.「V(Verb)」の説明
「V」は「Verb」の頭文字で文法用語で「動詞」という意味です。
「動詞」は「動作や状態を表す語」と言えます。
例えば、「eat(食べる)」「drink(飲む)」「work(働く)」「go(行く)」「stay(い る)」などです。
ここでのポイントは「is」「are」「am」「was」「were」なども「be動詞」と 呼び、「動詞」として取り扱われることです。日本語の「です」などとは異なり ます。
また:
「法助動詞(can、will、mustなど)」、
「第一助動詞(進行形・受身形のbe動詞、完了形のhave、疑問文・否定分点・強 調のdo)」、
「疑似法助動詞(be able to、be going to、have toなど)」
も動詞として取り扱います。
助動詞と核になる動詞を一緒に使うことによって、様々な表現が可能になりま
す。
4.「O(Object)」の説明
「O」は「Object」の頭文字で「物体、固体、対象、目的」などの意味を持ちますが、文法用語では「目的語」と呼びます。
「目的語」を簡単に定義すると「他動詞の表す動作をこうむる(受ける)モノ・コ ト」と言えます。
定義にもあるように英語でも日本語でも「他動詞」のみが「目的語」を取ること
ができます。
日本語では語句の後に「を」つけて「目的語」を表します。
例えば、「私はりんごを食べる。」「彼はコーヒーを飲む。」などのように。
ですが、日本語における「目的語」と英語における「目的語」は一致しないこと が多々あります。
ですから、日本語で「を」がつく語句は英語では「目的語」にあたると決して思 ってはいけません。
「目的語」については『これで完璧 英語の自動詞と他動詞』で詳しく説明しておりますので、「目的語」の意味があまりうまく把握できていなければ、一読されることをお勧めします。
「目的語」の部分には:
「名詞(a book、a dogなど)」
「目的格の代名詞(me、himなど)」
「動名詞(eating、drinkingなど)」
「不定詞(to eat、to drinkなど)」
「名詞句(how to use a computer、becoming a doctorなど)」
「名詞節(that he went home、whether she is coming here or notなど)」
など「名詞の働きをするモノ」を置くことができます。
また英語には「間接目的語」と「直接目的語」があります。
「間接目的語」と「直接目的語」を同時に取る他動詞はだいたい決まっています。
例えば、「give(あげる)」「lend(貸す)」「teach(教える)」「send(送る)」など です。
「間接目的語」と「直接目的語」の違いですが、以下のように考えると、ほとんどの場合うまくいきます。
「直接目的語」は:
「主語がgiveする(あげる)モノ」
「主語がlendする(貸す)モノ」
「主語がteachする(教える)モノ」
「主語がsendする(送る)モノ」、
「間接目的語」は:
「主語がgiveする(与える)モノを受け取るモノ」
「主語がlendする(貸す)モノを受 け取るモノ」
「主語がteachする(教える)モノを受け取るモノ」
「主語がsendする(送る)モノを受け取るモノ」
つまり、「直接目的語を受け取るモノ」と考えてください。
「モノ」にあたる部分は「物」だったり「人」だったり「事柄」だったりします。
詳細は第四文型(SVOO)の説明記事をご覧ください。
5.「C(Complement)」の説明
「C」は「Complement」の頭文字で「補うもの」という意味ですが、文法用語 では「補語」と呼びます。
「補語」は「主語」と「目的語」に「どんなモノであるか」「どんな状態であるか」などの情報を与える語と言えます。
「補語」の部分には:
「名詞(a friend、a catなど)」
「代名詞(me、youなど)」
「動名詞(drinking、eatingなど)」
「不定詞の名詞的用法(to eat、to drinkなど)」
「形容詞(cute、angryなど)」
「現在分詞(eating、drinkingなど)」
「過去分詞(eaten、drunkなど)」
「副詞(home、upなど)」←諸説あり
「前置詞句(on the table、in the classroomなど)」←諸説あり
「名詞節(that he went home、a boy who is playing baseball now、whether she is coming here or notなど)」
を置くことができます。
通常「主語」と「補語」の間には以下の関係が成り立ちます。
"「主語」は「補語(具体的なモノ・コト/状態」である。"
より簡単に言えば、
「主語 = 補語」
の関係が成り立ちます。
また、通常「目的語」と「補語」の間にも以下の関係が成り立ちます。
"「目的語」は「補語(具体的なモノ・コト/状態」である。"
より簡単に言えば、
「主語 = 補語」
の関係が成り立ちます。
詳細は第ニ文型(SVC)と第五文型(SVOC)の説明記事をご覧ください。
6.「M(Modifier)」の説明
「S」「V」「O」「C」に加えて「M」というモノがあります。
「M」は「Modifire」の頭文字で「修正する人・モノ、変更する人・モノ」という 意味ですが、文法用語では「修飾語・修飾語句」と呼びます。
文字通り文の中を飾るのに使います。 「名詞を飾るモノ(=形容詞的修飾語)」と「形容詞や副詞や動詞や文など名詞以外のモノを飾るモノ(=副詞的修飾語)」があります。
「形容詞的修飾語」には以下のようなモノがあります。
「名詞(book、shoeなど)」
「動名詞(swimming、shopping)など」
「不定詞の形容詞用法(to eat、to drinkなど)」
「現在分詞(swimming、shoppingなど)」
「過去分詞(broken、stolenなど)」
「前置詞句(in the classroom、on the tableなど)」
「関係詞節('a boy who is playing baseball now'の'who is playing baseball now'の部分など)」
「冠詞(a、an、the)」
「副詞的修飾語」には以下のようなモノがあります。
「副詞(very slowlyなど)」
「不定詞の副詞用法(to eat、to drinkなど)」
「現在分詞(swimming、shoppingなど)」
「過去分詞(broken、stolenなど)」
「前置詞句(in the classroom、on the tableなど)」
「接続詞節(if it is raining tomorrow、when I get homeなど)」
詳しくは例文を通して説明致します。
「修飾語」はどの文型にも表れ、様々な内容を伝えることができます。
7. 第一文型(SV)
それでは、実際の英文で第一文型(SV)を見ていきましょう。
I study every day.
(私は毎日勉強する。)
上記の文では
主語(S) = I(代名詞)
動詞(V) = study(自動詞)
修飾語(M)= every day(副詞)
となります。
他の例文も見てみましょう。
I go to America every year
(私は毎年アメリカに行く。)
主語(S) = I(代名詞)
動詞(V) = go(自動詞)
修飾語(M) = to Amerika(前置詞句) / every year(副詞)
I will go out with my friend tonight.
(私は今晩友達と出かける。)
主語(S) = I(代名詞)
動詞(V) = will go out(法助動詞 + 自動詞・句動詞)
修飾語(M) = with my friend(前置詞句) / tonight(副詞)
句動詞というのは「動詞+副詞」または「動詞+(副詞)+前置詞」の形を取り、まとまって一つの動詞のように機能する句のことです。動詞として取り扱います。
He wakes up at 6 every morning.
(私は毎朝6時に起きる。)
主語(S) = He(代名詞)
動詞(V) = wakes up(自動詞・句動詞)
修飾語(M) = at 6(前置詞句) / every morning(副詞)
She is in the bathroom.
(彼女はお風呂にいる。)
主語(S) = She(代名詞)
動詞(V) = is(be動詞)
修飾語(M) = in the bathroom(前置詞句)
A dog is running now.
(犬が今走っている。)
主語(S) = A dog(名詞 / 冠詞Aは修飾語)
動詞(V) = is running(be動詞 + 自動詞・ing形)
修飾語(M) = now(副詞)
第一文型(SV)に分類される英文の動詞は必ず「自動詞」です。
ここで注意すべき点があります。
日本語の自動詞が、英語でも自動詞とはなりません。
また多くの英語の動詞は、自動詞としても他動詞としても使われるので、用法を必ず辞書で確認するようにしてください。
少し難しく感じますが、英文に多く触れることによって、どれが自動詞であるか他動詞であるかはわかるようになってきます。
「be動詞」に関してですが、「be動詞」が「exist(ある、いる、存在する)」に 置き換えられる時は、自動詞になり、第一文型(SV)で使われます。
第一文型(SV)を取る自動詞は星の数ほどあるのですが、わかりやすいモノを例文とともにあげておきます。
I arrived at the station at 6 p.m.
(私は午後6時に駅に着いた。)
Classes begin at 9:30 a.m.
(授業は午前9時半からです。)
She came here yesterday.
(彼女は機能ここへ来た。)
The baby was crying for milk.
(赤ん坊はミルクが欲しいと泣いていた。)
My grandmother died five years ago.
(祖母は五年前に亡くなった。)
The airplane flew over my town.
(飛行機が私の街の上空を飛んだ。)
I went to China last year.
(私は去年中国へ行った。)
My cousin lives in Yokohama.
(私のいとこは横浜に住んでいる。)
I listen to music every night.
(私は毎晩音楽を聴く。)
Mr. Tan spoke to me about his family.
(タンさんは自分の家族について私に話してくれた。)
8.「There is ~」構文について
「There is / are X.」という構文ですが、これはもともと「X is there. (Xがそこにある / いる / 存在する。)」という文があり、 「there」を強調したいがために、「there」と「X」の順番を入れ替えたと考えてください。(諸説はありますが。)
ですから、「There is X.」の構文では「X」が「主語」、「is」が「動詞」、 「there」が「修飾語」になると考えてください。
「There is X.」の日本語訳は「Xがある / いる / 存在する。」となり、「There」 は訳しません。
そして、「There is X + [場所を表す前置詞句]」の構文は「There is X」という構文を保ったまま、「[場所]にXがある / いる/ 存在する。」と訳してください。
例文:
There is an apple on the table.
(テーブルの上にりんごが一個ある。)
主語(S) = an apple(名詞 / 冠詞aは修飾語)
動詞(V) = is(自動詞)
修飾語(M) = there(副詞) / on the apple(前置詞句)
There is a cat under the desk.
(机の下に猫がいる。)
主語(S) = a cat(名詞 /冠詞aは修飾語)
動詞(V) = is(自動詞)
修飾語(M) = there(副詞) / under the desk(前置詞句)
「There is X + [場所を表す前置詞句]」の他に:
「There lives X + [場所を表す前置 詞句]」
「There lies X + [場所を表す前置詞句]
なども同じ構文となります。
例文:
There lived a king in an old castle.
(その古いお城には王様が住んでいました。)
主語 (S) = a king(名詞 / 冠詞aは修飾語)
動詞 (V) = lived(自動詞)
修飾語 (M) = there(副詞) / in an old castle (前置詞句)
There lies a park against the hillside.
(その山腹に公園がある。) [引用元:斎藤和英大辞典]
主語(S) = a park(名詞 / 冠詞aは修飾語)
動詞(V) = lies(自動詞)
修飾語(M) = there (副詞) / against the hillside(前置詞句)
9. 形式主語の「it」
以下ような例文の「it」は意味を持たず、「形式主語」と呼ばれています。
It seems that she is sick. (彼女は病気みたいだ。)
主語(S) = It(代名詞)
動詞(V) = seems(自動詞)
修飾語(M) ??? = that she is sick(名詞節)
It appears that he did it.
(どうも彼がそれをしたらしい。)
主語(S) = It(代名詞)
動詞(V) = appears(自動詞)
修飾語(M) ??? = that he did it(名詞節)
上記の文型はどちらも第一文型(SV)と考えられていますが、私自身はこの「It」には「自分が感じる漠然とした状況や状態や事柄」を表しているように思います。
ですから、以下のように文法用語を振り分け、第二文型(SVC)であると捉えています。
It seems that she is sick.
(彼女は病気みたいだ。)
主語(S) = It(代名詞)
動詞(V) = seems(自動詞)
補語(C) ??? = that she is sick(名詞節)
It appears that he did it. (どうも彼がそれをしたらしい。)
主語(S) = It(代名詞)
動詞(V) = appears(自動詞)
補語(C) ??? = that he did it(名詞節)
形式主語の「it」については別の記事で詳しく触れることにします。 以上で、英文の第一文型(SV)と用語の説明は終了です。
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