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【Toddler】2〜3歳におすすめの絵本Vol.1〜どうぶつがでてくるおはなし〜

こんにちは。
PonoLipo Club Workshop and Library スタッフの糸永です。

今日はクラス担任をしていた頃のおはなしを交えつつ、2〜3歳のToddler期のお子さんにおすすめの絵本の紹介をしていきたいと思います。

2・3歳児というと「魔の2歳」「魔の3歳」なんて言われたりしますが、個人的にこの時期の子どもたちの懸命に成長していく感じが大好きです。

自我も芽生えて自分でやりたい!こうしたい!ああしたい!でもうまくできない!と葛藤しながら心も身体もぐぐんと成長が著しい時期ですよね。

自己主張が強くなり、なにかにつけて「やだー」と首を横に振ったり、時には全身でイヤイヤを表現したり、大人からするとなぜそこ??というポイントにえらくひっかかり、ちょっとしたことで怒ったり泣いたり…感情の起伏が激しかったりして毎日がドラマチック。

あーでもない、こうでもない、とわちゃわちゃぐちゃぐちゃしながら過ごした愛おしい日々を思い出します。

ちなみに、私の息子はまだ1歳になったばかりですが、すでに自己主張がはっきりしている子なのでイヤイヤ期は激しそうだなと今から心づもりをしています。

さて、そんなToddler期の子どもたち。
個人差はもちろんありますが、言葉や理解力も著しく発達し、ストーリー性のある絵本も楽しめるようになってきます。
今回は「どうぶつがでてくるおはなし」にスポットを当ててみました。



◇2〜3歳におすすめの絵本紹介◇

1 とりかえっこ

作:さとうわきこ
絵:二俣英五郎
出版社:ポプラ社

ひよこがあそびにでかけると、ねずみと出会います。

「ねぇ ねずみさん」
「なきごえ とりかえっこしようよ」

「とりかえっこ」するのはなんと鳴き声!!

「ぴよぴよ」とご機嫌に去っていくねずみと、「ちゅうちゅう」と鳴きながら先を急ぐひよこ。

次に出会ったぶたとも鳴き声をとりかえっこ。

「ちゅう」
「ぶう」

ぶたは「ちゅうちゅう」と言いながら嬉しそうに去っていき、ひよこは「ぶうぶう」と言いながらまた先へと進みます。

表情ひとつ変えずに森をぴょこぴょこと進んでいくひよこが、次々といろいろな動物と出会い鳴き声をとりかえっこしていくという淡々としたシュールなストーリーなのですが、ページをめくるにつれて絵と鳴き声がどんどんかけ離れ、ちょっとした脳トレのような状態に。
読み手はどんどん頭が混乱してきますが、これが子どもたちには大ウケ!!最後はなんと、かめととりかえっこ。まさかの鳴き声になっておうちへ帰っていきます。

文字数も少なく優しい絵のタッチが一見赤ちゃん向けかな?と思われるかもしれませんが、実は0歳や1歳児さんにはまだ「とりかえっこ」した鳴き声がどんどん変化していくこの絵本の本質的な面白さを理解するのが難しかったりします。担任をしていた頃、この絵本を読んで子どもたちがケラケラ笑っているのを見ながら「この面白さがわかるようになってきたのね♪」と密かに子どもたちの成長をかみしめていました。

丁寧に描かれた絵も見れば見るほど味わい深く、各ページに登場するそばで見守っているそれぞれの動物の家族の驚いた表情や動きが可愛らしいこと♪
ねずみの家族はびっくりして口が半開きに!薪割りの作業をしていたぶたの家族は手を止めて目をまん丸にして驚きを隠せず!「どうなっちゃてるんだい?」と言わんばかりに頭をぽりぽり掻いているかえるの家族!動物たちの表情豊かな驚きっぷりから目が離せません。

ページの右下に卵からひよこが生まれて成長していく様子がパラパラ漫画の様に描かれているのでぜひそこにも注目してみてださい。

2 きょだいな きょだいな

作:長谷川摂子
絵:降谷なな
出版社:福音館書店

「あったとさ あったとさ」
「ひろい のっぱら どまんなか」
「きょだいな 〇〇 あったとさ」
「こどもが100にん やってきて…」

と、身近な生活用品が巨大になって登場するおはなし。
大きいではなく「きょだい」という響きがわくわく感を誘い、すぐに絵本の世界に引き込まれます。まるで詩のような調子のいいリズムと繰り返しが心地よく響き、思わず口ずさみたくなってしまう言葉の面白さがこの絵本に詰まっています。

毎回登場する100人のこどもたちが、きょだいなピアノ、石鹸、電話、トイレットペーパーなどで楽しそうに遊ぶ姿をみて、「面白そう!」「こんな遊びしてみたい!」と言わんばかりに食い入る様にみている子どもたちのキラキラした目が印象的な絵本です。

2・3歳になるとページを舐め回す様に隅々まで絵を見て、細かい描写に気がつく様になってきます。100人のこどもたち一人ひとりの動きや表情も可愛らしく、まさに十人十色!見るたびに新たな発見があるので何度読んでも楽しいですよ。

個人的に大好きなポイントが表紙から背表紙まですべてのページに登場するきつね♪
きょだいなせっけんを見つけて「どひゃー」と驚いていたり、きょだいなももからぴょんぴょん飛び出してきたももたろうに絡まれて困った表情をしていたり、俯瞰的に見ていたはずなのに毎回きょだいないろいろに巻き込まれ、でもなんだかんだ楽しんでいる感じも醸し出しているきつねにもぜひ注目してみてください。

これはぜひおうちでパパママの膝の上で言葉の響きを楽しみつつ、じっくり絵も見て楽しんで欲しい一冊です。

3 ちびゴリラのちびちび

作:ルース・ボーンスタイン
訳:岩田みみ
出版社:ほるぷ出版

心に響く絵本とはまさにこのこと!
ちびゴリラのちびちびが森の中で家族や動物たちに優しく見守られながら成長していくおはなしなのですが、短いストーリーの中にぎゅぎゅっと「だいすき」が詰まっています。こんなにも愛に溢れた絵本は他に出会ったことがないくらい読み終わるとほわほわあたたかい気持ちになる一冊です。

ちびゴリラのちびちびがどんどん成長し、大きくなっても変わらずに家族や動物たちから愛されて育っていく様子が微笑ましく、「ちびちびは大きくなってもいつまでもみんなのちびちびくん」という普遍的な愛が「だいすき」というまっすぐな表現で描かれています。

子どもたちの反応を見ていると、最初はちびちびが家族に抱っこされたり、動物たちの背中に乗ったり、一緒に遊ぶ姿を見て「ゴリラのあかちゃんかわいい」とつぶやく声が聞こえていたのに、ストーリーが進むにつれてどんどん大きくなっていくちびちびを目をまん丸にして真剣な眼差しで見つめる姿が。
ちょうど赤ちゃんぽさが抜けて、自分でいろいろなことができるようになり、ちょっぴりお兄さん・お姉さんになっていく成長過程にいる2、3歳の子どもたちにシンプルに響くものがあるのかなと思います。ちびちびに自分を重ねながらおはなしの世界を楽しんでいるようでした。

ゴリラのほわほわふさふさした毛の質感、しなやかな筋肉の動きまで感じられるぐらい細やかで優しいタッチの絵。ちびちびの愛くるしい表情や動物たちのちびちびを見守るあたたかい眼差しも丁寧に描かれていて、絵を見ているだけでも優しい気持ちになれます。

母親になった今改めて読むと、母親目線からのちびちびの成長ストーリーの裏側を感じてじんわりと涙が溢れてきました。こんな風に家族だけでなく、たくさんの人との関わりの中で育っていける社会が理想だなぁ…なんて人間社会の子育て環境についても考えさせられました。
読み終わった後、我が子をぎゅっと抱きしめて「だいすき」を伝えたくなる絵本です。


◇絵本選びに迷ったら…◇

こちらのリンクもぜひあわせてお読みください。
ポノリポスタッフが年齢別に絵本選びのポイントを詳しくご紹介しています。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
お子さんのお気に入りの一冊を見つけるきっかけとなったら嬉しいです。
今後も乳幼児期のお子さんとの暮らしを応援するコンテンツを幅広くお届けしていきますので、どうぞお楽しみに♪

糸永めぐみ

PonoLipo Club Workshop&Libraryスタッフ。
中学・高校時代をタイのバンコクで過ごす。帰国後大学にて幼児教育を専攻し、保育士、幼稚園教諭一種免許取得。横浜の私立幼稚園で働いたのち、海外で保育の経験を積むためにニュージーランドへ渡る。現地の保育施設、高校などで働き、多様な国籍・文化的背景を持つ子どもたちとの関わりの中で、英語を母国語としない子の背中を後押ししたいと思い、ニュージーランド在住中にケンブリッジ大学認定の英語指導資格CELTA・TECSOLを取得。2020年よりフリーランスの保育士として英語保育をメインとしたベビーシッターとして活動。
2023年5月に男児を出産。育休中にベビーマッサージとベビーヨガインストラクターの資格を取得。好奇心旺盛で元気いっぱいのパワフルな男の子の子育てに奮闘中のママ。


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