見出し画像

簡単に自転車に乗れるようになる方法

「補助輪付きの自転車から補助輪無しの自転車へ移行していく」
「何度も転びながら乗り方を学んでいく」

これが私が子どもの頃の「自転車に乗れるようになるための方法」の常識でした。まずは補助輪付きの自転車で練習し、乗れるようになってくると今度は補助輪を外し、親に後ろを持ってもらって乗ってみる。それに慣れてくると次は途中で手を離してもらうといった練習をやってきました。多くの人がその体験をしてきたと思いますが、補助輪をつけた状態では乗れるのに補助輪がなくなると全くうまく乗れなかったことを覚えています。せっかく練習したことがほとんど活かされてない感じで、何度もこけてたくさんの怪我をするなどかなり苦労した記憶があります。

そんな経験から「自転車に乗れるようになる」というのはこういうもんだと思っていたんですが、2010年にある保育園の園長から実はそうではないことを教わり、衝撃を受けました。先日ある場で自転車の話になったとき、苦労しなくても自転車に乗れるようになることを知らない人が多いのを知り、ここに書いておくことにしました。

補助輪付きと補助輪なしの違い

補助輪がついた自転車とついてない自転車とでは根本的なことが違います。補助輪をつけた自転車は、曲がる時は曲がりたい方向にハンドルを動かします。左に曲がりたい時はハンドルを左に向ける、右に曲がりたい時は右にハンドルを向けるといった感じです。

補助輪付き

でも、自転車は違います。左に曲がりたい時にハンドルを左に向けることはしません。乗っているときのことを思い出してもらいたいのですが、左に曲がるときは左に重心を傾けているはずです。重心を傾けることによって、自転車が左へ傾いていき、左に曲がっていきます。つまり、補助輪付きの自転車に乗るために必要なことと自転車に乗るために必要なことは、全く別のことなんです。補助輪付きの自転車に乗れたとしても、それが自転車に乗れるようになることに近づいているかというと、それは結構怪しいということになります。

自転車と同じ体の使い方を練習することが大事

ではどんな練習をすればいいのか。
既に普及しまくっていますが、ペダルのついていない小さな自転車のような乗り物があります。ランニングバイクと呼ばれていて、有名なところでは「ストライダー」があります。

このランニングバイクは、ペダルがないため地面を蹴って前に進みます。下り坂でなければそんなにスピードが出ることもないので、子どもの恐怖心はあまり大きくないと思います。怖くなったら蹴るのをやめて足をつけばすぐに止まりますし。

ペダルは無く足で蹴るだけ

そして何よりこのランニングバイクの素晴らしいところは、自転車と同じように重心を傾けないと曲がれない点です。左に傾けると左に曲がる、右に傾けると右に曲がるといった感じで、自転車と全く同じ体の使い方が求められるわけです。なのでランニングバイクに乗ることができるようになると、次に自転車に挑戦したときにペダルの扱いに戸惑いはするものの、基本的にはすぐにバランスをとりながら自転車に乗ることができるようになるわけです。

こども園でもスムーズに乗れるようになった!

こども園ではストライダーと自転車を同時に導入したんですが、誰もがびっくりするぐらいスムーズに自転車に移行することができたのには驚きました。理屈は分かっていても、その姿を見せつけられるとやはりビックリします。あまりにあっけなく自転車に乗れるようになるため、親としては拍子抜けしてしまうかもしれませんが、子どもがスムーズに自転車をマスターして世界を広げていくのはうれしいことですよね。

やはり自転車は快適です

もう十分に知られていることなのかもしれませんが、周りにまだ知らない人がいたので書いてみました。私が子供の頃にランニングバイクがあったら痛い思いをせずにすんだのに…と少し悔しい気もしますが、今の子どもたちにはランニングバイクを楽しむ期間を取り入れることで、スムーズに自転車に乗れるようにしてあげたいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?