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2022年4月に読んだ本

『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』 木下斉著

地域を再生するため何を考えどうすべきが書かれているけど、仕事の進め方や判断基準の参考になることも多いです。実際に以前読んだ時にも同じことを考え、真似した取り組みが今も残っていて、「そうか、この取り組みはこの本から影響を受けたものだったか」と思い出しながら読みました。ビジョンがあるだけでなくロジカルであることも重要だと、ごく当たり前のことを再確認できる本です。

組織に勤め、毎月定期的に給料が振り込まれる働き方をすると、目の前でお金のやりとりが発生するのを見ることは少なくなる。自分で何か商品を売ったり、サービスを提供して対価を得たりして生計を立てることのリアリティが低くなるのも当然だろう。組織に属して世の中の大きな仕組みの一部として役割を果たすことも大切だが、もっと小さなスケールで経済を直接感じ、経営を理解することは地方にとってとくに大切なはずだ。

この文章はグサリと刺さります。どれだけリアリティを持って経済や社会の仕組みを感じているか、それを感じるのに適した場所に立っているか、もし適した場所にいるなら感じ取る努力をしているか、そんなことを考えさせられました。


『まちづくり デッドライン』 木下斉、広瀬郁著

2013年出版の本ですが、内容的に古いと感じることはほとんどありません。むしろ他の本でも基本的に同じ内容について書かれていますが、この本に関しては具体的な取り組みの紹介があって分かりやすいです。おもしろかったのが、枚方宿くらわんか五六市と米子中心市街地活性化の話です。

北浜alleyは今後行くチャンスはたくさんあるので営業時間中にゆっくりとのぞいてみるとして、枚方や米子には機会を作って行くことにします。


『これからの男の子たちへ』 太田啓子著

今の社会の問題だけでなく、自分自身が特権を付与されたマジョリティであることを認識できていなかったことに気づかされました。
性に関して誰もが苦しまないようにするためには幼少期から大人がどんな価値観を示していくかが大切だと言われてもいて、自分の仕事上、何かしなければ、何かできることはないかと考え始めています。

すごく響いてくる言葉がたくさん出てくる本です。著者の太田さんの言葉以外にも、小島慶子さんの「勇気とは、自分の弱さについて考えるという、いちばんしたくないことをできる力のこと」や、熊谷晋一郎さんの「自立とは、依存先を増やすこと」など、男らしさから自由になることと関係ないように見えて実は関係ある言葉がたくさん登場するので、多くの人に読まれるべき本だと思います。

自分自身の認識をアップデートするためにも読んでもらいたいし、子どもがいる人にも自分と子どもとそれ以外の人たちのためにもおすすめの本です。


『10年後、君に仕事はあるのか?』 藤原和博著

正解を求める情報処理力ではなく、納得解を導き出す情報編集力がこれからは大切になってくるという話は、いろんな人が話されています。ただ藤原さんの場合は情報処理力と情報編集力の割合が7:3になっていけばいいと言われているのが新鮮でした。よく聞く話ではこのような割合は出てこないし、印象としては0:10を求めているように話される方が多いです。藤原さんの表現では情報編集力の方が割合として小さかったので意外でしたが、何ごともバランスが大事だと考えると7:3は程良いところだと思います。

また、教員を目指す人が少なくなってきており、それが教育力の低下につながり、学校の支配が弱まることになり、学校的な価値観「正解主義」「前例主義」「事なかれ主義」から子どもたちが解放されていくことにつながるという意見も、あまり聞いたことがなかったです。時代の変化を考えると学校も変わらなければいけない!でも変わっていかないからよくない!という意見はよく聞くんですけどね。とってもいい意見だと思います。

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