見出し画像

2022年2月に読んだ本

『子どもの発達格差』 森口佑介著

著者がテーマとしているのは、「今を生きる」子どもと「未来に向かう」子どもの格差について。これが将来に直結していると考えているわけですが、「今を生きる」子どもより「未来に向かう」子どもの方が善いとは言っていない点が重要なところかと。最近流行りの「非認知能力」をつける幼児教育といったものに対しても、ちゃんと疑問を投げかけています。そもそも「非認知能力」自体が使う人によって定義が曖昧ですし、幼児期に非認知能力をつけたことでこうなった、ああなった等が、そのまま大人につながるわけではなく、その途中の環境や人との出会いによって大きく変わることも考慮しなければいけないという姿勢には賛同できます。

今回この本を読んで感じたことが実際に月末の講演を聞いて整理できるので、そのとき改めて考えてみたいと思います。非認知能力が大事って言われるけど実はよく分かってない…、子どものとき過ごし方が全てを決めるとか言われてもいまいちピンとこない…、そんな思いをもっている人には絶対にオススメです。


『続・ゆっくり、いそげ』 影山知明著

『ゆっくり、いそげ』『続・ゆっくり、いそげ』の2冊を読むとクルミドコーヒー、胡桃堂喫茶店の経営理念をたっぷりと味わうことができます。その上で2つのお店に行くと、より深くこの内容が理解できるだろうと思います。順調に進んでいるようにも見え、決して順調ではなかったようにも見えるカフェの経営を、試行錯誤しながら楽しんでいるのが伝わってきます。とにかく歩いてみる。棒に当たりながら歩くことで自分のテーマが見えてくる。「どうありたくないか」の感覚が「どうありたいか」を見つける源になる。そんなことを1つ1つ考えながら進んでこられた影山さんの思考を楽しめる本です。
本の装丁が変わっていて、それが思いのほか読みやすかったのには驚きましたが、1つだけ注文をつけるとしたら字が小さいこと。老眼が進んできており、結構苦労しました。でも、苦労してでも読む価値がある本です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?