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芸者衆のお仕事で重要なこと | 箱根芸者物語#9

これまで箱根芸者衆の置屋のお母さん達へのインタビューでしたが、今回は女の子側からのお話を聞いてみました。和喜田の玲央さんと、千佳田の幸佳さんです。

芸者衆のお仕事で重要な事を教えて下さい

芸者衆のお仕事は宴会ですが、大事な事は沢山あります。

まず、大きな宴会と小さい宴会では、芸者衆の役割で大事にすべき事が全く違ってくるんです。
大きな宴会ですと、何十人ものお客さんを数名の芸者衆でお相手する事になりますので、一人ひとりとゆっくりとお話しているようでは、一言もお話ができない人もでてきてしまう。
なので、偏りのないように時間配分を考えつつ、全体のお客様に行き渡るように常に気をつけています。

お客様との相性もやはりありますよね。
宴会と一口に言っても、お酒を飲んでどんちゃん騒ぎしたい方や静かに飲みたい方もいらっしゃいます。
私達の方で振る舞いを変え、臨機応変に対応する事がとても重要となります。

箱根の芸者は、京都の舞妓さん達のように見習い期間がない為、芸者になった1日目からお座敷に出ます。
経験を積みながら、周りの人から所作や役割を学びます。

置屋のお母さんと一緒にお座敷に出ることは少なく、若い間は一緒に座敷に出ているお姉さん達から学びます。もちろん、お客さんによって、またお姉さんによって大切にしていることや仕事のやり方が違うので「これが正解」といったモデルケースはなく、ケースバイケースばかりです。お客さんが楽しんでくれることが重要で、決まった道筋はないんです。

お客さんに話をしてもらう事は重要なのですが、喋りすぎても、聞きすぎても良くない。
私達の言葉で「座持ちがいい」というのですが、ちょうどいいバランスを取ることが重要です。

お座敷では、チームプレイがとっても重要です。ケースバイケースな状況がとてもおおく、人のよって手法が違ってきたりする為、少しでも「あれ?おかしいな?」と思ったらアイコンタクトをしたり、後で話をしたりする事を大切にしています。

置屋のお母さんに学んだことで一つ「花代泥棒になるな」といわれた事がとても印象的でした。
例えお手洗いへ行っている時間も、お客さんからいただいている大切な時間。その事について意識するようになりました。

後、自分が楽しむことが一番!やっぱり、お客さんに楽しんでもらうためには自分自身がまずは楽しくなることですね。

最後に一言ずつ

「コロナの期間で身体を休めることができました。悪いことばかりではなく、今までできなかったことやしなかったことをできるチャンスにもなる。私自身はそういう新しい挑戦を見逃さないようにしていきたいですね。気楽、でも頑張るべきことはがんばります。」と幸佳さん。
「今はコロナの影響でお座敷も少ないけど、2、3年後に「こんなこともあってね」と笑い会えるように、あきらめずに一緒にがんばりましょう!」と玲央さん。

ありがとうございました!

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