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【米国情勢】やっぱりsleepyかも

 年1回のことだし、今回はウクライナ戦争の勃発直後だからと集中して聞いてたけども、あんまり心に響かない演説だったなあ。米国のsleepyジョーの一般教書(日本流で言えば所信表明)演説のことです。

 ちなみにオンラインのweblio英和辞典にsleepyと打ち込むと、「眠い、眠そうな、活気のない、静かな、眠気を催す、(熟して)腐りかけてかすかすの」(一部略)という訳が羅列される。トランプがsleepyという場合は最後の意味で使ってんだろーなー(多分違うけど)と苦笑い。

 詳細はネット界隈で毛嫌いされている新聞読んでください、ということにさせていただきますが、全体的に「皆さんこれなら同意してくれるでしょ?」というアジェンダをパッケージにして美しくうたい上げようとした感じ。

 しかもウクライナについて語った冒頭10分と従来の内政・経済に関して話した残り40分強(だったかな)をキメラ風に合体した、いかにも急ごしらえという印象。外交に当てるはずの10分間を全部ウクライナで埋め尽くして強引に冒頭にもってきたという、スピーチライターの苦悩がしのばれる労作でもありました。

 外交部分がウクライナで埋め尽くされたおかげで、ターゲットにロックオンしてたはずの中国に触れた部分は2カ所のみ、アジア太平洋もといインド太平洋に至っては言及ゼロ。

 日本の国名は対ロシア制裁協力国を列挙した中で1回登場、在米日本大使館の方々は胸をなで下ろしたことでしょう。これで毎年天皇誕生日に大宴会やってきて良かったなー、なんて。それほど米大統領の所信表明に「日本」が出るか出ないか、日本の一部エライ人たちとメディア界は大注目しているわけですよ。片思いのヤンキーに振り向いてほしくて必死な大和撫子はけなげですな。

 個人的に引っ掛かったのは、大露西亜会のプーチン会長の極悪非道に世界のお仲間と共に立ち向かおうぜー▽でもワシの手勢(米兵)はウクライナにはやらんからアメリカのお父さんお母さんご安心を▽(極左アナーキー勢力が黒人いじめ専門の暴力装置と呼んで敵視するところの)警察の予算削減はやっぱり狂った考えだからしっかり予算つけるよー―と語ったところかな。

 他にも内政面ではいろいろ語ってんですが、面倒くさいので省略。全体として、11月の中間選挙を控え、極左を排除し中道左派と中道右派の双方が同意できるラインを狙った感じ。危機のさなかでもやはり選挙第一なのです。

 これをもって「ウクライナを選挙に利用した」などと指弾するつもりはまったくございません。選挙とはそういうもので、選挙があるから民主体制がある。

 ただ、少し前までトランプtheMadman的な何かとの対決姿勢を強めてファイティングポーズを取ったと見なされていたバイデンおじいさんが「融和」にまたぞろ回帰したとなると、やっぱりsleepyなのかな、と思った次第。

 全然関係ありませんが、これ書いてたら米第7艦隊が「南シナ海で墜落したステルス戦闘機F35Cの機体を約3800メートルの海底から37日間かけて引き揚げたぜ」というドヤ顔の発表。よっぽど中国に渡したくなかったんだろうな。素直にすごい。

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