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詩 転移する熱に閉ざされ

末の終わりに 中見なく、葛藤の一助とす
 おそらく夏の一部分を閉じ込めてしまったような
  さらには吸われて枯れてしまったようなあの苔の


ふとした勢いに吸い込まれ 飛び出した種の焦げ臭い匂い
常にわがものとせんが為の 鳩の嘶きに暫くの静止
時は凍り付く 加速器の光 弾ける 流動浅の

もし、そうであるならば 正しいものであるのならば
この痛みも、成長のひび割れも、青々とした草木の一部分として
ざらつく地面から生まれた菌糸、嫌になりそうな熱気と爛漫としたヒビ

どのようにしても、霧にとっての情念

このところ流行っていたあのラジオシヨウの一部を切り出して

有名だったころの世情を思い出していた、ただ時はτのまま
 茶色の世界に、自らの衰えと弓引く愚鈍の脳髄をするすると
  なあだって、どうしたって、世間からは滲んでいるぜ
「暗い場所から、明るい場所まで、あらゆる静止は熱病の如く」

白く 筋張った 粘り気のある そんな思いを抱いた
洋 遠く変じて いくら数えても 満たされないままの
数えては張り付ける 数えては溶解 妖怪の連綿たる辱の一端
テレビには何も含まれていない 崩れてしまった一幕の恋慕

静止 やがて待つ拘禁と霧散

釘を打ち込み打ち込まれる。 そんなところです。