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制作会社ディレクターからメドレーに転職して5年、印象的だった3つのプロジェクトを振り返る

こんにちは。プロダクトマネージャーの秀野です。制作会社からメドレーに転職して6年目になります。

入社して5年間は医療介護求人サイト「ジョブメドレー」を担当し、今ではメドレーに新たに仲間に加わったオンライン動画研修サービス「ジョブメドレーアカデミー」(※旧「メディパスアカデミー介護」)を担当しています。

会社によってプロダクトマネージャーの仕事内容はまちまちで「他社のプロダクトマネージャーって何をしているんだろう?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。
そんな方に、このnoteを通してメドレーのプロダクトマネージャーの仕事内容を知ってもらえるとうれしいです!

前職で何をやっていたか

前職では制作会社で「サービスデザイナー」「ディレクター」として、新規事業開発支援やWebサイトの構築等に携わっていました。

教育関連企業の会員向けサイトの開発で仕様策定・画面設計・進行管理を担当したり、家庭用エネルギー機器の調査ではユーザー宅に赴きインタビューを行いその内容をもとに分析を行ったり、はたまた、エンタメ関連企業の新規事業開発支援でプロトタイプの作成を行ったり…在籍していた3年の間で、多種多様な案件で幅広い経験を積むことができました。

クライアントとユーザー双方のことを真摯に考えクリエイティブに向き合う、そんな尊敬できるメンバーがたくさんいる環境で仕事ができたのは自分の価値観を形作る大きな財産になったと思っています。

なぜメドレーに転職したか

「ユーザーに喜んでもらえるサービス開発に携わりたい。そのために、ユーザー中心のデザインをやりたい」と考える中で自分自身がまだまだそれを実践しきれていないことに強く課題を感じたことが転職の大きな理由です。

実際にサービスを運用した経験がない。必ずしも必要な経験ではないかもしれませんが、この経験がないことをネックに感じていました。
そんなふうに考えていたところ、先にメドレーに転職していた前職の同僚がメドレーでの仕事について生き生きと話すのに感化され、実際にサービスの開発・運用にどっぷり関われる環境で経験を積みたい思うに至りメドレーへの入社を決めました。

環境が変われば当たり前の話ではありますが、制作会社から事業会社に転職して、仕事内容も考え方も大きく変わりました
特に印象に残っている3つのプロジェクトを例に話していきたいと思います。

1:「リリースしてからが始まり」ということを身をもって学んだ「採用管理画面」のリニューアル

入社して最初に担当した、ジョブメドレーの採用管理画面のリニューアルは特に印象に残っている仕事の一つです。
採用管理画面とは、ジョブメドレーに求人を掲載する医院などの事業所の方が使う画面で、求人の掲載管理、応募者とのメッセージ等の機能を備えた画面です。

事業内容や仕様のキャッチアップを行いながらリニューアルの開発を進行することも大変だったのですが、リリースしてからがまた一段と大変だったことが思い出されます。
タイトなスケジュールの中でリリースに漕ぎ着けたかと思えば、顧客から問い合わせが殺到…不具合解消対応や改善対応に尽力する日々を送りました。

問い合わせ内容を確認し、不具合、操作方法や仕様がわからないことによる問題、改善要望に切り分けすることから始まり、「顧客からこういう問い合わせがあったときには、このように案内してください」といったドキュメントを用意して関係部署に対応のお願いをしたり、自分自身も電話対応をしたり総力戦で対応しました。

中でも、「スカウトの送り方がわからない」という問い合わせは気になるものでした。リニューアルの目的の1つがスカウト機能の利用を増やすことだったからです。
入力項目は変更していない。レイアウトやテキストも大きく変更していない。スカウト数も減っていそうにない。
にも関わらず、なぜこの問い合わせが寄せられるのか?
要因を探り、仮説を立て、繰り返し改善を加えました。

そのうち、ある1つの施策が思いもよらず効いて、スカウトに関する問い合わせ数は激減しました。
それは、スカウトを送信する画面上の、ある小さな項目の表示を消す、というものでした。
「その表示の存在が、初めてスカウト機能を利用する顧客に利用方法を誤解させてしまう要因になっているのではないか?」
そう仮説を立て、表示が存在する背景や理由を明らかにし、最終的に表示を消すという決定を下しました。
結果は先に述べた通りに大幅改善。ごく些細なものが与える影響の大きさに改めてハッとさせられた経験でした。

事業会社に移る以前は、形にしたら一段落(ゴール)と思っていた節が大きかったです。
このリニューアルを通じて実際にユーザーに使われるものをリリースし、ポジティブなもの/ネガティブなもの、様々なフィードバックを得て、あらためて「リリースしてからが始まり」だということを実感しました。

【新たに学んだこと】
・問い合わせ対応プロセスの整備の必要性
・社内外への周知・共有の重要性
・リリース後の改善のサイクル

2:作ること以外にも目を向けさせられた「職員の声」の機能の開発

医院などの事業所で働く職員さんの生の声を掲載する「職員の声」という機能の開発は、機能の開発以外に「コンテンツの価値を届けるために、いかに多くの事業所さんに使ってもらえるようにするか?」「投稿されたコンテンツの質をいかにコントロールするか?」を考えさせられたプロジェクトです。
このプロジェクトは前任者の企画を引き継ぎ、細かな内容(仕様策定、設計)の詰めから、デザイナー・エンジニアと協同しての開発の進行、リリース後の動向確認までを担当しました。

給与や福利厚生などの条件面だけでなく職場の雰囲気がわかったほうが、求職者の方が安心して求人に応募できるようになるし、入職した職場が自分に合わなかったというミスマッチも減らせるはず。「職員の声」はそんな思いで作られた、現場で働く職員さんの声を通して職場の魅力を発信できる機能です。

「職員の声」は事業所の方自身に投稿いただく必要のあるコンテンツになっています。
投稿が無ければせっかく機能を開発しても求職者の方にその価値を届けることができないため、どうすれば投稿数を増やすことができるかに頭をひねりました。

まずは開発と並行して掲載に協力してもらえそうな顧客に打診し、ご協力いただけることになった顧客から原稿を集め、多くの求人に職員の声が掲載された状態でリリースを行いました。
さらに、リリースのタイミングでメールやお知らせページ等で周知を行うことで盛り上がっている空気感を醸成したことや、できるだけ簡単に投稿できる画面にしたことが功を奏し、リリース後も継続的に投稿数を増やすサイクルを作ることができました。

また、コンテンツが集まれば、さらに気を配るべきことが生じます。それは質のコントロールです。
求人情報は労働基準法、職業安定法などの様々な法律で定められた内容と照らし合わせて掲載してOKかを掲載前に社内で細かくチェックを行っていますが、オプショナルなコンテンツである「職員の声」は、その特性上、厳しいルールを設けてそれに適合しないものは掲載NGにするという運用はとっていません。
事業所で働く職員さんのことばでなるべく自由に発信してもらいたいため、問題がある場合のみ事業所に修正をしていただく運用をとっています。ただし、テキストとセットで投稿いただく写真には、職員さんの顔写真を登録していただくこと(風景写真やキャラクター画像の使用はNG)をお願いして、コンテンツの特性が際立つように管理しています。

たかがイチ機能であれど、開発をしてそれを運用に乗せることの醍醐味を体感したプロジェクトでした。

【新たに学んだこと】
・理想を実現していくための方策を講じることの必要性
・作ること以外の手段に目を向けること
・運用ルールの策定

3:運用への幅広く深い理解が求められた、社内向け管理画面のリニューアル

社内向けの管理画面のリニューアルは、ジョブメドレーの運営メンバーが求職者や顧客とどのように関わっているのか、運用への幅広く深い理解が求められた仕事でした。
というのも、社内向け管理画面はキャリアサポート・セールス・コンテンツ制作など、ジョブメドレーの多くの運営業務を行う画面であったからです。

使用する人が多く、かつ扱う情報・機能も多いため、

  • 作業効率を踏まえた画面設計

  • 操作ミスによるインシデント発生を招かない画面設計

  • 必要な人のみが必要な情報にアクセスを可能とする適切な権限管理

など、考慮すべき重要事項が多くありました。

「この作業をする人にはこういう画面が好ましいが、別の作業をする人にはこういう画面のほうが好ましい」
「作業効率は良いかもしれないけど、この人にこの操作をできるようにすべきではない」
考慮すべき重要事項が競合することも多々あり、何を優先すべきかといった判断に頭を悩まされることも多々ありました。

それぞれのチームの業務内容をヒアリングし、旧画面の利用状況を数値で可視化し、それらを踏まえた地道な検討・調整は気の遠くなる作業でしたが、多くの運営メンバーに協力いただきながらなんとかリニューアルを実施することができました。

全くのトラブル無しという訳にはいきませんでしたが、権限等を整備しつつ、作業効率を高めることにもつながったのはうれしい成果でした。

【新たに学んだこと】
・それぞれのチーム、個々のメンバーの業務内容
・それぞれのチーム、業務の関係性
・組織の運営
・事業全体として重視すべき観点(効率化、リスクマネジメント等)

理想を描きつつ、それを地道に現実に落としこむ作業を大事にすること

ここまで3つのプロジェクトについてお話しましたが、メドレーでサービスの開発・運用に携わり、理想を実現していくことの大変さと面白さを体感しました。
自分は特筆してスゴいことをやってきた人間ではありません。どちらかというと失敗やトラブルも多く経験しているような類に思います。
それでも幸いなことに「プロジェクトを実施して良かった」「改善したかった数字が改善できている」といえるのは、理想だけとならず、現実に落とし込んでいく作業をなおざりにせずひとつひとつ着実にこなしていけたからだと思います。
まだまだ完璧だとはいえませんが、入社当初に思い描いていた仕事ができてきたように思います。

心機一転、6年目は新しいサービスを盛り上げていきたい

冒頭でも書きましたが、今はメドレーに新たに加わったオンライン動画研修サービス「ジョブメドレーアカデミー」の担当をしています。

以前に担当していたジョブメドレーと比べてサービスの規模はまだ大きくはなく、大きな会社となりつつあるメドレーの中でも社内ベンチャー感があるチームです。
自分自身、異動してまだ間もなく、どんな人がどのようにサービスを利用してくださっているのか、ユーザーの方へのインタビューを通じて学ぶ機会をもらい、少しずつ理解を深めながら新鮮な気持ちでサービス開発に取り組んでいます。

ジョブメドレーアカデミー プロダクト責任者の岸田さんと。

介護業界の人材不足が叫ばれる中で、介護の現場で活躍できる人を育む手助けとなるサービスにしていきたいと考えています。
このnoteを読んで、少しでも共感を持ってくださったり、一緒にサービス開発に取り組んでいきたいと思ってくださる方がいると幸いです!

※本記事内の写真は、感染対策に配慮しながら撮影しています。

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