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その「ダブルファネル」,「デュアルファネル」の絵は正しい?


 先日,こちらの図を描いたときにマーケティング領域の某古い友人に,なんか絵が変だという風に指摘された。上記リンク先の図は修正されたものだが,当初の絵ではファネルの最下部が末広がりな絵になっていた。

 その古い友人に言われて“確かに”と思ったけど、これが“ファネル”なのであれば最下部は人数がより少なくなるはずなので,拡がるはずがない。だよね。反省,というかなぜそんな普通なことに気づかなかったのだろう?

 で,昨日も某所で,以下のような絵を見かけた。

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 あえて出典は書かずに掲載します。こういうコメント書くとネガティブに捉える人が多い残念な国,日本なので(集合知を使った知的前進のように捉えられないのは悲しいですね)。

 さて,先の某氏の話を受ければ,この図についても,[認知]→[ロイヤルカスタマー]に至るまでに人数は減ってくわけだからこのような図になるはずがない。

 一方で昔、Jeseph Jaffe が言った”flip the funnel”は,ファネルの最下部にいる既存顧客によって新規顧客を呼び寄せよう (How to use existing customers to gain new ones),という意味で「ファネルをひっくり返そう」と言ったので、ファネル下部(ないしは右部)が広くなっていくのは頷ける。

 この Jaffe, J. のファネルの使い方だと納得性は高い。

 海外で,dual funnel, double funnel について書かれた絵をいくつか見てみると,初回購買後購買(アップセル・リピート・クロスセル)について書いてあるものの,最後は refferals だったり,advocacy だったり,他のお客さんを連れてくる要素が入っている。

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 こうした二つのファネルが結びついた絵について,日本では間違った解釈のもと,2つの違った話を真ん中で結びつけているのかもしれない。

 もう一度,件のものに戻る。

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 ちなみにこのような書き方(最後がロイヤルカスタマーなど)になっている例は,日本のダブルファネルの絵ではよく見かける。もしかすると advocacy だったり,refferals についての捉え方を勘違いした図が最初に出回ったかもしれない。

で,結局この図だと左右で違うことを説明していることになる。

最後に advocacy や referrals がないと,人数は増えていかないので,

左側はファネル、右側は単なるLTV

の説明ということになる。

左側は顧客化に至るまで、人数が減っていく図。
右側はリピート購買・クロスセル・アップセルの結果、一人あたりの生涯の売上が大きくなるの図。

ってことに。

 もしこれがアウェアネスからロイヤルカスタマー化までのプロセスなのだとしたら、そもそもリボン型になってる必要もないと思う。

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