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オンライン診療の問題点②

2020年4月7日、閣議で下記のような決定がなされました。

「新型コロナウイルス感染症が急激に拡大している状況の中で、院内感染を含む感染防止のため、非常時の対応として、オンライン・電話による診療、オンライン・電話による服薬指導が希望する患者によって活用されるよう直ちに制度を見直し、できる限り早期に実施する。」

医療機関に受診することは、新型コロナ感染における大きなリスクです。これは患者側にとっても、医療機関側にとっても同様です。しかし、元々通院している人や急病になった人にとって、受診しないという選択はできません。

そこで、新型コロナに関する時限的措置として下記の方針が決まりました。
○オンライン診療・電話診療を拡充する。
○基礎疾患の情報が把握できていれば、初診からオンライン診療・電話診療を可能とする。
○オンライン診療の算定回数制限(一割以下)を見直す。
○対象疾患の制限はなし。
○調剤薬局におけるオンライン服薬指導・電話服薬指導の活用を促進する。
○時限的措置におけるオンライン診療または電話診療を行った場合、初診においては214点(2,140円)、再診では73点(730円)を算定することとする。

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さて、オンライン診療はもともと、かかりつけ医機能を担う診療所を想定した項目でした。

診療所であれば、医師が一人か二人しかおらず、受付との距離も近く、オンライン診療や電話診療を行うにしても運用でいくらでもカバーできるイメージです。

例)電話診療の流れ(イメージ)
患者「薬がなくなりそうなのですが、コロナが怖いので、薬だけ出してもらえないでしょうか?」
受付「先生に電話を代わるのでお待ちくださいね」
医師「○○さん、調子はどうですか?」
患者「特に変わりありません。血圧も安定しています。」
医師「わかりました。いつも通り薬を出しておきます。受付に代わりますね。」
受付「○○さん、処方箋は薬局にFAXしておきますが、どこの薬局がいいですか?」
患者「××薬局でお願いします。お支払いはどうしたらいいですか?」
受付「コンビニ支払いの請求書を郵送しますね。」

この後、医師は患者との会話を電子カルテに入力し、受付担当者は処方箋を薬局にFAX(後日郵送)した上で、コンビニ支払い用の請求書を患者に郵送します。
診療所の環境や、患者の状況によっては、この「電話」部分を「テレビ会議」に変更することが可能です。
また、多くのオンライン診療用システムもリリースされました。患者は自身のスマホやタブレットにオンライン診療用APLをダウンロードし、医師側もネットにつながるタブレットやカメラ・マイク等を用意するだけで気軽にオンライン診療を行うことができます。

しかし、新型コロナによって、診療所だけでなく大規模な医療機関においても電話診療やオンライン診療の必要に迫られました。

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