第2回 ゼロから始めるなんとなく上手にみえるデッサン
3秒でわかる前回のあらすじ。手描きしたよ(二重の意味で)!
さて、前回のラストでプロの実力を垣間見たY本さん。
今回はまず三木さんのイラストから「どこがいいからちゃんとした手に見えるのか」を学びましょう。そしてそこだけを重点的に取り入れ真似するのです。
なんか「小論文のテストで確実にポイントを稼ぐコツ」みたいな論法ですが,われわれ絵心皆無勢としてはそれで多少なりとも上達する(ようにみえる)のなら過程はよかろうなのだ!
というわけで三木さん,解説をお願いします。
なるほど、大事なところはだいたい出っ張ってるみたいです。
でもこれはわかる話。絵が描けない人間って基本,立体感が出せないですからね。
なにやってもエジプトの壁画よろしく平面構図しか出てこない。
今ちょっと,中学の美術の時間の「正面に座っているクラスメイトの顔を粘土で作りましょう」って課題で踏んづけたクロワッサンみたいなのを作ってしまったことを思い出しました。あのときは宮本くんに悪いことをした。
ですってY本さん。
はやーい。
って,おお! 自分でも描いてらっしゃるけど進歩がみえる。
いいんじゃないですかY本さん。手首を意識したことで形がよくなったように思えます。
なるほど。前のを手直しするんじゃなくて,新しく描くことでこうして比較ができるんですね。
ふーむ。わずか数分の指導でこれだけ変わるんですもんね。画力ゼロチームだけあってこれは今後も躍進が期待できそうです。
それにしてもこの指の谷間。ちょっとした線と陰を入れることで上から見た構図なのに厚みが感じられます。
改めてみると,たしかに水かきみたいなのあるんですよねここ。見事な観察眼です。
Y本さん,いつの間にこんなテクを……!
確かに。特に親指周りの線は秀逸と認めざるを得ません。
この自然なライン,奥行きを感じさせる陰影。これが子を持つ親の実力(夏休みの宿題の手助けとか)ということなのでしょうか。やりおる。
これが絵描きの性なのか。しかしまあ効果は絶大でしたよ。
「オイオイオイこれ画力ゼロじゃないじゃん。次回からは上司出禁だわ」とか思ってましたからね。
ランドマークを意識し,それをはっきりと描く。これが画力ゼロ脱出の第一手のようです。
つづく
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