美容外科の専門医(美容外科医)になるには?資格がないとダメ?
医師免許があれば、美容外科医として活動することができますが、転職やキャリアアップをお考えの方には、美容外科医の専門医資格について気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、専門医になるまでの流れや、日本で美容外科の専門医を認定している2つの美容外科学会JSASとJSPASを紹介。
さらにそれぞれの特徴や入会方法、形成外科の経験が必要かどうかについて解説します。
専門医とは?
特定の診療科や医療分野において高度な知識と技術を持ち、専門的な医療を提供する能力があると認定された医師のことです。
医師免許を所持し、医師としての基本的な教育や臨床経験を経て、特定の診療科でさらに専門的な研修を受ける必要があります。
そして、認定試験を受けて合格することで、正式に専門医として認定されます。認定試験は、学会や専門医認定を運営する団体が実施し、その分野で必要とされる知識や技術を持つかどうかが判断されます。
美容外科の専門医になるまでの流れ
先述した通り、医師免許があれば美容外科医として活動することができますが、より信頼度の高い専門医になるには以下のステップが必要です。
医学部を卒業して医師免許を取得する
2年間の初期臨床研修を修了する
進みたい診療科(基本領域)を選択する
専門研修プログラムを持つ医療機関で3~5年間の専門研修を受講する
認定試験に合格する
美容外科の専門医資格を取得するためには、専門学会に所属し、活動することが重要です。学会では、美容外科の最新技術やに関する知識に関する研修やセミナーが開催され、活動専門性を高めることができます。
また、美容外科学会が認定する美容外科専門医資格を取得するためには、一定の研修期間や症例数の経験が求められ、学会が実施する認定試験に合格する必要があります。
専門医になるメリット
患者からの信頼向上
専門医資格を持つことで、高度な知識と技術を持っていることを証明できます。その専門領域に特化した診療や治療を提供できるため、より正確で効果的な治療を行うことが可能です。
資格を持つ医師は、その分野に精通しているという認識を患者に与え、診療を受ける際の安心感につながります。
キャリアアップや転職に有利
クリニックや医療機関は、専門医資格を持つ医師を採用することで、専門的で質の高い医療を提供できると考えるため、求人において専門医のニーズが高くなります。 大学病院や総合病院での勤務や、専門クリニックでの採用の可能性が高くなり、キャリアの選択肢が広がります。
また、医療機関内での昇進や、診療科の責任者としての役割職に就く際にも、専門医資格は大きなアドバンテージとなります。専門医資格を持つことで、診療科のリーダーや部長、院長などのポジションに就きやすくなり、キャリアアップの機会が増えます。
日本で美容外科の専門医になるには2種類の方法がある
アメリカでは、美容外科は形成外科に含まれることから、美容外科専門医というものは存在しません。美容外科でも最終的な肩書は形成外科専門医となります。
一方、日本で美容外科専門医を目指す場合は、比較的簡単に目指せる専門医(JSAS)と難易度の高い専門医(JSPS)という2種類の方法があります。
日本には2つの美容外科学会がある
なぜ美容外科専門医を目指すのに2つの方法があるかというと、それは日本の美容外科界にはJSASとJSAPSという2つの学会が存在するためです。
ここからは、その2つの美容外科学会について、それぞれの特徴や専門医を目指す方法を紹介します。
美容外科医を中心とする美容外科学会(JSAS)
⽇本美容外科学会(JAPAN SOCIETY OF AESTHETIC SURGERY=JSAS)は、さまざまな診療科出身の美容外科によって構成されている美容外科学会です。
美容外科医に多い形成外科に限らず、皮膚科など幅広い診療科出身の美容外科に門戸を開いているほか、発表される学術もJSAPSより実践的な内容が多いという特徴があります。
専門医を目指す方法
JSASで専門医に認定されるには、主に以下の条件を満たし、年1回行われる筆記試験・口頭試問に合格する必要があります。
1. 日本美容外科学会(JSAS)および日本先進医療医師会の会員であること
2. JSASが指定する研修施設で5年以上の勤務経験があること
JSASが指定する研修施設とは、学会の専門医が1名以上常勤する施設(主に美容外科クリニック)のことです。
筆記試験は美容外科に関する出題の選択形式で、筆記試験の合格者のみが口頭試問に進むことができます。
口頭試問では実際に治療された患者さんについて、診断・治療方針・手術などの診療能力が問われるほか、美容外科専門医としての倫理観、道徳性などが問われます。
受験料は60,000円で、認定後も最新の知識と技術を学び続けるという目的から、5年ごとに資格を更新する必要があります。
参照:専門医制度-JSAS
形成外科専門医を中心とする美容外科学会(JSAPS)
⽇本美容外科学会(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery=JSPAS)は、美容外科医に多い形成外科医出身の美容外科医によって構成されている医美容外科学会です。
さらに形成外科医が修練を積むことでなれる日本形成外科学会の会員でないと入会できないため、JSASよりも加入が難しい、発表される学術もJSAPSより専門的な内容が多いという特徴があります。
専門医を目指す方法
JSPASで専門医に認定されるには、主に以下の条件を満たし、専門医試験に合格する必要があります。
日本美容外科学会(JSPAS)の正会員であること
日本美容外科学会(JSPAS)としての会員歴が3年以上あること
形成外科専門医を有しており、4年間の形成外科専門医研修終了時から3年を経過していること
専門医試験は2024年度から実施が決定したため、その詳細についてはまだ詳しい情報がありません。
しかし、JSASと同様、美容医療に関する専門的な知識や美容外科としての診療能力や倫理観、道徳性などが問われる内容であることが予想されます。
専門医の受験料(新規認定の審査料)は30,000円で、認定後も5年ごとに資格を更新する必要があります。
美容外科は他の診療科から転科してくる人が多く、なおかつ人気の職業です。このため美容外科への転職を考えている場合は、医療転職に特化したコンサルタントへの相談をおすすめします。
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