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お弁当のパスタ

がめちゃくちゃ好きです。
それも、揚げ物の下にあるやつです。

最近、近所にお弁当屋さんが出来た。
一人暮らしだし、料理は苦手だしで
基本的に土日は外食をしている。
とはいえ、めちゃくちゃ高いので、
1食抜くかお弁当を買っている。

私は揚げ物の下にあるパスタが大好きだ。
サイゼリヤとかに存在する単独のパスタではなく、
お弁当の主役の揚げ物の下にあるパスタだ。

理由は様々あって、
まず単純にソースに絡めると美味しい。
好きなものは取っておくタイプの私だが、
このパスタは必ず最後に食べるし、
食べない人の分まで食べる。
周りからは「変わってるなあ」って言われる。

でもなんであるのだろう?と思った。
私はネガティブな考えしか出来なかったので、
「どうせかさ増しでしょ。
それにハマってるだけなんだ」と思ってた。

調べてみると理由は4つあった。
1つ目は先述の「ボリュームを出す」。
下にパスタを敷くことで立体的に見えて、
美味しそうに見えるらしい。
想定の範囲内だ。

2つ目は「おかずが動かない」。
お弁当を買って運ぶ時に
どうしても偏りがちになるので、
メインのおかずがご飯や他のおかずに
行ってしまったり、
最悪味が混ざってしまうこともある。
それをパスタがクッションになって
動くのを防いでくれるのだとか。
言われてみればそう。納得。

3つ目は「油を吸ってくれる」。
唐揚げとかチキン南蛮などの揚げ物は、
時間が経過すると油が出てくる。
出てきた油がおかずに浸されると味が落ちてくる。
しかし、下にパスタがあれば、
出てきた油を吸ってくれて、
油に浸されたり、
他の食べ物に油が移ることが無いみたい。
極論を言うと、賞味期限が長くなるのだ。

4つ目は「容器を守る」。
お弁当の容器はプラスチックや発泡スチロールが
ベースになっているが、
そこに揚げたてのおかずを置くと
熱で容器が溶けてしまう。
しかし、パスタの上に置けば、
熱が容器に直接伝わらないし、
パスタ同士に空洞があるため、
熱が逃げてくれるのだとか。

以上の4つが、お弁当の
揚げ物の下にパスタを置く理由だと。

これを知った時、このパスタと
私のポジションが似ているなと思った。
元来、目立つのが苦手で、
基本的にサポーターの位置に私は居た。

何かのチームに経つ時も、
あれこれ事は尽くすが、
リーダーとして引っ張るのは
精神的にもしんどかった。

今もライン作業者や設計者などの主役ではなく、
品質管理や生産技術などの
脇役の部署に就いている。

そのような状況下でずっと生きていた私が、
このパスタの役割を知った瞬間、
更に愛着が湧いてきた。

「味無いから要らねえな」
「ただの詐欺だろ」などの
心無い言葉を受ける点でも似ている。(苦笑)

何もしてなさそうで、
実は重要な役割を果たしている…
めちゃくちゃカッコ良いな、と。

それ以来、私は好きな食べ物を聞かれたら
必ず「揚げ物の下のパスタです!」
って自信を持って答えている。
質問者の困る顔を見るのも楽しい。(笑)

主役になりたいわけじゃないんだ。
好きな人や魅力的な人を支えて、
その人に光が当たれば私は良いんだ。

そう思いながら私は、最後の一口を
ハンバーグソースに絡めて、豪快に頬張った。
最高だよ、影の立役者。

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