8月4日(日)メディア日記
共同通信によると 自民党の杉田水脈は自身の男女平等否定への批判に対して、X投稿で、差別的言動を理由に杉田水脈の議員辞職を求める意見を「言論弾圧」と表現した。そして、「言うべきことを言い続ける」と反論した。「言論弾圧」とは通常、国家などの権力者側が検閲などの手段で報道や表現の自由を規制する行為を指すものだ。杉田は、SNSで差別を主張し、拡散する一方で、非難の声を「言論弾圧」と呼ぶ姿勢は、到底、国会議員の資質とはいえない。
議員資格さえ疑われる杉田水脈議員に対する批判は共同通信がもっとも積極的。他のメディアは自民党右派系勢力に気を遣いすぎなのか報道は消極的だ。
昨年2023年夏、週刊文春が5週連続して、自民党の木原誠二官房副長官の妻の元夫が怪死した事件を取り上げた。事件を揉み消した警視庁や警察庁に波及する可能性が十分あったが、なぜか途中で報道はうやむやになってしまった。週刊現代の元編集長の元木昌彦が日刊ゲンダイに事件を総括した一文を書いた。事件経過は、記憶がやや薄れた事件なのであらためて読むと「これはすごい事件だ」がわかる。以下、元木昌彦の一文・・・・
「私は推理小説が好きだ。こんなストーリーはどうだろう。数奇な運命を持った女性がいる。彼女は若い頃、一度結婚していた。昔はやんちゃだったが長身で端正な顔立ちの夫と2人の子どもに恵まれ、幸せなはずだった。だが、彼女は夫の友達で10歳年上の男と不倫をしていたのだ。夫の知るところとなり、彼女は子どもを連れて家を出てしまう。子どもを連れ戻したい一心で夫は不倫相手と一緒にいる彼女を必死に捜し回る。ようやく捜し当て、離婚することを承諾して、家に連れ戻した。だが、その翌日、夫が無残な姿で自宅の居間で死んでいるのを、実父に発見されたのである。彼女は警察に、隣の部屋で子どもといて「寝ている間に夫が死んでいた」と供述した。だが実父は、ナイフで頭の上から喉元に向かって刺した自殺の仕方が不自然に思えた。息子の太ももの右に細長いナイフがきれいに置かれていたことにも疑念を抱く。警察は遺体から覚醒剤が検出されたことから、「覚醒剤乱用による自殺」として処理しようとしたが、遺族が納得しないので「未解決の不審死事案」とした。その後、彼女は美貌を武器に銀座の夜の蝶になり、客に来ていた元財務官僚で有望な自民党代議士と恋仲になり、妻の座に収まるのだ。だが、事件から12年後、コールドケース(未解決事件)を掘り起こしていた女性刑事が、この事件を洗い直し、自殺というにはあまりに不自然なナイフの血の付き方に疑問を抱く。捜査幹部も、「当時、なぜこれを自殺と見立てたのか?」と、捜査を開始することを命じた。彼女と不倫していた男が、事件当夜、彼女の家に向かっていたことがNシステムで判明した。この男は「覚醒剤取締法違反」で逮捕され、宮崎刑務所に収監中だったが、刑事たちは粘り強く聞き取りを行い、ついに「当夜、彼女から電話があり、夫婦喧嘩しているうちに夫を刺して殺した」と聞かされたと告白したのだ。この供述によって、特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に30人以上の精鋭が集められ、彼女の実家をガサ入れし、彼女が暮らしている政治家の家に踏み込んだのである。くだんの政治家は自民党の政調副会長兼事務局長という要職に就いていた。捜査員は彼女に任意同行を求めたが、“影の総理”とまでいわれる夫に配慮し、後で出頭してもらうことにした。だが、彼女は「記憶にない」というばかりだった。
それから1カ月後、突然、捜査員たちはこの事件から外されてしまうのである。捜査員は、「不倫相手の供述があって、亭主が自民党の実力者でなかったら逮捕できる。だが、殺人容疑で彼女を逮捕して、自白も取れずに起訴できませんとはいかない」とほぞを噛むのである。しかし、この夫には本妻と同じ元ホステスの愛人がいる。自宅が家宅捜索に入られた後、その愛人に「俺がいなくなったらすぐに妻が連行される」と語った音声が発見された。果たして、女性刑事は巨大な権力の壁に挑み、状況証拠はあるが、ほとんど物証のない難事件の真相を明らかにすることができるのだろうか。
超ド級ミステリーとして売り出せばベストセラー間違いない。何? 週刊文春が掲載した木原誠二官房副長官の本妻の話にそっくりだって? そんな話を新聞、テレビが取り上げたって話は聞かないな。木原が文春を告訴した? 文春にとっては想定内だろう」。
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