4月3日(月)メディア日記 

 坂本龍一死去 71歳。3日朝刊は、毎日、東京は1面トップ。朝日、読売は1面左。スポーツ紙はいずれも1面トップ。新聞もテレビも坂本龍一の音楽の功績を中心に大きく報じた。同夜のTBSの「ニュース23」は筑紫哲也時代からの豊富な映像をもとに坂本龍一の反戦の思いを報じた。また、新聞では、朝日新聞社会面に載った音楽担当記者の定塚遼の「評伝」は一味違った。この中で坂本龍一は、原発反対、再稼働反対、沖縄の基地問題、安保法などでもたびたび声をあげた。なぜアピールするのか、これについて坂本龍一は「原発事故と被災地の問題、それ以降の日本の政治状況、社会状況はますます悪くなっている。声を上げないとしたらそれがストレス。見て見ぬふりをするというのは、僕にはできないことですから」と語っている。

 日本では著名人が政治的発言をすること自体が批判を受ける風潮が依然残っている。音楽の功績はもちろんだが、坂本龍一のこうした社会的活動の側面を訃報記事ではもっと大きく取り上げて欲しかった。

 テレビ朝日の「モーニングショー」で羽鳥慎一は、今日、3日から番組に本格復帰した玉川徹に「玉川さんが毎日、出なくなった期間があって、その時に坂本さんが“出てこないんだ。玉川さん、出て欲しいな”というふうにおっしゃっているというのを伝え聞いていて・・・」と水を向けた。 玉川は「伺っていました。この半年間、完全な復帰というのはできなかったんですけど、ただ取材をして番組で放送するときに“見ていただけているかな”と思いながら放送していたんですけど…もし、また毎日出られるようになったら、直接お礼申し上げたいなと思っていたんですね。本当に残念です」と語った。
 
 テレビ朝日の「大下容子ワイド!スクランブル」で、大下容子は3日の放送で、同番組にコメンテーターとして18年出演していたテレビ朝日出身の川村晃司(享年72)を悼んだ。番組では川村の最後の出演となった日をVTRで紹介。「大下さんは押しも押されもせぬ日本を代表するお昼のワイドショーのまさに顔となりましたから、これからも多角的に面白いことを優しく深く伝えてください」と静かな口調で語る様子が流れた。大下は「川村さんは、穏やかさの中に強いジャーナリストの矜持と情熱をお持ちの方でした」と川村さんの人柄を語り、「本当に尊敬する方。本当に川村さんありがとうございました」と声震わせ、最後は深々と頭を下げた。
 
 共同通信によると、音楽之友社は3日、クラシック音楽のCDやDVDの新譜紹介や評論を専門とする月刊誌「レコード芸術」を、6月20日発行の7月号で休刊すると発表した。同誌は昭和27年3月に創刊し、およそ70年余、クラシック音楽愛好者らに親しまれてきた。同社は休刊の理由を、紙の雑誌を取り巻く状況や、配信などに移行する音楽業界の大きな変化、用紙など原材料費の高騰と説明した。しかし、よくここまで続いたというのが同誌の愛読者の一人としての率直な思いだ。

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