8月6日(火)メディア日記
6日各紙の朝刊見出しは全紙が「東証暴落4451円安」。しかし、6日午前になって、取引開始直後から大幅に値下がりした銘柄を買い戻す動きが一時、3400円以上値上がりし、上げ幅は1990年10月につけた2677円54銭を超えて時間中として過去最大となった。テレビのインタビューの答えた投資家は、「昨日と今日、もっとも早いジェットコースターに乗った気分だ」。
広島は6日、79回目の原爆の日を迎えた。広島市中区の平和記念公園では、市主催の平和記念式典が開かれ、被爆者や遺族、岸田文雄首相ら約5万人が参列。教育勅語を信奉するような松井一実市長の平和宣言は興味がなかった。何と言ってもこの日の白眉は、湯崎英彦広島県知事の挨拶だった。テレビは生中継していたが、湯崎知事挨拶はテレビも翌日の新聞も取り上げなかった。イスラエルのコーヘン駐日大使が出席する中、湯崎知事は「現代では、矢尻や刀ではなく、男も女も子供も老人も銃弾で撃ち抜かれ、あるいはミサイルで粉々にされる」など、イスラエルの蛮行を念頭に批判する内容が含まれた。さらに湯崎知事は、6月に沖縄の新聞に掲載された琉球大教授の上間陽子が執筆したコラムを引用し、上間は自身が左手をやけどした体験を話した。「たかが指のやけどでこれほど痛いなら、放射線を浴びた人の皮膚はどれだけ深く痛むのか」「私たちの日常は、そこにある痛みを、すぐに忘却しようとする。だから時々、自分の左手に触れながら実感する」と原爆症の恐ろしさを重ね合わせた。
NHKの中継で同時通訳に聞きるコーヘン駐日大使の表情も映し出された。長崎市は9日の平和記念式典にはイスラエルのコーヘン駐日大使は招待しなかった。被爆者団体などは、何万人ものパレスチナ人が殺害されているイスラエルのガザ攻撃を理由に、広島・長崎両市に対してイスラエル大使の招待を見送るよう要望。ロシアとベラルーシはロシアのウクライナ侵攻を理由に招待されておらず、イスラエルに対しても同じ扱いをすべきだと訴えたが、広島市と長崎市の対応は割れた。
長崎市がイスラエル代表を招待しかなかったことでイギリスとアメリカは抗議の意味を込めて長崎の平和式典に欠席を通告した。
共同通信の友人から「広島出身の同社の旧友からこんなメールが来た」と以下のメールが送られてきた。
「広島原爆の日に少年時代を思います。私が5年間広島で過ごした少年時代、実は反核・反戦教育を受けた記憶がほとんどありません。子供同士で連れもって平和公園や比治山のABCC、元安川の精霊流しなどには行きましたが、戦後10年以上経っても、まだ記憶が生々しかったからでしょうか。旭町の自宅庭では焼け溶けたビールビンが見つかった。隣の謡曲のお師匠さんのお婆ちゃんは穏やかな口調で「うちは主人も子供達も皆んなピカドンで死んだんよ」と話してくれました。夏に半袖になった先生の腕や首筋にケロイドの跡を見た時は息を飲みました。通学路の進徳女子高校の顔見知りの綺麗なお姉さんが、悪ガキのワシらに真夏に帽子を被ってることを問われ「うちは白血病で治療受けとるんよ」と坊主頭を笑って見せた時の衝撃は今も鮮明です。悪ガキたちは言葉もなく、トボトボ歩き誰かが「あのお姉ちゃんは死ぬんか?」と呟き、皆泣きじゃくりながら暑い道を家路につきました。あの心優しい悪ガキ少年たちは今、どうしとるんじゃろう、と思いをはせます」。
関東大震災直後の朝鮮人虐殺を巡り、東京大学の多数の教職員が5日、東京都の小池百合子知事宛てに、虐殺の認定などを求める要請書を初めて提出した。朝日新聞、東京新聞は6日朝刊、NHKは5日のニュースで報じた。虐殺問題を研究する外村大教授(近代日本史)ら83人の連名。記者会見などで虐殺について明確に答えない小池知事に「定まった評価を受けている学説への信頼を毀損している」と批判した。
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