1月16日(火)メディア日記

 読売新聞は16日朝刊1面トップに「東京地検特捜部は、パーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載しなかったとする政治資金規正法違反容疑で告発された安倍派幹部7人を不起訴とする方針を固めた」と報じた。特捜部は同派の会計責任者を立件し、在宅起訴とする見通しだが、幹部らと会計責任者の共謀は認定できないと判断した。
 安倍派幹部は立件できないという報道はすでにNHKが13日、共同通信が14日、毎日新聞、時事通信なども報じているが、読売報道をきっかけに同日の民放ニュースも取り上げた。朝日新聞は19日朝刊でようやく安倍派幹部不起訴を報じ、事実上の捜査終結を報じた。
 朝日が立件見送りを報じていない背景について、同日のTBS「ひるおび」に出演した朝日出身の星浩は「検察はまだ『脱税』という可能性を模索しているのではないか」と希望的な見通しを指摘した。裏金を不記載にした場合、その金の税金の行方はどうなっているのかということだろう。

 日本維新の会の馬場伸幸代表は16日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、2025年大阪・関西万博の運営で赤字が出た場合は、維新に政治的責任があると述べた。「責任の取り方は維新のメンバーで協議して決めたい」とした。仮に赤字が出た際について問われると「国と大阪府・市、経済界が費用負担するルールが決まっているので、3者で話し合ってもらわなければならない」とも指摘した。
 一方、日経新聞16日朝刊で名物コラム「大機小機」は、「大阪万博より震災復旧を」と見出しを打った。同コラムは「能登半島地震の被害からの復旧に向けただでさえ足りない人出を同地域に振り向ける工夫が求められる、万博にかけている人手を被災地支援・復興事業に回せば公益に資する」と書き、万博の縮小開催か中止を主張した。財界御用達の日経新聞が「待った」をかけた形だ。

 自民党の麻生太郎が9~13日まで訪米したが、主目的な何だったのかはどの新聞を読んでもよくわからない。16日の読売新聞朝刊が「麻生はトランプとの接触をはかるために訪米した」と報じた。同記事によると、麻生はトランプに会うためにニューヨークまでわざわざ訪ねたが、結局、共和党予備選の日程の関係で面会は実現しなかった。同紙によると、岸田首相はトランプ陣営とのパイプ役として麻生氏に期待を寄せている。バイデン政府との関係のために日本政府関係者がトランプ側と公式に接触するのは難しい状況だが、政府与党幹部である麻生なら「角が立ちにくい」という判断だ。

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