5月17日(水)メディア日記
入管施設で死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリの死因を巡り、日本維新の会の梅村みずほ参院議員は16日の参院法務委員会で「ハンガーストライキによる体調不良だったかもしれない」と述べた。これに対し、与野党幹部から「事実関係が違う」などと問題視する声が相次いだ。ウィシュマ・サンダマリの遺族らが17日、「まったく事実にもとづかない発言。ウィシュマさんの尊厳を踏みにじり、遺族を深く傷つけるものだ」と撤回と謝罪を求めた。あわてたのは日本維新の会。同党の藤田文武幹事長は18日、緊急記者会見を開き、梅村みずほ参院議員を参院法務委員から更迭すると発表。馬場伸幸代表も会見で梅村に苦言を呈し、「政治家として未熟だ」と批判した。
同党は、梅村のほかにもたびたび言動で問題を起こす議員がおり、未熟は「日本維新の会」そのものではないか。日本維新の会は26日、梅村みずほ参院議員を、6か月の党員資格停止処分にすると発表した。
17日のNHK総合『クローズアップ現代』は、ジャニー喜多川による性加害問題について「“誰も助けてくれなかった” 告白・ジャニーズと性加害問題」とタイトル打ち衝撃的な特集を放送した。冒頭で、桑子真帆アナウンサーが「なぜこの問題を報じてこなかったのか。私達の取材でもこういった声を複数いただきました。海外メディアによる報道がきっかけで波紋が広がっていること、私たちは重く受け止めています」と語った。 番組内では、実際にジャニー喜多川から性加害にあったという男性らが登場し、当時の状況を証言した。証言はリアルそのもの。正直、「いいのかな」と思った。
後半では、芸能界にくわしいジャーナリスト松谷創一郎が登場。「今回も民放を含めてNHKも報道がかなり抑制的。こういうことが一番大きな問題ではないか」と指摘し、「テレビ朝日、フジテレビは逃げないでちゃんと向き合っていただきたい」と2局を名指した。
これまでジャニーズ事務所に忖度してきたテレビメディアに対するは、批判は依然として続いている。日本テレビ出身の上智大教授の水島宏明は文春オンラインで、「ジャニー喜多川の性加害にもっとも踏み込んで発言したニュースキャスターは誰だったか」と書いた。
この中で水島は、「NHK『ニュースウオッチ9』の田中正良キャスターは『被害を訴える声は相次いでいました。こうした声にしっかり向き合っていく必要があります』と述べたが 常識を述べただけの空疎な言葉だった」と批判。また「報道ステーション」(テレビ朝日)大越キャスターも『誠実に向き合う』などと、誰でも言えるような『常識的な言葉』を口にしているだけで、何かを提言しているわけでもない」と決めつけた。
水島は、「テレビ独自での『ジャニーズ性加害』報道は、11日(木)のTBS「news23」から本格的に始まったと言っても過言ではない。結果的にはこれが決定打となって、藤島ジュリー景子社長の謝罪動画につながっていった」と前置きし、「小川彩佳キャスターはメディアが報じてこなかった過去を自省した上で番組としての“覚悟”を示した」と指摘した。
一方、5月25日号の週刊文春は「共犯、テレビ局のジャニーズ忠誠ランキング」などの記事を掲載した。この最上位はテレビ朝日とフジテレビ。テレビ朝日は、「ミュージックステーション」をはじめ右を向いても左を向いても多くのジャニーズタレントが出演する番組を抱えている。フジテレビも同じだが、謝罪動画を公表した藤島ジュリー社長はかつてフジテレビに勤務していた。テレビ東京は、報道は少なめだが、週刊文春は「テレビ東京の放送番組審議会の委員に国分太一が入っている」と報じた。
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