スーパーマリオ3Dコレクションを(買ってもいないのに)振り返る: FOMOに起因する任天堂との解釈不一致
2020年9月18日、任天堂はスーパーマリオブラザーズ35周年企画として、過去に発売された3Dマリオ3作品をSwitch向けにリマスターした「スーパーマリオ3Dコレクション」を発売しました。後述しますが現在は販売を終了しています。
過去の名作3本が1つにまとまったお買い得な一作ですが、このゲームは35周年キャンペーン限定商品となっており、2021年3月31日で生産とダウンロード販売が終了することが発売時に告知されています。
収録作品のうちスーパーマリオ64のみSwitch Online + 追加パックのサービスに入っていますが、スーパーマリオサンシャインとスーパーマリオギャラクシーについては現状プレミア値の付いた中古品を購入するしかSwitchでプレイする手段が無くなっています。
発売と同時にアナウンスされていたとは言え、技術やライセンスに問題の無いゲームが丸1年もせずに販売終了となるのは少し驚きです。
ゲーム内容を考えても3作共に往年の3Dプラットフォームの傑作。グラフィックこそ多少古くはなっていますが、現在プレイしても当時と変わらず楽しめることでしょう。特にスーパーマリオ64は3Dアクションゲームの金字塔とも言える面白さです。
理由については海外メディアVice Mediaが、匿名のディベロッパーに話を聞いた記事に記述があります。
上記によると「再リリースされたゲームはウィッシュリスト送りになることが多い」「人為的なFOMO(Fear Of Missing Out、機会を逃すことへの恐怖)が売り上げを加速させたと思う」との理由が語られていますが、この開発者がマリオに携わっていたかは明記されていないため、確実なソースとは言えません。
しかし、イギリスでは販売が最後となる3月最終週に売上が前週比で276%上がったとのデータもあるため、結果だけ見ればあながち間違いとも言い切れません。
タイトルにも書いた通り自分はこのゲームを買っていません。ゲーム内容は間違いなく好みだし、各タイトルのオリジナルもプレイしたことがあるため記念に買っておくのも良いかと考えたのですが、当時の自分はどうにもこの販売方針に納得できなかったようです。
自分の視点では、現在でもファミリー/子供向けにゲームを作っているファーストパーティは任天堂のみになったように見えます。PlayStationはPS3世代(具体的にはThe Last of Us発売あたり)から徐々に大人向けにシフトし、Xboxは当初から大人向けだったように思えます。
子供も大人も皆で楽しめるゲームを作るのは任天堂の得意分野だと思っています。自分が子供の頃よくプレイしていただけかもしれませんが、当時の家庭用ゲーム機のシェアを鑑みれば同じように感じる方も多いでしょう。
だからこそ、この期間限定の発売方法には疑問を感じずにいられません。今の子供たちにも十分通じる面白さのゲームなのに、「キャンペーンの一環だから」といった理由で販売を止めて欲しくはなかったと思います。
特に他に入手方法が無くなってしまうのは残念で仕方ありません。
別にこの件が原因で不買運動を起こしたり、任天堂に要望を送りつけたりすることはありません。Switchの後継機も買うでしょうし、ファイアーエムブレムの新作が予告されたらすぐに予約すると思います。
ただ自分の抱いていた任天堂のイメージと少し異なっただけです。
来年のスーパーマリオ40周年の際に、FOMOを煽るような販売方法は取って欲しくないという、独り善がりな願望を持っているに過ぎません。