見出し画像

Lies of Pをプレイ: 「映える」ソウルライク

Lies of Pをプレイしました。クリアまでの時間は18時間ほど。Xbox Game Passの利用期間中にSeries Xでプレイしました。


概要

舞台は19世紀、機械人形が生活に溶け込んだ架空の都市クラットで、主人公が青い蝶の導きによって目を覚ます場面から始まります。

ジャンルとしてはアクションRPG、所謂ソウルライクに該当しますが、ストーリーと世界観は童話ピノキオを基に組み立てられています。ソウルライクの例に漏れず高難易度ですが、投げ出したくなるほど難しい場面は終盤まであまり登場しません。

良かった点

舞台設計が個人的にハマりました。人形の暴走と秩序が失われた風景、探索中に伺えるかつての繫栄と、現在の惨状の対比が印象的です。画面の色合いは暗く統一されてあまり変わりませんが、ロケーションも多彩でした。

物語全体のテーマも非常に良かったです。倫理観と価値観を問われる選択が嘘と真実という主題に絡めて展開されます。主人公である自分自身に選択が委ねられるのも嬉しい部分です。どちらが正解という明確な答えがある問いは殆ど無いため、自分の考える正しい選択を行うことが出来ます。

グラフィックと操作感にも満足です。現世代機でも60FPSで難なくプレイできましたし、人物や街並みも細部までこだわって描かれています。錆の入った機械や無人と化した通り等、見所は満載です。特に中盤訪れる万博会場は人々の科学技術への期待と熱狂が無情にも裏切られた様が廃墟として物悲しく反映されています。

戦闘はフロムソフトウェアの傑作たちを独自でリミックスしたようなつくりになっています。義手や武器による特殊攻撃等目立つアクションが多く用意されているのもポイントです。他のソウルライクと比べて挙動の一つ一つが派手だと思いました。主人公のビジュアルも相まって動かしていて自然とカッコよくなります。

自分のキャラクターに合った装備や技を選んで遊べるので、周回プレイの際にも新鮮な気持ちで遊ぶことが出来そうです。ステータスの振り直しも途中で可能なため、行き詰った際には装いを新たに再挑戦することも可能です。

気になった点

先の展開が読めてしまう場面が何点かありました。探索中の罠には種類があまり多くなく、驚く部分も冒険を進めるとともに減ってきます。

これはストーリーにも共通して同じことが言えます。メインのストーリーは矛盾も無く要所要所に盛り上がりが用意されているのですが、各NPCとの会話イベントは少し単調で、結果が予測出来てしまう部分もあります。ただ謎かけの王の一連のイベントはとても良い内容でしたので見逃さないようオススメします。

戦闘に関しては、敵の攻撃を防ぐ術が回避とガードの2つ用意されているのですが、終盤は明らかにどちらかを優先させて使わせてくる敵が出てきます。途中までは回避に専念したりガードのみで凌いだりすることも可能ですが、終盤では急にジャストガードの多用を求められる戦闘が出てくるため、早い段階で慣れておかないと後半に苦労しました。

日本語訳も全体の雰囲気を上手く落とし込めているのですが、一部誤字脱字や仮名遣いのミスが見られたため、惜しいと感じました。吹替はありませんが英語音声は舞台に上手くフィットしています。ジミニーの演技は少し過剰に感じましたが。

最後に

非常に完成度が高くまとまったソウルライクゲームでありながら、独自の舞台と演出が作品にオリジナリティを付与しています。挙動の派手さや全体の雰囲気はスクリーンショットよりも動画の方が伝わりやすいため、配信との相性も良いと思います。

スタイリッシュなアクションゲームに飢えている方や、高難易度ゲームのストックが尽きてきた方にお勧めです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?