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ウイイレとFIFAは名を変えたが、オンライン主導の方針は大きく変わらない


最初に

2023年9月29、Electric ArtsはEA Sports FC 24を発売し、今まで発売してきたFIFAのタイトルを廃止しました。権利関係の見直しから今回のタイトル変更に至ったようですが、クラブや選手の実名での実装には変更がありません。むしろEAはスペインのラ・リーガとスポンサー契約を結んだりと、資金の使い道を変更したのみのように見えます。
今回の変更によって、かつてサッカーゲームの二大巨頭であったウイニングイレブン(海外ではPro Evolution Soccer)とFIFAの両方が名前を失ったことになります。今のサッカー少年達に聞いても「ウイイレって何?」「FIFAってゲームの名前だったの?」という状態になりかねません。

ウイイレ→eFootball

ウイニングイレブンは2021年にeFootballへと生まれ変わり、今までのコンソール限定、買い切り型の販売方法からスマートフォン対応、基本プレイ無料、課金制に移行しました。それに伴いウイイレで実装されていた一部モードは削除、オンラインプレイを中心としたゲームとなっています。
この変更は個人的には避けられない判断だと感じられます。世界、特に欧州ではFIFAの知名度の方が上ですし、FIFAを買う人はウイイレまでは買わないと考えられますから、基本無料とスマートフォン対応でプレイ人口を増やすよう考えたのは自然な流れのように見えます。
ゲームシステムも変わりましたが、ウイイレの時代から少しずつオンライン主導へと変わっていくのは見て取れました。特にマスターリーグオンラインがmyClubと名前を変え、ガチャと課金システムを導入してから、ゲームを起動すると課金を促されることが多くなりました。オフラインモードであるマスターリーグやビカムアレジェンド等も年毎に追加、変更される要素が薄くなり、移籍市場での選手の更新が主な変化のように感じていました。
リリース直後はグラフィックや操作性が不評でレビューも散々でしたが、3年目の今年は評判を持ち直しているようです。試合をプレイするだけなら無料ですし、2023年内にはマスターリーグの実装も予定されているため、オフライン派の方々も期待できるかもしれません。
(追記: 2024年1月現在マスターリーグに関する続報はありません。約束通り出来ないなら告知しなきゃいいのに)

FIFA→EA FC

FIFAからEA FCへの変更は殆ど名前のみであり、各モードもFIFAの頃と遜色ありません。更新要素も例年と大きく変わる部分はありません。女性選手の扱いが男性選手と同じになった部分が今年の一番の特徴のように思えます。
FIFAのUltimate Teamは10年以上前から存在しており、ガチャや課金要素もその頃から変わりありません。EA FCになっても変わらず、多くのプレイヤーは選手パックを買う事でしょう。
FIFAが基本無料にならないのは、単純に買い切り型のままでも売れるからでしょう。欧州では各プラットフォームで年間通して最も売れるゲームの一つですし、選手の更新以外全く新要素の無いSwitch版ですら毎年売れ続けています。欧州ではサッカーが生活の一部のように浸透していますから、名称変更も売上低下には繋がらないでしょう。
ただ毎年では変化を感じにくくても、1作飛ばすと進化を如実に感じられます。グラフィック面や操作性は年々向上しており、2年前の作品をプレイしなおすと粗さが感じられます。

最後に

サッカーゲームは10年前から定期的にプレイしていますが、今回の名称変更で自分のプレイしていたタイトルが無くなることには少し寂しさを覚えます。ただし両作品とも名前を変えて存続しているため、感覚的な問題でしかありませんが。
実際にそれよりも悲しいのは、両者ともガチャや課金要素が前面に押し出される作りになってしまっている事です。一つの部屋に集まって友達とプレイしたり、オフラインで腰を据えてチームを運営するよりも、期間限定のパックを買ったりオンラインリーグを勝ち抜いたりするプレイヤーの方が多くなったのでしょう。
時代の移り変わりなので仕方がありませんが、画面の中のサッカー選手を買うのに現実世界の金を使う踏ん切りがつくまでは、自分にはまだ時間が必要なようです。

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