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【リニューアル記念】リニューアル前の学食「リコルド」店長さんに取材!【唐揚げ丼誕生秘話も】

2023年10月、千葉商科大学でも秋学期が始まりました。

この新学期、千葉商科で大きく変わった事と言えば、体育館に入っている学生食堂「リコルド」がリニューアルした事です。運営会社が変わって、内装やメニューも大きく変わりました。皆さん、もう行きましたか?

そんな「リコルド」ですが、実は、リニューアル前の7月26日、翌日に閉店を控えていた中、私は取材に行っておりました。

この取材では、今迄リコルドであった事件や、あの人気メニュー「唐揚げ丼」の誕生経緯等、色々面白い御話が聞けました!

という事で、この記事では、その取材の内容をお届けしたいと思います。


2023年7月26日。15時を過ぎ、その日の営業を終えて、御客さんが全く居ない食堂に私はやって来ました。

この取材の為にわざわざ時間を作って下さったのが、株式会社ミツウロコプロビジョンズ ショップ&レストラン事業部 リコルド千葉商科大学店 店長の一色誠さんです。

一色店長が店長になったのが、2002年8月。

体育館の学生食堂自体は以前から存在した様ですが、一色店長の所属するミツウロコプロビジョンズが入る前は、利根キャティーンズ株式会社という会社(かつて存在した利根コカ・コーラボトリングの子会社?)で、更にその前は大学に依る経営だったそうです。

そう考えると、今迄何回も運営体制を変えて来たというのが分かります。

気になる閉店の理由

皆さんも気になるであろう閉店(正確にはリニューアル)の理由について。

一色店長に依ると、大学側から、運営会社のミツウロコプロビジョンズに対して、リコルドの運営から手を引いて欲しい、撤収して欲しいと言われたとの事です。

閉店後のリコルドについては詳しく知らないと仰っていましたが、別の学生食堂「The University DINNING」を手掛けている株式会社トランジットジェネラルオフィスが関わり、雰囲気ががわりと変わると聞いているそうです。

実際、リニューアルオープンしたリコルドはその通りになりましたね。

店長のおしごと!

店長の仕事は、朝に店を開ける事から始まります。

店を開けたら、その時々にもよるとの事ですが、温泉卵を作ったり、ゼリーを作ったり、唐揚げの仕込みをしたりするそうです。

後は、券売機の準備をしたり、皿を出したりと開店の準備をしていきます。

お昼時になって開店したら、他の店員さんと一緒に、一色店長も厨房に立ちます。厨房では、唐揚げをずっと揚げたりしているとの事で、暑い日には大変そうです…。

お昼時が終わり、その日の営業を終了すると、厨房の隣りにある事務室(入口目の前の壁の向こう側)で、PCを使って売上の集計したり、入金をしたり、また唐揚げの仕込みをやったりするそうです。

唐揚げの仕込みを凄いやっていますが、これは仕込みに3時間もかかる為。次の日に使う為の大量の鶏肉を解凍したりと、やる事がいっぱいあるとか。

他の食堂に含めて、こうやって私達学生の為に、毎日準備してごはんを提供してくれる方々には頭が上がりませんね…。

人気メニュー「唐揚げ丼」誕生秘話

一色店長にリコルドでの人気メニューを聞いて帰って来たのが、やっぱり看板メニューの「唐揚げ丼」でした。その唐揚げ丼が如何にして生まれたかを聞く事が出来ました。

一色店長に依ると、元々リコルドには「唐揚げ」単品と「ライス」が別々のメニューで存在していたとの事。この唐揚げは、カレーライスのトッピングみたいな感じを想定していた様です。

ところが、唐揚げ単品をライスと一緒に注文する人が現れた。一色店長談に依ると「夏休みにバスケットボール部員が」やって、これがどんどん広まり、御客さんがこればかり注文するレベルになったそうです。

そこで、これをもう1つのメニューにしてしまおうと、「唐揚げライス」の食券が登場。このメニューは、唐揚げとライスだけで、それに調味料をかけるというスタイルでしたが、これが爆発的に売れた。

なんでも、大学内に当時在った生協の食堂(現・The University HUB)やマクドナルド(現・学生ベンチャー食堂)の御客さんまでもリコルドにやって来てくれる様になったそうです。

この様な経緯で、看板メニュー「唐揚げ丼」が誕生したのでした。

リニューアル前のリコルドには、唐揚げ丼を頼むとソースを沢山の種類から選べましたが、それが好き好きに調味料をかけるというところから来ているのかなと考えると、驚きです。

店内は手作り感満載!あれは店長作

リコルドの店内は手作り感が満載です。その店内について、豆知識を一色店長から頂きました。

先ずは、券売機の隣に設置されていた、メニューの掲示。これは、一色店長が写真を撮って、作った物だそうです。

そして、意外なのが壁の装飾。リコルドの壁一面には特徴的な装飾がされていますが、実はこれは水道管だという事です。これは、リニューアル後のリコルドにも残っています。

リコルド事件簿

20年以上営業していたリコルド。店長さんに印象に残った出来事を聞いてみると、「事件」が起こっていたと言います…。

1つがスプーン盗難事件!これで、スプーンが殆ど全部無くなってしまったというのです。しかも、一気に無くなったのではなく、少しずつ 少しずつ減っていったという巧妙な犯行。この犯人は捕まえられなかったといいます。

もう1つ、スプーン以外にも盗まれた事のある物があり……それがなんと椅子!椅子という大きな物を、大学という人通りの多い場所から盗むというのはとても大胆というか…。

実は、カウンター席は席によって椅子が違っていたのですが、これはこの椅子盗難事件のせいだとのことです。

店長からのメッセージ

取材の最後には、在学生や卒業生、教職員といった今迄リコルドを利用して来た方に対するメッセージを聞きました。

「ご利用して下さり、ありがとうございます」と、感謝の言葉から始めた一色店長。リコルドでの経験は人生での糧になったと続けます。

学生の事を考えて、「洒落っ気」とかよりも「安くて美味しいのを早く出す」という考えのもと経営していたと言います。本当はメニューをもっと増やせたらしいですが、早く出す為に敢えてメニューを絞っていた様です。

愛されていたなら店長を続けたいけれど、それはもう難しく、会社も変わってやり方も変わってしまうと、正直な気持ちも口にされました。

こうして、旧リコルドの取材は、幕を閉じました。

取材を振り返って

今回の取材を振り返って、先ず、身近な所にもこんなにも歴史があるのだなというのを実感しました。カウンター席の椅子というだけでも、席によって種類が違うのは盗難事件があったからだとか、そういう事を知ると感慨深くなります。

そして、なりより、一色店長の学生を思う気持ちが、凄く素晴らしかったです。メニューの写真を自作したりと出来る範囲で色々工夫し、少しでも御客さんに喜んで貰おうという姿勢…。そして、旧リコルドの他の学生食堂にはない、安さといった部分は、多くの学生の助けになったと思います。

私は、2年生なので、1年半と僅かな時間しか利用する事が出来ませんでしたが、私の学生生活を支えてくれたこの食堂に感謝の気持ちで一杯になった取材でした。

最後に、記事本文で使えなかった物も有るので、すっかり変わってしまったリコルドのリニューアル直前の貴重な写真を、ここに掲載させて頂きます。

うどんとそばは在庫が切れてしまい、既に販売を終了してしまっていた。
閉店直前時点での券売機のメニュー。
プリンといったデザート類やサラダ、カツサンド等が低価格で販売されていたケース。

(担当者:トポス)

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