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0歳1日目からのスキンケア

 リアル待合室にきてくれる赤ちゃんがうけてきたスキンケアは、あまりにも刺激が強く、肌や身体本来の機能を奪うものがほとんどです。
乳幼児期から誤ったスキンケアの繰り返しにより、乳児湿疹やアトピー性皮膚炎を難治化させ、感染症の合併やアレルギーの誘発、ステロイド依存や保湿剤依存によって肌のバリア機能だけでなく、多臓器にわたり副作用の出現や、内分泌機能に異常を起こす事もあります。
そして塗布してきた物を断薬すると起こるリバウンド症状によって、辛い状態にある患者さんの来院が止みません。
 今回は0歳1日目のスキンケアと題しましたが、赤ちゃんからお年寄りさんまで皆さんに矢印を向けて、スキンケアの問題についてお伝えしたいと思います。

赤ちゃんの皮膚の状態は

 早い赤ちゃんだと生後1週間から始まる乳児湿疹。ぷつぷつができたり、お母さんの黄体ホルモンの影響で皮脂が多く分泌されじくじくとべとついたり、やがて皮脂量は成人女性の約1/3程度に急に少なくなりカサカサ時期になったりと個人差はありますが肌に変化が起こります。
赤ちゃんの皮膚は約1mmと非常にうすく大人の1/2ほど。表皮の厚さは0.1mmしかありません。皮脂も少なく、バリア機能は未熟でホコリ、乾燥、紫外線、化学物質などいろいろな外からの刺激などを受けやすくなります。

赤ちゃんの忙しい1日…

お誕生から毎日の授乳回数は6回~8回、赤ちゃんは一所懸命に飲んでくれます。そして生後1か月位までは、おしっこの回数は15~20回、ゆるゆるウンチを1日に15回位する赤ちゃんも珍しくありません。
先にも述べた様に赤ちゃんの皮膚はうすくてデリケート。
毎日のおしりふきや手口まわり用などのウェットティッシュには有害な化学物質が含まれていることも多く、度重なる皮膚への刺激が、かぶれやかゆみなど皮膚炎の原因になります。

こんなケアしていませんか?
(刺激が強く、肌や身体本来の機能を奪うものが多く販売されています)

・界面活性剤たっぷりの "あわあわボディーソープ"で洗っていませんか?
・毎日毎日全身しっかり洗うことで常在菌まで洗い流してしまっている事になっていませんか?
・湯船に長時間いれていませんか?
・乾燥時期を迎えたら界面活性剤、化学薬品たっぷりのクリームやローション等の保湿剤をすぐに塗ってしまい、習慣化していませんか?
・赤く炎症が強くかゆくなったらステロイドやプロトピック等(※免疫抑制剤)を塗っていませんか?※様々な副作用の報告があります

これらは肌本来持つ機能低下、バリア機能の破壊、化学物質やアレルゲンからの曝露につながります。

皮膚は最大の臓器。大切なバリア機能を守って

【バリア機能】
皮膚は外界と身体の境界にあり、水分の喪失や透過を防ぎ、皮膚の水分含量を適度に保持し、紫外線・微生物(細菌やウィルス)・化学物質・異物(アレルゲン)の侵入や物理的衝撃などから身体を守るというバリア機能(保護)の働きがあります。

こちらはヘパリン類似物質を主成分とした保湿剤のラインナップ。処方薬だけではなく市販の商品もたくさん出ています。
ガイドラインには保湿剤を塗ることによりアトピー性皮膚炎の予防や乾燥肌の治療効果をうたっていますが、私達はそれを疑問視しています。

新生児からお年寄りまで広く処方されていますが・・・

 こちらの記事は創傷治療に関する著書を多く出されている、夏井睦氏のもの。
ヘパリン類似物質を主成分とした塗薬・保湿剤は、非常に多くの医療機関や薬局で処方・販売されていますが、この実験で、ヒルロイドがワセリンや油性マジックをきれいに落としていることがよくわかります。
つまり大切なバリア、皮脂も溶かしてしまうことに疑いの余地はないでしょう。
(金沢大学が以前ヘパリン類似物質についてまとめられた文書は、残念ながら消えてしまっています。)

そして以下の記事より
医療費がヒルドイドの処方と共に、急増していることがわかります。
データは古いですが、これが減少していることは考えにくいでしょう。
市販品も販売されています。


木俣肇クリニックからのアドバイス

クリニックでは、アトピーの症状のある方に、ボディソープや保湿剤の使用を禁止しています。もちろんステロイドやプロトピック等の免疫抑制剤も使用を禁止し、洗いすぎ、入浴のリスクもお伝えしています。
リバウンド症状は、ステロイドだけではなく保湿剤の影響も非常に大きくあると臨床からわかっています。

治療中の大半の患者さんへの入浴時のアドバイスとしては、身体を洗うのは石鹸も含めて洗浄剤は使わず2、3分のシャワーや掛け湯のみを3日に一回。
びらんが広範囲にわたっている方には週一回の掛け湯程度にとお伝えすることもあります。
つまり治療は、傷や乾燥には濡らさず被覆保護中心の治療となります。

被覆には、竹セルロース100%からできた医療用不織布ガーゼ バンブスでカバーすることにより、傷や炎症の場の最適化し、快復を目指して頂きます。
バンブスの特長は吸水性、保水性、低摩擦性、制電性、消臭性、静菌性があり、大量のマイナスイオン発生も確認されました。


使用頻度の高い、ベビーやママの毎日のケアに 「竹のソフトクロス」

こちらは、医療用不織布ガーゼ バンブスと同じく原料に竹セルロース繊維100%使用した薄手の不織布シートです。
この原料はエコテックス®スタンダード100認証クラス1の非常に安全な繊維を用いています。(※商品自体にはエコテックス認定は受けていません)

【ご使用法】
ソフトクロスを乾いたまま、又は水で絞ってよだれ拭き、汗拭きに、お尻拭きに。とても柔らかく薄いのに丈夫な不織布です。
授乳パッドや、オムツや生理用品のインナーシートとしてもおすすめしています。

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お誕生1日目からのケアを、お誕生前からパパやママたちに知って頂けたら、助産師さんや産婦人科の先生方が知ってくださっていたら、こんなにも多くの赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になったり、保湿剤やステロイドなどに依存を起こし、薬害に苦しまなくて済むのにと思います。

最後に素晴らしい論文をご紹介します。
清潔志向が強く、毎日のお風呂習慣のある日本人にはなかなか受け入れずらいところがありますが、お母さんから生まれて来たばかりの赤ちゃんをすぐに沐浴させるのではなく、ドライテクニック(文中)によって「拭う」という方法が2000年以降、増えてきているということです。
特に新生児の頃は、ボディーソープなどで皮膚常在菌を洗い流さず、肌に優しいソフトクロスでケアして頂きたいです。

National Library of Medicine より、要約↓
新生児期初期の皮膚の健康を維持するのに、入浴と乾式洗浄技術のどちらが優れているかを判断するために、皮膚バリア機能の指標と考えられる「経表皮水分損失(TEWL)」と皮膚pHを測定した結果、
新生児期の初期においては、乾式法が入浴よりも皮膚の健康をより良く維持できることが示唆された。