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キャリアの8割は偶然がつくる!?偶然を計画的に起こす5つの考え方

こんにちは。
産業カウンセラーの若林ひろこです。

転職や働くことについてご相談を受ける中で、よく聞くお悩みがあります。

職場の上司との面談であなたの目標は何ですが?
そう聞かれても夢目標が出てこない。
そもそも目標をもたないといけないのか?

目標がある事が良い事で
目標がない事が悪のように感じてしまう…

そんな悩みをお持ちの方にこそ知っていて欲しい
キャリア理論について紹介します。

■プランドハップンスタンス理論

プランドハップンスタンス理論とは
プランド=計画された
ハップンスタンス=偶然
この2つの意味を持つ理論で
キャリア支援者たちの中でもとても人気の高い理論です。

簡単にまとめると
「キャリアというものは8割は偶然の要素によって左右されるので、偶然を計画的に味方につけよう」という考え方です。

“偶然”おこる事を“計画”するの?
言葉だけ見ると意味がわからないかもしれませんが
よく考えてみてください。

・今あなたが就いている職業は、子供のころから計画的に考えてきた職業でしたか?
・あなたの生まれた場所や環境は、自分で選んだものですか?
・あなたが親友と出会ったのは、学校であったり職場や趣味の集まりであったり、偶然集まった集団の中で出会ったのではないですか?

いかがでしょうか?

おそらく全てを計画的にやってきた方とはいないのではないでしょうか。

そして、成功者の多くはご自身の成功の秘訣について
「運がよかった」「ラッキーが続いただけ」と語ります。

ご自身に今実感できる幸福があるとしたら
それを手に入れた方法を思い出してみてください。

「キャリアというものは8割は偶然の要素によって左右される」というのが実感できたかと思います。

そしてこの理論には偶然を計画的に味方につけるための、続きがあります。

「だからこそ、偶然を計画的にチャンスに変えるような心構えでいる事が好ましい結果に繋がる可能性が高くなる」

■今この理論が注目される訳

プランドハップンスタンス理論は1999年にスタンフォード大学で教育学と心理学の教授を勤めていた、クランボルツ教授によって提唱されました。

現代はVUCA(ブーカ)の時代と呼ばれ、変化が早く未来が予測困難で不確実な時代といわれています。

私達の住む日本でも
以前は一つの会社につとめ、キャリアは会社で形成していくものという考えが多く一般的でした。
ところが近年では転職も珍しい事ではなくなり、キャリアは自分で積み重ねていくものという考えが主流になりつつあります。

その背景には
会社の平均寿命が20年~30年(データにより諸説あり)といわれる中
反対に一人一人が働く年数は長くなっているという実態があります。
これでは、あなたが働いている途中で今の会社がなくなってしまう可能性があるのです。
更に言うと、あなたが今働いている会社もそうですし
今あなたが就いている職業そのものも
将来的に残っているかは誰もわからない時代です。

ですが反対に、ご自身が子供の時にYOUTUBERになりたいと将来の夢を描いた方は、今の現役働き世代にはほぼいないと思います。
このように、今はまだ世の中にはない職業がどんどんと将来的に生まれてくる可能性も秘めている時代なのです。

こういった背景から見ても、1つの会社に自分のキャリア形成を委ねずに
自発的また積極的にキャリアを発展させるために、プランドハップンスタンス理論が注目を集めています。

■どのように偶然を計画するのか?

では、今の時代に合ったこの理論をどうやったら使いこなせるのか?

クランボルツ教授は次の5つの心構えが大切だと教えてくれています。

1 好奇心
2 持続性
3 柔軟性
4 楽観性
5 冒険心

1 好奇心:
関心のあることや目標だけではなく、たえず新しい分野にもかかわる機会を模索し続けること

ちょっと気になる、何か面白そう。
そういった直感や好奇心で行動する事は、後にすごい結果を連れてくる事があります。

2 持続性:
失敗しても諦めずに続けること。

どんなことにも失敗はつきものです。
けれど失敗を怖がってそこでやめてしまったら、成功も手に入りません。
これは、困難な環境や苦しい事を無理に続けろという意味ではなく
自分にとっての成功に繋がりそうな事だと思えるのならもう少し続けてみる、という意味だと私は思っています。

3 柔軟性:
こだわりを捨て環境の変化へ対応すること

自分の信念は大切ですが、こだわり過ぎて新しいチャンスを逃してしまうのはもったいないです。
持続性と少し関係しますが、どう考えても自分にとっての成功とつながらないのであれば
手放す柔軟性も大事だと考えます。

4 楽観性:
物事を前向きにポジティブに考えること

失敗をなげくよりも成功のもとと捉えるなど、物の見方や考え方はとても重要です。
物の見方や考え方次第で、驚くほどその人にとっての現実は変わってきます。

5 冒険心:
結果が不透明で不確実でも、ときにリスクを取って行動を起こすこと

石橋を叩いて渡るという事も大切ですが
石橋を叩きすぎていると、その間に橋の向こう側はどんどん変化しています。
世の中リスクがゼロな事の方が少ないのです。
であれば、やらない後悔よりやった後悔をしていった方が可能性はどんどん広がっていきます。

この5つの心構えでいる事で
あなたにとって好ましい偶然を計画的に手に入れる事ができるのです。

■点と点が線になる瞬間がくる

わたし自身、長年キャリア迷子をしていた経験がありますが
今振り返ると、その時の経験や出会った人が、今の産業カウンセラーの仕事に活かされていると感じます。
また、迷っていた中でも好奇心や行動は止めずに楽しんでやっていたと思っています。

有名な話でいくと“コネクティング・ザ・ドッツ”という
スティーブ・ジョブスのスピーチがまさにプランドハップンスタンス理論を指しています。
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将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。
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今あなたが経験している点は
決して無駄ではなく、将来線を結ぶための通過点なのです。

■今の悩みも通過点

夢や目標が出てこない。
そもそも目標をもたないといけないのか?とお悩みの中へ

私の一個人の考えですが
夢や目標は、ないよりはあった方が良いと思っています。
ただし、夢や目標がない事を「悪い」とは考えていません。

今はあなただけの夢や目標を探している途中、通過点と考えてみませんか?

でも今が苦しい、どうにかしたいと思うなら
今できる事として

こんな事楽しそうだな、と好奇心を持ってみる。
もしかすると、最初はうまくいかないかもしれないけれども持続的に続けてみる。
その中で新しい考えや、驚くような事があるかもしれないけれど柔軟に受け入れてみる。
物事を一方からではなく多面的捉えて、自分にとって前向きになる考えを取り入れてみる。
そして、何かためらう事があって、冒険するのに躊躇したら
産業カウンセラーなどキャリア支援職に相談してみる。

冒険が一人では恐かったら、そっと背中を押してもらったり伴走してくれる人を探すのがオススメです。

プランドハップンスタンス理論を使って
どんどんキャリアが好転した方々の話は
『その幸運は偶然ではないんです!』という本にまとまっています。

もし、あなたにとって今目標を見つける事が苦しいのであれば
今という点を大切にする、この考えを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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