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『上田合戦仁義-三河雑兵心得⑨』(井原忠政著)|第三章「上田合戦前哨戦」を読み終える。

井原忠政(著)『上田合戦仁義-三河雑兵心得⑨』を読み進めています。
現在、第三章「上田合戦前哨戦」を読み終えたところです。

1582年3月に「天目山の戦い」で武田勝頼が自刃し、武田家が事実上滅亡しました。
そのわずか3ヶ月後、「本能寺の変」によって織田信長が討たれます。
そのため、徳川、北条、上杉に囲まれた旧武田領は一時的に混乱しますが、アドバンテージを握っていたのは、織田信長と同盟関係にあった徳川家康でした。

真田昌幸は、沼田城を巡って徳川家康と巧みな交渉を行います。
「巧み」といえば聞こえはいいのですが「騙す」ことに近い交渉です。
真田家が生き残っていくには、正統な姿勢では徳川家に太刀打ちできません。

真田家と徳川家の軍事力の差は歴然としています。
戦国時代の物語において、真田昌幸、幸村親子の活躍が人気なのは、「アンダードッグ効果」というものが働いているからです。
「アンダードッグ効果」とは、競争や対立の場面で、勝利の見込みが少ないとされる者やチームなどに同情してしまう心理現象です。

低迷しているプロ野球チームやサッカーチームを応援し続けたり、地下アイドルを応援し続けるのも「アンダードッグ効果」です。
小説というのは、この「アンダードッグ効果」を利用した作品が多いのです。

「第一次上田合戦」では、軍事力で圧倒的に優勢な徳川家に対して真田家が勝利します。
まさに、アンダードッグ効果の醍醐味を味わうことができる場面です。

『三河雑兵心得シリーズ』は、徳川家から見た「上田合戦」ということで、著者の井原忠政さんがどのように描かれていくのか、最終章である第四章を読み進めていくのを楽しみにしています。


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