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【読書】高野秀行(著)『謎の独立国家ソマリランド』を読んで、ソマリランドを含むソマリア連邦共和国の歴史を学ぶ。

『謎の独立国家ソマリランド』の中で、著者の高野秀行さんが、ソマリランドを含むソマリア連邦共和国の歴史について考察されています。

ソマリランドを含むソマリア連邦共和国には、もともとからソマリ人という民族が住んでいました。
19世紀になって、そこにイギリス人やイタリア人がやってきてから、ややこしくなっていきます。

当時のソマリ人は、遊牧民だったので、国家という概念はありませんでした。国家という概念が強いのは、土地の広さが重要である農耕民です。遊牧民であるソマリ人にとって大事なのは国家ではなく、氏族という概念です。

その辺りの専門的なこととなると、とても難しい話になってしまいます。
著者の高野秀行さんは、ソマリ人の氏族を、日本の平安時代末期か鎌倉時代初期までの氏族に例えて、とてもわかりやすく解説をしてくれています。

日本の氏族とは、平氏や源氏、それから藤原氏や北条氏といった武士の氏族です。もちろん、日本の歴史を少しは知っている必要はありますが、基本的に義務教育で習うレベルの知識があれば十分です。

ソマリランドを含むソマリア連邦共和国は、第一次世界対戦、第二次世界大戦、そして冷戦時代にも欧米各国の影響を受けます。そして氏族同士の争いは、今も続いています。まるで日本の平安時代末期から鎌倉時代初期のままなのです。

そんな状況のなかで現在、ソマリランドは独立国家を宣言し、平和を維持しています。


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