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【読書】馳星周(著)『少年と犬』 「娼婦と犬」を読み終える。

馳星周(著)『少年と犬』の「娼婦と犬」という章を、読み終えました。
主人公の犬は、とうとう滋賀県にまで到達しました。
読む前から、「娼婦と犬」という章のタイトルを見ただけで、悲しい物語だろうなと、予想はできていました。
読んでみると、やはり切ない物語りでした。

私の今住んでいるところは、一軒家が立ち並ぶ住宅街なので、犬を飼っている家がたくさんあります。
近くの公園に行くと、犬を連れたおじさんやおばさんが散歩をしています。中には2匹とか3匹とか、複数の犬を連れて歩いている方もいます。
小さな犬を連れている人もいれば、そこそこ大きな犬を連れている人もいます。犬の種類については詳しくないのですが、俗にいう雑種という犬を連れている方は、先ずいません。

犬を飼っている人にとっては、ペットという感覚ではなく、家族という感覚になっているようです。実際に、犬に話しかけている人も、珍しくありません。連れられた犬同士も、会話をしているように見えることもあります。本当に、会話のようなものを交わしているのかもしれません。
そういった風景を見ていると、以前読んだ、若林正恭(著)『表参道のセレブ犬とカバーナ要塞の野良犬』を思い出します。



私の実家でも昔、犬を飼っていました。もちろん、雑種です。あの犬は、幸せだったのだろうかと、思い出します。そして、そもそも犬にとって幸せの概念ってどいうものなのかとも考えるのです。
人間も地球上に住む動物の一種だと考えると、他の動物を飼育する動物は、人間だけです。やはり、人間は特殊な動物です。

そんなことを考えながらも、犬と暮らしている人たちを見ると、やはりいいなと思います。
そして飼われている犬の方も、本当に人間の気持ちが分かっていれば、幸せだろうなと思うのです。

『少年と犬』に登場する主人公の犬は、更にに西へと向かいます。何処に行こうとしているのか、そこには誰がいるのか。物語りは終盤にさしかかっていきます。
小説を読んでいて、残りのページ数が減ってきた頃が、一番の快楽のときです。週末は、じっくりと読書の楽しみを味わいたいと思っています。


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