【読書】『思いがけず利他』を読んで考えたこと。
『思いがけず利他』という本を読み終えて、考えたことを文字にします。
書籍の要約でもなければ読書感想文でもありません。
読んだ後に、あくまで個人的に考えたことです。
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著者の中島岳志(なかじまたけし)さんは、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の教授です。
肩書きを聞いただけでも頭の良さそうな人です。
本のタイトルの「利他」という言葉も少し難しそうではありますが、「思いがけず」という言葉がタイトルを柔らかくしています。
書籍のタイトルは重要です。
タイトルに「お思いがけず」という言葉がなければ読もうという気にならなかったと思います。
例えば「利他とは何か」というようなタイトルなら、読まなかった筈です。
最近、利他主義という言葉がよく使われています。
私はこの利他主義という言葉について、ずっと悩んでいました。
他人のためにやっていることでも、結局は自分の為になるのでは?と。
「情けは他人のためならず」という言葉があります。
この考えは利他主義でしょうか?
人に情けをかけておけば、いずれ自分に返ってくるということ意味ですが、これを意識するということは、それは利己主義ということになります。
社会貢献だとかSDGsだとかいう言葉を、企業が広告に使うのもちょっと違うんじゃない?と感じていました。
我が社はこのような社会貢献をしているのだから、商品も品質の良いものを作ってますよ・・・的な広告はおかしいですよね。
社会貢献をしたければ、黙ってすべきです。
この本を読むと、残念ながら企業は簡単に利他主義って言えなくなります。
利他主義の精神って、そんな簡単にできるものではないのです。
いや、簡単にできるのですが、利他主義と意識をした時点で利他主義ではないのです。
奥深い話しになってきます。
利他主義のつもりでやったことが、受け取る方にとっては迷惑なこともあるのです。
個人レベルでは、利他主義を実行するのはまだ簡単です。
しかし、何か利他主義的なことをやったからと言って、それは利他主義でもなんでもないかもしれないのです。
利他主義なんていうことを、全く意識しないでやったことが、何年か経った後に、あれは利他主義だったんだということはあります。
というか、それが本当の利他主義です。
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私のこの文章を読んでも、何を言いたいのかさっぱりわからないと思います。
気になる方は、是非この『思いがけず利他』を読んで下さい。
本当の利他というのは、思いがけず行っているものです。
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