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これまで11回にわたり、治験文書を英訳する際に必要となる基本的な考え方を学びました。医薬翻訳をするには、翻訳の基本的な考え方を学ぶ一方、大量の原文とターゲット言語での文書を読んで文体を勉強する必要があります。
今回は、症例報告や同意書での主語の選択を見ていきます。この2つの文書の共通点は、「患者を主語の中心とする」ことにより訳文を作成していくことです。早速症例報告の場合から見ていきます。
英語の論文やメディカルライティングでは、一般的に避けた方がよいと言われる表現があります。今回は、It is ・・・ that~構文、there is ~構文についてご説明します。これらの表現は、通常できるだけ避けるべきとされている一方、日本人が日本語の感覚で英訳をするととてもよく出てくるので注意が必要です。
今回は、治験文書の種類ごとに、基本的な時制について確認をしたいと思います。治験文書は1. 治験実施計画書、2. 治験総括報告書、3. CTDと治験薬概要書、4. 同意書の4種類に分けて考えたいと思います。
今回は、英語の訳文を読みやすくするために必要な技術である、Parallel Construction(並列構造)についてご説明します。
短い訳文の重要性 今回は経験を積んだ英訳翻訳者による訳文の特徴である、短い訳文を作るためのポイントを説明します。 熟練した翻訳者の訳文の特徴は、同じ原文でも短い訳文を情報の漏れがなく作成できることです。この、短い1文と言うのは、英語ネイティブのメディカルライターの間でも重要視されています。1文を短くすることで、clear、conciseな訳文ができると言われています。
旧情報→新情報今回は、英訳時の主語を決める際の判断基準のひとつである、旧情報→新情報の流れについてご説明いたします。わかりやすい英文を書くには、文の概要から詳細へ、旧情報(Given information)から新情報(New information)の流れになるように訳出します。
これまで、3回にわたり英文作成時に一番重要な主語の選択について説明しました。今回のテーマは、SVのV(verb)、動詞です。主語と動詞を決めることができれば、英文の骨格ができ、英訳の8割が完了です。あとは、修飾語として、副詞や前置詞句、従属節などをつなげば英文が完成します。
前回は主語選択の重要テクニックである、無生物主語構文を学びました。今回は原文に表記されていない主語についてです。 その前に、日本語と英語の違いについて、少し考えてみたいと思います。 John Hindsは、日本語と英語の違いについて、以下のように説明しています。
無生物主語構文の使用方法 今回の主語の選択方法は無生物主語です。 無生物主語とは人や生物でない主語のことです。無生物主語については、高校文法でも扱われており、以下のように定義されています。
前回は「治験薬を投与した」という文を、主語を変えて翻訳をする練習をしました。今回は治験文書を英訳時によく出てくる文から主語を選ぶ練習をしたいと思います。
この治験文書英訳講座の最初のトピックは「主語を選ぶ」です。最初の項目ですが、この講座で一番重要な項目であると思っています。日本語の文書を英訳する場合、通常以下のプロセスをたどります。私が思うそれぞれのプロセスの重要度の比率も記載します。 英訳のステップ(重要度) 1. 原文を読み、意味を理解する(40%) 2. 文意を理解した上で、主語と主語に合う動詞を決める(40%) 3. その他の述語、修飾語を決める(20%)
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