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【合格者向け】医学部学士編入試験に合格したら:お金の話

今回は、医学部学士編入試験や医学部再受験の合格が決まった方向けの記事になっています。

※2020年11月時点の情報に基づいた記事です。


はじめに

厳しい医学部学士編入試験、または医学部再受験を突破し、両親や家族にも一通り報告も終え、幸せな一時を送っていたのも束の間・・・・

襲い来るのは「入学後にかかってくる税金ってどうなるの?」「社会保険料は?」年金は学生の特権みたいなのがあったような・・・?」「どんな手続きがいるの?」という漠然としたお金の不安ではないでしょうか?

(「そんなの全部把握してるぜ!」という方は、そっと「戻る」ボタンを押してください。)

一度大学生をした時は、親が代わりに色々手続きをしてくれていたり、アルバイトはしていたけど正規の仕事をしたことがないため、税金や社会保険制度の仕組みに無頓着でも生きてこれたケースが多いのではないかと思います。

しかし、学士編入や再受験をされた方は働きながらの受験を強いられるケースが多いのではないでしょうか?そして働いている方が試験に合格した場合は、正規の仕事を年度内に退職する方が大方と思います。

私もその一人で、入学年の3月までは勤め人の立場です。3月までは自分の収入があるのですが、4月からは正規労働者にはなれない学生に戻ります。

今までは、給料明細を貰っても手取り額だけ確認してポイっとしていたのですが、改めて税金や社会保険料を勉強し直し、再び学生に戻った際に困ることがないようにしておこうと考え、顧問のFP(ファイナンシャルプランナー)の方に突撃訪問して参りました!

その中で教えていただいたことを大まかに書いていきます。

今回の設定としては、主に個人事業主ではなく「サラリーマン(会社勤め)から大学生になる方」を対象とした記事になっております。その点をどうぞ念頭に読み進めてください。

また、もし間違えがあった場合はぜひコメントなどいただけたらと思います。お金関係はズブの素人ですので。よろしくお願い致します。

失業給付は使えないのか?

あんなに一生懸命納めてきた雇用保険・・・仕事も辞めるし、しばらく使えないかな?とうっすら思った私。

FPさんに聞きましたら「基本、使えません」でした・・・。

はい、世の中は甘くないですね。

「学生を昼間に雇用保険法の適用がある労働者として取り扱わないこと」と行政通達されているため、「労働の能力がある」という失業給付の要件を満たせなくなるため、失業給付は基本的に使えないとことでした。

所得税はどうなるの?

所得税は所得にかけられる国税です。図に示すように、毎年1月1日~12月31日までの1年間として、サラリーマンの場合は、「前払い」として毎月の給与から大まかに徴収されます。

大まかに徴収されるため、年末調整(11月あたりに書類を書かされるやつです)によって多く徴収された分は返金されます。

この所得税は当然ながら、所得がないと発生しません。そのため、基本的に学生に戻った場合は、所得税は支払わなくて良いということになります。

アルバイトをする方に関しても、年収が103万円以下の場合は所得控除と基礎控除が差し引かれるため、実質、所得税は発生しません。

勉強量の多い医学部生がアルバイトで年収を103万円以上稼ぐというのは、比較的難しい話とFPさんも計算してくださいました(自分で事業をするなどの強者でない限り)。

そのため、学生になってからの所得税はあまり心配しなくても大丈夫ではないかと回答をいただきました。

学生に戻る場合、入学年の1月〜3月まで働かれていた方(例えば入学年が2021年の場合は、2021年1月〜3月まで働いていた方)は、翌年の1~2月に確定申告をすると、1〜3月分の多めに徴収された分の所得税が返ってきます。

わずかな額かもしれませんが、今は確定申告も国税庁のHPから比較的簡単にできるようになっているので、手間を惜しまず申告しましょうとFPの方から助言頂きました。

住民税はどうなるの?


住民税に関しては、「後払い」形式です。ここが住民税の複雑かつ恐ろしい所です。

住民税は去年の所得で金額が決まった住民税を今年6月〜翌年5月の間に、基本的にサラリーマンは特別徴収として給与から毎月天引きされるようになっています。

まず、入学年の1月〜3月まで働かれていた方(例えば入学年が2021年の場合は、2021年1月〜3月まで働いていた方)は、辞める月に入学年の5月まで支払う予定だった住民税を一括で徴収される会社が多いようです。(気になる方は、会社の総務部に確認した方が良いそうです。また会社との相談次第では、普通徴収と言って自分で納付することも可能のようです。)

次に入学して4月以降の話。前年の所得額に応じて住民税がかかりますので、学生生活1年目は、サラリーマン時代の年収に応じたかなりの額の税金を納める必要があります。(この場合は自分で納める「普通徴収」になります。)

そのためあらかじめ、大体の住民税の額を把握し入学までに貯金しておくことを推奨します とFPさんから言われました。(冬のボーナスが出た場合は、全て貯金しておけということですね。)

また住民税の非課税の年収ラインは100万円です。これは所得税でも申し上げたように、医学部生が単純にアルバイトだけで年収100万円前後稼ぐのは、比較的難しいので、学生になってからの住民税に関しても、あまり気にしなくて良いのかと思います。

またFPさんから以下のアドバイスを頂きました。

社会人のうちに、ふるさと納税をしておくと、学生生活1年目が少し楽になる

住民税が、学生生活1年目に襲いかかってきます。

ですので、社会人で収入がある最後の年(例えば入学年が2021年なら2020年の12月まで)の年末まで「ふるさと納税」をしておくことをお勧めします。

これより、学生生活1年目の住民税が前年に納税した額は軽減されて少し楽になります。

あとは、美味しいものを食べたりもできるので、ぜひ検討してみてください。ふるさと納税の仕組みや方法については、こちらをご参照ください。ちなみに、私は楽天でふるさと納税しています。

年収が103万以上になってしまった場合

勉強量の多い医学部生でも、要領が良い人は年収が100万円を超える場合があるかもしれません。

しかし、年収130万以下なら、勤労学生控除を年末調整で受ければ、所得税や住民税をほとんど支払わなくて良くなる制度もあるそうです。多分、使う方はなかなかいないと思いますが・・・・詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

できるだけ扶養に入ろう、そして扶養の壁を確認しておこう

「扶養に入る」とよく言いますが、私は働き始めて一度も扶養に入ったことがなかったので、扶養の利点というものをきちんと把握していませんでした。

扶養というのは、正式には「扶養控除」を意味します。

扶養控除には2種類あり、1つ目は税金上の扶養2つ目は社会保険上の扶養となります。

今から、扶養に入る条件と上にあげた2つについて簡単に説明していきます。

扶養に入る条件

扶養に入るとなると「配偶者」のイメージが強いですが、配偶者がいない場合でも、働いている両親や兄弟姉妹、さらには働いているならば祖父母の扶養に入ることもできます。

これらの場合は同居でなくてもOKであるため、数年間だけ扶養に入れていただけるようにお願いすると良いかと思います。

扶養に入る条件は、それぞれの家庭で異なるため、必ず細かい条件を一度確認しておきましょう。

税金上の扶養

税金上の扶養についてですが、こちらは学生というよりは、扶養してくれる人(家族や配偶者、兄弟姉妹)にメリットがあります。

扶養されている人(被扶養者)の年収が所定額以下であれば、扶養している人の税金が軽減されるという仕組みです。

例えば配偶者がいる場合、年収が103万円以下なら「配偶者控除」、103万円〜201.6万円未満であれば、「配偶者特別控除」の対象となります。兄弟姉妹や親でも、被扶養者の年収が103万円以下なら控除が受けられます。

これらは社会保険の扶養とは異なり、扶養する人が会社員や公務員でなくても使えます。

社会保険上の扶養

まず、社会保険上の扶養を年収基準は130万円が上限です。

この基準を超えると社会保険料の負担がズシンとくるので、医学部生にとってアルバイト収入は、ここのラインは超えない方がベターであると思います。

ちなみにこの年収基準というのは扶養に入ってからを起算日として予測される年収のため、入学年の1月〜3月に稼いだ年収は計上されません。

①年金について

「配偶者」という形で扶養に入る場合は国民年金の支払いは払わずにすみます。また扶養する側(働き手)の旦那様・奥様に対して金銭上の負担は発生しません。

一方、「両親」や「兄弟姉妹」として扶養に入る場合は、国民年金の支払いは免除されませんので、学生生活の年金が負担と感じる場合(年間20万円ほどの負担)は、年金の猶予申請を市役所などに行う必要があります。

②健康保険について

この場合は、配偶者、親、兄弟姉妹は関係なく加入できます。

そのため、病院に行ったら3割で治療が受けられるということになります。また働き手(被保険者)の方に対して金銭上の負担は発生しません。

奨学金について

過去に借りていた奨学金(日本育英会による奨学金)

1回目の大学に行かれた際の日本育英会奨学金を完済されていない方は、「在学猶予願」を出すと在学期間中は、返済を猶予してもらえます。なおかつ、在学期間中には利子が発生しません。

在学証明が必要になるため、入学した大学の奨学金担当者の方に「在学猶予願」を申請したい旨を伝えると手続きできるそうです。

今から借りる予定の奨学金

奨学金に関しては、各大学独自の奨学金制度を持っていたりするため、色々と調べておくのが良いと思います。

一般的に多くの学生が利用する日本育英会奨学金に関しては、社会人から大学生になる場合は、一度入学して「在学採用」の申込を入学した大学の奨学金担当者に手続きしてもらう必要があります。


以上が、私がFPさんから教えていただいたことのまとめです。どこか参考になった所があれば幸いです!

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