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インシデントレポートの影響度レベルの設定に個人差がある・・・

インシデントレポートの影響レベルとは

医療機関で働いている人であれば、一度は書いたことがあるであろうインシデントレポート。インシデントレポートで事例内容のレベルを決めると思うのですが、そのレベル付に個人差があるよなって以前から思っています。

インシデントレポートのレベルは国立大学病院医療安全管理協議会が定めた「患者影響度分類」を基準にしている施設が多いと思います。(http://www.univ-hosp.net/guide_cat_04_15.pdf)

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レベル0は、エラーはあったが患者には実施されなかったとあります。

例えば「薬剤師が薬剤Aと薬剤Bを間違って払出をしたが看護師が気付き、薬剤を変更した。」この事例の影響レベルは??この内容がレベル0かレベル1か意見が分かれるんですよ。僕は患者さんに実施してないのでレベル0だと考えています。しかしこれをレベル1とおっしゃる方もいます。


末梢留置針と中心静脈カテーテルに違いはあるのか?

次はどうででしょう。

点滴ルート確保のために抹消静脈に針を留置していました。患者の自己抜去により針が抜けました。状態は落ち着いていたので再留置はせず止血した。インシデントのレベルはいくつでしょうか?レベル1かレベル2で迷うところでしょうか?

では、これはどうでしょう?点滴ルート確保のために中心静脈にカテーテルを留置していました。患者の自己抜去により中心静脈カテーテルが抜けました。状態は落ち着いていたので再留置はせず止血した。インシデントのレベルはいくつでしょうか?レベル1でしょうか?レベル2、レベル3aでしょうか?

この2つの事例はルートが静脈留置針か中心静脈カテーテルかの違いだけです(異論はあるかと思いますが)。ルートは抜けてしまいましたが、患者には特に影響はなかったとします。

2つの事例の影響レベルは同じでしょうか?中心静脈カテーテルの方が影響レベルを高く設定するでしょうか??

患者影響レベルといった点で見ると僕自身は影響度は同じだと考えています。もちろん場合によりますし100%正しいとも思いません。

しかし、この分類は患者影響レベルであって、医療者影響レベルではないのと「中心静脈カテーテルが抜けたからなんでもレベル3a以上!!」と決めるものでもないよなって思っています。

挿管チューブの自己(事故)抜去では??

人工呼吸器装着中で気管チューブを挿管している患者が自己(事故)抜去を起こした場合はどうでしょう?その後の処置が再挿管、NPPV開始、酸素投与、経過観察によって患者影響レベルはどう設定しますか??

おわり

医療安全に関わる人間が集まったときにこのレベル設定でかなり議論になりました。データ分析という点では患者影響レベルの設定は非常に大事だとは思いますが肝心なのは再発防止だと思います。

極論、再発防止ができればレベルはなんでもいいかな、、とも思いつつ。やっぱり人によって判断が変わるのは減らしたいなと考えながら、ぼちぼち仕事をしています。

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