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'23 Q3相場 アウトパフォームを狙う 攻め枠ETFのご紹介

 前回は現在の相場環境と、その中で妙味のあるシクリカルなETFを紹介しました。
今回はさらに踏み込んで、ピンポイントで伸びているグループに投資できるETFをご紹介していきます。
 タイムラインは中期投資で、現在~8月末・9月初旬のレイバーデー明けまでの期間を対象としています。


IYT(iShares U.S. Transportation ETF)

 運輸ETFです。
資本財(工業)セクターの中でも、とりわけ強い動きを示しているグループになります。
構成上位5銘柄を以下に示しますが、UNP、UPS、FDXなどの代表的な運送会社が並んでいますね。

IYT上位構成5銘柄

 それでは、どれだけ強い動きなのか、資本財セクター全体のETF(XLI)と比較してみましょう

IYTとXLIのチャート比較(上:日足 下:週足)

どちらも6月から上昇を開始しています。同時点からの上昇率はXLI12.5%に対し、IYT17%。現在は、XLIは過去最高値を更新しスローダウンする一方、IYTは最高値に向けて上昇が加速しています。

XOP(SPDR S&P Oil & Gas Exploration & Production ETF)

 石油・ガス探鉱生産ETFです。
ここのところは、エネルギー価格も再び上昇に転じてきています。昨年、一旦のピークをつけた後に下落を開始しましたが、一時反発が起こっているのだと思います。
以下に構成銘柄を示しますが、XOPはエネルギーの中でも、探鉱・採掘・精製の企業が多く、XOM、CVXなどのオイルメジャーが含まれていません。
直近のパフォーマンスでも、エネルギー系ではこのグループがとりわけ強い値動きを示しています。
オイルメジャーは昨年ずいぶんと相場になりましたので、エネルギーセクターでも手垢があまりついていない他のグループに資金が流れているのかもしれません。

XOP上位構成5銘柄

 それでは、エネルギーセクター全体のETF(XLE)とXOPのチャートを比較してみます。

XOPとXLEのチャート比較(上:日足 下:週足)

どちらも6月下旬から上昇を開始しています。同時点からの上昇率はXLE12%に対し、XOP15%。XOPは早々に下値レンジを上抜けていますが、XLEは現在レンジ上限に到達したところです。

IWM(The iShares Russell 2000 ETF)

 中小型株指数、ラッセル2000のETFです。
以下にナスダック100とS&P500、ラッセル2000のADLineを掲載します。
(ADLineは前日に比べて上昇する銘柄が多ければ上昇する指標です。)
 ナスダック100のADLineはは3月下旬から、S&P500は6月から上昇していますが、少し出遅れてラッセル2000のADLineも7月以降継続して上昇してきています。
この状況を俯瞰的に眺めてみると、ナスダック100の大型ハイテクからその他の大型銘柄へ、そして最終的に中小型株に少しずつ物色の矛先が広がってきている傾向が見て取れます。

ナスダック1000、S&P500、ラッセル2000のADLine比較

 中小型株は値動きが軽いです。そして、相場の終盤戦で強く上昇する傾向があります。そのため今後の局面でリスクを取ってリターンを得るには良い投資先だと考えています。
また、セクター別構成比ですが、下図の通り資本財+金融で32%とシクリカル分が強めとなっています。この点でも現在の相場環境にマッチしていますね。

ラッセル2000のセクター別構成比率

 それでは、チャートを見ていきましょう。
6月初旬より上昇を開始し、7月に押し目をつけて上昇を継続しています。
現在は昨年6月以降続いた下値レンジの上限に差し掛かっています。
この水準を勢い良く上抜けてくるなら、この先有望だと言えそうです。

IWMのチャート(上:日足 下:週足)

 直近の値動きを見ていますと、以下2点には注意が必要です。
 ・金利が上昇すると弱含む
 ・経済指標で景気が弱い結果が出ると弱含む
ボラティリティが高い上に、金利敏感かつシクリカルなグループですので、難易度は高めで、エントリータイミングには注意が必要です。

紹介ETF:

IYT(運輸ETF)
https://bit.ly/3qbF8Mo

XOP(石油・ガス探鉱生産ETF)
https://bit.ly/3Dz40kr

IWM(ラッセル2000ETF)
https://bit.ly/3DyZMZW


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