マガジンのカバー画像

セラムン世代の消費行動

18
セラムン世代を語っています。 実はセラムン世代の本が出る前から書いてたのでクッソっと思いながら書いた卒業論文が元です。 ちゃんと優秀論文賞いただきました。 貴方の💛が書く原動力…
運営しているクリエイター

2019年9月の記事一覧

改訂前

改訂前

第4章 社会への影響(まとめ)
社会的に個人化が進んではいるが、趣味嗜好によって以前とは異なる間接的な集団が形成されてきている。今回取り上げたセラムン世代はシリーズものであるがゆえに相対的に当てはまる人数が多く、似たような感性を持っている集団(ホモフィリー)を創出した。そのため彼女たちが動くと流行が起こり(ソーシャルプルーフが)経済を動かしやすいのである。彼女たちは要望を実現してもらうほどアグレッ

もっとみる
改訂前 3章ー3

改訂前 3章ー3

3.将来の負担を減らす教育への投資
日本はバブル崩壊から非正規が増加し、就職氷河期に陥った。その影響もあり、高校生の求人が減少し、「大学に進学しなければ、まともな職を得にくい」[31]状況が生まれた。
そんな時期にセラムン世代も生まれてきている。近年は高校の職業科であっても求人が激減している。
日本国憲法26条(教育を受ける権利および義務教育について)では、「1.すべて国民は、法律の定めるところに

もっとみる
3章ー2

3章ー2

2.個人化がもたらした功罪
おひとりさまビジネスは孤立・個別化している人たちが苦しさやわずらわしさを考えずに生活できるようにしてくれている。それに伴いサービスも細々としており、日本のビジネスのクオリティを底上げしているとも言える。かつては集団であった家族も消費が多種多様になり、家族の形態も増えたことにより消費においては個食に代表されるように個人化が進み集合になりつつある。つまり、モノやことを消費す

もっとみる
改訂前 3章ー1

改訂前 3章ー1

第3章 将来の予測
1.セラムン世代に限らず、女性が無頼化しているとの報告
2章を踏まえると女性たちが無頼化していることが推測できる。「無頼化とは読んで字のごとく、『他に頼むものがなく一人で生きていくことを前提に、あらゆる価値基準を決定するようになること』と定義[27]できる。」セラムン世代は、セーラームーンのように男性に守られるか弱い乙女ではない。
女性たちが無頼化する背景には貧困(低所得)があ

もっとみる
改訂前 2章ー3

改訂前 2章ー3

3.自分一人で精一杯な労働者
今までは日本型雇用が私費教育やライフステージに沿った生活を支えていた。かつては高卒の求人があり、大卒は一部のエリートが行って得るもので国公立であれば学費はアルバイト代で払える金額であった。低所得の一部を担っている奨学金は海外では学生ローンと呼ばれる借金である。第一種奨学金を借りている人よりも第二種奨学金を借りている人が多いので、『日本の奨学金はこれでいいのか!』という

もっとみる
改訂前 2章ー2

改訂前 2章ー2

2.母世代と異なりセラムン世代以降は華やかに見えても貧困という影
美少女戦士セーラームーンでは二作目(R)から母娘の物語にシフトしていく。ここにセラムン世代のジレンマが隠されている。あらすじは以下の通り。
未来の地球の女王セーラームーンと王であるタキシード仮面の娘、ちびうさはある日成長が止まり、戦士の力も目覚めない。落ちこぼれと言われる中、敵の襲撃で自分以外が倒れてしまい過去のセーラームーンに助

もっとみる
改訂前

改訂前

第2章 現状と問題点
1. おひとりさま[8](個人化)
核家族化が進み、少子高齢化も進む昨今、おひとりさまビジネスは拡大している。厚生労働省の「国民生活基礎調査」から七割を超える世帯で児童がいなくなっており、4分の1がおひとりさまであることが分かる。また生涯未婚率という別の側面でも男性2割、女性1割が、生涯おひとりさまであることが分かる。そして「80歳以上になると、女性の83%に配偶者がいない」

もっとみる