好きな短歌|塔2024年7月号
塔2024年7月号より好きな短歌です。いつもありがとうございます。
日本人の起床時刻の平均(平日)は6時38分らしい。8時は早起きとは言いがたく、人によっては寝坊だ。でもこの8時起床は、俗説に抗うという矜持なのかもしれない。
上の歌のような俗説は若者にもある。こちらの説は、ラーメンをすするのが恥ずかしくなってしまう気がする。
聖五月はカトリックの祝日。争いや虐殺が絶えない今、嫌いなまま攻撃しないことは尊いことだと気付かされる。
「大鉈をふるう」は慣用句。大幅な人員削減などがあったのだろう。それに踏み切ったひとは評価をされるかもしれないが、主体の視線は冷ややか。現場の静かな怒りが伝わってくる。
年度末に繰り越せなかった有給休暇は消えてしまう。取得は怠けでも嘘でもないが、父の教えが取得を躊躇わせているのかもしれない。下の句が10音、8音になっていて、結構余っていそうだなと思う。
ハードディスクなどのデータを消去するには物理的に破壊するという方法がある。必要な措置とはいえ、確かに加害のようだと思う。磔にされたキリストには釘の跡があったとされる。
舞浜の夢の国。「習性」という言葉選びが絶妙だ。そういえばあのキャラクターたちは動物だったということを思い出す。
ガストの配膳ロボットは喋るし表情もあるので愛嬌のあるロボットだと思っていた。それがにぎやかな子どもたちの前では「粛粛と」して見えるという。
一度も運転せずに迎える免許更新はどこか他人事のよう。聞き役に徹する場面もそれに似た第三者感がある。「重ねる」とあるのでかなり長い時間聞き役になっていたのかもしれない。
他の人は紙エプロンを勧められて、自分は勧められない。少しさみしいけれど紙エプロンがほしいわけではないので抗議のしようがないのだろう。ささやかな行き場のなさが可笑しい。
出典:「令和3年社会生活基本調査」(総務省統計局)(2024年8月5日に利用)
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