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2級機械設計技術者の講評について

皆様おはこんばんちは。

 今年の2級機械設計技術者に合格できた筆者です。今回はやっと年末年始に入れたので、試験の講評を軽くしていきたいと思います。普段はPCで記事を書いていますが、今回は端末で書いています。フォーマットがいつもと異なるかもしれませんが、予めご了承下さい。

1.試験の動向について


 機械工学専攻にもかかわらず、それを生かした仕事をしていない筆者でございますが、試験を受けるきっかけは、以前の記事で紹介してます。数年前の記事ですが、良かったらご覧ください。

 さて、最近の機械設計技術者の動向ですが、令和3年度から2級の試験がかなり変わったように感じます。具体的に変わった内容は、以下に示します。

【令和2年度まで】
・各科目(4力学、制御工学、機械設計工学やその他機械設計に必要な全9科目)からの出題があった。
・各科目の出題の難易度が上がっている傾向があった(特に4力学と機構学)。
・各科目で楽なものと骨の折れるようなものがあり、科目によって勉強する比重に偏りがあった。
・機械設計技術者ならではの例年通りの問題があった。

【令和3年度から】
・各科目から各分野に出題が変わった。
・科目によって勉強する比重に偏りがあることは変わらないが、機械設計工学とメカトロニクスの2分野は、機械設計の考え方をより使うようになった。
・調べれば済むような機械設計製図の勉強の比重がほぼなくなった。

 結論として、各科目の幅広い勉強をしなくてよくなったことや設計に使う考え方を入れたことで深堀りする傾向に変わったように考えます。よって、以前よりも勉強量が少なくて済むようになり、合格率が上がっているのではないかと筆者は考えます。

2.今後の受験生に向けて


 今後、2級機械設計技術者の試験勉強をしたい方は、筆者の経験則から以下のことに気を付けてみてはいいのではないでしょうか。もちろん、過去問演習や基礎問題演習は当たり前の前提です。あくまでも試験に合格するための戦術の話です。

2-1.戦術


・機械設計分野
~機械設計製図便覧からの出題が増加傾向です。大学、高専等で使用した機械設計よりも便覧を手に入れるところからはじめて見ましょう。機構学は、計算ができるに越したことはありませんが、各機構の特徴を掴む方が優先です。勉強の比重は、かなり高めに設定しましょう。

・熱・流体分野
~熱工学(熱力学、伝熱工学)が圧倒的に楽になりました。つまり、勉強量は流体工学(水力学、流体力学、流体機械)にほぼ全振りで良いと思います。しかし、熱工学と流体工学は問題の誘導があるとはいえ、舐めてかかると痛い目にあいそうです。勉強の比重は低いです。特にこの分野の研究や実務に関わっている方は、思い出す程度でも良いのでは。

・メカトロニクス分野
~以前は制御工学だけができていれば、問題ありませんでした。しかし、今は力学との組み合わせ問題や電気電子工学に関わる問題も出題されています。今後は電気電子工学やメカトロニクスの勉強が必須になるかもしれません(大学、高専等で使った教科書が役立つかも)。今後の試験問題でも、最も影響を受けそうな分野なので、勉強の比重は高くなりそうです。

・力学分野
~初見の問題を解けることが必須です。そのためにも材料力学と機械力学(どちらかと言えば、工業力学)の問題演習はもちろん、解答の方針が説明できると良いでしょう。問題の誘導があるとはいえ、途中で間違えると連鎖的にその後の問題解答に直結します(大学入試の共通テスト、センター試験と同様)。
ここで点数を稼ぎたいので、勉強の比重はかなり高めに設定しましょう。

・材料・加工分野
~実務経験者でも、かなり広く浅くの内容を問う試験なので、対応が難しいように感じます。ここは、過去問演習や大学、高専等の教科書の読み直す程度でいいでしょう。自分に関わる分野が出題されたら、「ラッキー」と思いましょう。結論、暗記でしかないので勉強の比重は低いです。

・環境・安全分野
~この分野こそ、機械設計技術者試験のオリジナルかつ例年同じ問題です。過去問演習をして、丸暗記で挑みましょう。勉強の比重は、低いです。

・応用・総合
~この分野も、機械設計技術者試験のオリジナルかつ数年間でループしている問題です。但し、協会で出している過去問には解答がありませんので、解答が載っている年度別の過去問問題集を購入しましょう。自信のある方は大丈夫だと思いますが、筆者のように機械設計を仕事にしていない人はかなり辛いはずです。但し、過去問問題集を発行していた出版社が倒産したので、過去問問題集の値段が中古でも、当時の定価より高いという意味不明な状況です。全てではありませんが、協会から電子書籍(pdf)を出しているので、それを購入しましょう。勉強の比重は、かなり高めに設定しましょう。

 ここまで見ていただいた方は、長々とお付き合いいただきありがとうございます。しかし、多くの方は「結論だけ言え」と申すと思いますので、以下に勉強の優先順位を示します。但し、あくまでも筆者の主観に基づきますので、クレーム等は受け付けません。予めご了承下さい。

2-2.勉強の優先順位


1.機械設計分野
2.応用・総合
3.力学分野
4.メカトロニクス分野
5.熱・流体分野
6.材料・加工分野
7.環境・安全分野

 ここで話が変わって、試験勉強用の教材についてです。今年、有志で集まって作成した「機械工学の要点」という書籍を購入しましたが、個人的にはあまりおすすめしません。筆者が購入した正直な感想は、以下の4点です。

【筆者の感想】
・解説に使っている過去問が古すぎる。
・令和2年まで難化していた問題の傾向に対応していない。
・令和3年度からの出題形式変更に沿っていない。
・暗記の対応が必要な材料・加工分野には、系統的にまとまっている。

 気を付けて欲しいのは、購入することを止めた方がいいということを主張したものではありません。あくまでも使ってみた感想なので、購入についてはご自身で検討してください。購入を検討している方は、以下の記事をご参照下さい。

3.令和5年度の試験の講評について


 最後に、令和5年度の2級機械設計技術者試験の講評という名の感想です。厳密に何割取れたかまでの解き直しはしていませんので、あくまでも筆者の推測です。また、試験当日に問題用紙はいただきましたが、手元にない状態で書いています。つまり、完全には覚えていないで、この記事を書いています。

【機械設計分野】
・カム(機構学)の特徴と機械要素の特徴(機械設計)を答える問題でした。ゴリゴリの計算問題は出ていないような記憶です。大きく間違えた記憶もないので、得点率は8割?

【熱・流体分野】
・ここで筆者は、満点を目指していましたが、熱工学に足元を掬われました。しかし、流体力学は試験時間間際で間違えに気づいて修正できました。得点率は7~8割?

【メカトロニクス分野】
・ここは完全に捨て問でした。過去に出題のない電気電子工学から、スイッチ類や回路に関するものでした。筆者は、当日鉛筆転がしで決めました(笑)。しかし、合格なのだから多少は取れたのかも。得点率は0~2割?

【力学分野】
・機械力学はシャルピー衝撃試験機、材料力学は衝撃エネルギーによる変位の問題が出題されました。自信のないものもありましたが、全て解答はできました。誘導に上手くのれずに解答を間違えた可能性はありそうなので、得点率は8割?

【材料・加工分野】
・過去問からの傾向と変わらないイメージでした。工作法は、昨今話題のDXに沿ってかわかりませんが、自動化に関する用語を問う問題だったように記憶しています。得点率は7~8割?

【環境・安全分野】
・機械設計技術者試験ならではのオリジナル問題です。この分野だけは、過去問通りの問題が出題されるので、如何に過去問の文章を覚えるかでしょう。得点率は8~9割?

【応用・総合】
・これも機械設計技術者試験ならではのオリジナル問題です。この分野は市販の過去問を購入しないと解答が手に入らないという不思議なことになっておりますが、数年間で特定の問題をループしている様子です。今年もその例に倣って、「巻き上げ機」、「タンクの蓋」、「ジブクレーン」の3問でした。
2問は完全解答したと思ってましたが、試験のラスト1分で「タンクの蓋」の計算間違えに気付き万事休す。解答自体はしたので、数点は見てくれているかと思いますが、しばらく試験後はうなだれていました。得点率は、4~5割?

 以上です。最終得点率は、約6割というところでしょうか。協会本部からの点数開示ができないので、あくまでも自己採点です。今振り返ると、かなりギリギリでの合格でしたね。汗

 今年の振り返りもしたいところですが、正直なところ振り返えるような記事は1つもありません。なぜなら、年間で3本しか投稿していないという‥。
 よって、今年の投稿はこれが最後です。最後までご覧いただきありがとうございました。

4.おまけという名の個人的なお知らせ


 来年に向けて、自分が思っていたよりはやくチャンスがきたこと、準備に思ったより手間取ったことが6月から投稿していない理由です。詳細は、来年の4/1に明らかにします。こんな未来は聞いてない!!(いい意味で)

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