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「私メリーさん」

こんにちは目箒です。

これの続きを頑張って考えよう、という記事になります。過去記事は「#都伝」で読めます。

そもそも何話構成にするのか?

最終的に桜木アサはヤモリ様と対面させたいんですが、それは先で良いっていうかそこを目指さなくても良いかなっていうか。

とにかくもう「きちんと終わらせる」ことにしないと私は途中で投げ出すということがわかっているので、終わらせることを重点にして第一部に当たる連作は六話構成にしようと思います。六話構成って言うか、三部作が二つで第一部って感じ。前編三話、後編三話。

という事で第二話もほぼ導入

前回の第一話はこちら。

第一話で異動した久遠ルイと読み手に対して「都伝」がどう言う部署(話)か、ということを説明した、いわば導入回です。

怪異に詳しい桜木アサ、怪異を攻撃できる佐崎ナツ、怪異の判別ができる五条メグというメンバーの能力と話の進行について説明した、つもりです。

という事で、ルイがなんとなく理解したところで、次はルイに実際に室長として動いてもらう、というのが第二話です。第三話で室長として板につき始め、「これからもよろしくね」とやり、前編が終了。後編三話で実務を描き、「これからも頑張るぞ」とやる。

その第二話で扱う都市伝説ですが、タイトルにあるように「メリーさんの電話」にしようと思っています。

というのも、以前pixivで連載していたときは第二話が「メリーさんVS花子さん」だったんですよね。なんかめちゃくちゃな話だったけど。

とりあえずスタンダードな怪異が半導入回の第二話として相応しいかな~と思うのでメリーさんでやろうと思います。

メリーさんとは?

では、メリーさんをどのような怪異として扱うか?

皆さんご存知だとは思いますが、念のため手元の参考文献(現代日本怪異事典・朝里樹・笠間書院)に書いてあることをざっくり要約すると、捨てられた人形が電話掛けてきて自分の現在位置を伝えてくるがどんどん近づいてくるってやつですよね。最後「今あなたの後ろにいるの」で終わるという。

pixiv百科事典によると、最後のパターンは色々あって、壁を背にしていたら壁に入り込んで出られなくなったとかあるんですけど。大喜利かよ。

ちなみに以前公開していた話では、

 だが、アサによれば、都市伝説とは「あったら良いな」の様な漠然としたいわば「信仰」とも言える迷信がカタチになったものだと言う。
「そんなこと言ったら、恨み辛みも全部カタチになっちゃうじゃない」
「そうですよ」
 アサは肩を竦める。「聞いたことありませんか?メリーさん。人形を捨てたら電話が掛かってくるって言う話」
「知ってるよ」
 引っ越しのためにメリーという人形を捨てると、電話が掛かって来る。「私メリーさん。今どこどこにいるの」と言うような電話で、どこどこ、と言うのがどんどん自分の近くの場所になっていく、と言うものだ。最終的には「あなたの後ろにいる」と言うことになり、多くの話はそこで終わる。その先のバリエーションはそれこそ大喜利のごとく生み出されている。
「あれはどちらかと言うと罪悪感だと俺は思いますね」
「捨てた自分を罰してほしいってこと?」
「ええ。恨み辛みとしたら、捨てざるを得なくした家族かな。人間が作る話ですから。恨んでいるのは人形ではなくて人間ですよ」

あくまで今作……というか桜木アサの見解です。

余談ですが「どこどこ」と聞くと「┗(^o^ )┓」を思い出します。

ちょっと垣間見える登場人物たちの過去とか

「最近の家は人形供養に持っていかないのかねぇ」
 あくびをしながら言ったのはナツだ。「あたしなんか、怖くて捨てられないよ人形なんて。絶対供養してもらわなきゃ」
「そもそも人形をあんまり捨てたくない」
 と、パソコンから顔を上げるのは五条メグ。コンサルタントと言うが、実際には十七歳の現役高校生で、通信制高校に通っているため普段は割と時間の自由が利くのだそうだ。
「俺は人形は持たねぇな」
 アサが言った。「お前たち、案外可愛い趣味してるな」
「女の子は買い与えられるの。あたしだって女児の頃があったんだから」

女児の佐崎ナツとか想像できる? 五条メグはまだ女児っぽさあるけど。

「アサの男児時代ってあんま想像できないけど」
「草履の似合う美男子だったよ」
 と言って微笑むアサは今でも美青年と言って差し支えない。ルイも、自分の容姿は平均以上だと思っているクチだが、アサは造型だけではない物憂げな魅力がある。
「草履って、随分とレトロなご家庭だね?」
 アサは二十代後半だと言うから、平成生まれだとは思うが。家が伝統芸能や武道でもやっていったんだろうか。

戦国時代から生きてるんだからそりゃ美男子時代は靴じゃねぇよな。実際戦国時代の村人って何履いてたのか知らないんでこの辺調べ直すかぼかします。

「練馬区の小学校で、教員がメリーさんに追い掛けられて転倒した、らしい」
「メリーさん?」
 ルイとアサは顔を見合わせた。
「噂をすれば影ってやつ?」
 ナツが片目をつむって見せる。
「なんだなんだ?メリーさんの話でもしてたのか?」
「もののたとえでね。別に予知していたわけじゃありませんよ、レンさん。しかしメリーさんに追い掛けられたって言うのは……」
「どうだろうな。メリーさんは追い掛けてくるって言うか、安全だと思ってるところに来るって感じだからな」
 確かに、死に物狂いで追い掛けてくるイメージはない。引っ越して、メリーさんのことなんて忘れたというところに、ひょっこりと過去が姿を現すから怖いのだ。
「まあ、今あなたの後ろにいるのって言われて振り返ってほんとにいたら、逃げ出したとして追い掛けられてるような気にはなるかもしれねぇな」
「だって後ろにいるんだもん。意味深だよね」

これ、冒頭で残業してた小学校の先生がメリーさんからの電話を受けて坂道から転げ落ちる、という描写があるんです。

「それとだな、今回は関係ないかもしれないんだが、もう一つ妙な都市伝説事件が起きてる」
「メリーさんもいるのに?」
「むしろこっちがメインかもしれねぇなぁ」
 怪訝そうなルイに、蛇岩はにやにやして見せた。
「トイレの花子さんが出るって言うんだよ」

以前公開分はメリーVS花子だったのでこう言う導入でした。

メリーさんが呼びかける怪異、花子さんが呼びかけに答える怪異だったのでなんかこう上手く組み合わせてごにょごにょとか考えてたんですけど、私にはハードルが高かった……。

最後、ルイがメリーさんに目を付けられてトイレで花子さんと鉢合わせさせ、花子がメリーを倒し花子はナツが倒すと言う力業で終わらせました。

なんだこれ。

今回はどうするの?

今回はメリーさん単体なので、冒頭の小学校の先生の話はそのまま温存した上でもう少し事件を膨らませたい、と思います。

メリーさんが後ろに立った後の事は実ははっきりしておらず、引用したように大喜利のように生み出されています。

ですが、この「都伝」において都市伝説とは、「こうだったら怖くて良いな(面白いから)」という消極的な願いの形である、という設定ですので、冒頭で先生が怪我したところから生徒たちが「きっとメリーさんは坂道から突き落とすに違いない」という噂が流布し、そのようになってしまう、という感じで行こうかな、と。

前回の髪の伸びる人形は導入だったからそんな激しくなかったんですが、そもそもこの部署はルイが来る前もターボばあさんと首都高で激しいカーチェイス(?)を繰り広げたり、口裂け女の口に死ぬほどべっこう飴を詰め込んだりしているので、本来バトル寄りです。

ていうか口裂け女リターンズはやりたい。

とりあえず現行の起承転結としては、

1.教師がメリーさんからの電話を受けて負傷。その件での相談が都伝に回ってくる。

2.何かが起こる

3.何かが起こる

4.怪異化したメリーさんと対決する

という感じです。

「何かが起こる」って何よ。

それはまた次回の記事で考えます! ごきげんよう!

これはとても真面目な話ですが生活費と実績になります。