生首面、序章

こんにちは目箒です。

警察×都市伝説の伝奇物ホラー、「警視庁都市伝説対策室」略して「#都伝」について語る記事です。カクヨム版はこちら

前回までのあらすじ

都伝はこのままオリジナルポリスとして突き進むことにして、キーパーソンモブさん南雲氏のキャラクターを絡めた構成を作りました。

1.前室長のレンに南雲が連絡を入れる。「なあ、蛇岩。お前、なんか妖怪退治の仕事してるって言ってたよな?」「都市伝説対策室だ。なんかあったのか?」「風変わりな面を買ったんだが、興味ないか? 泊まってもらうことになるけど」
レンが南雲の家を訪ねると、風変わりな面を見せられる。「夜中が本番なんだ」そう言われて深夜、南雲に起こされるレン。すると、壁に掛かった面から大量の血が流れ出している。
「お前、これやべぇもんだぞ。室長に連絡する。良いな?」
2.レンに連れられて南雲の家を訪れる現都伝メンバー。メグが顔を強ばらせ、「これ、生首だ……」と呟く。南雲は本物の怪異であることを霊能者からお墨付きを得たと感じて大喜び。今日の深夜に動画サイトで生配信するという。「生首面の生配信だよ。洒落が効いてるだろ」「悪いことは言わない。駆除させろ」アサが言うが、「今のところ実害は出ていない」「じゃあなんで俺たちを呼んだ」「本物かどうか見てもらうためだ。さあ、帰った帰った。これは私財だ」
3.本人が困っていないどころか都伝の介入を拒むため、一回は庁舎に戻る都伝。その晩、南雲は生首面から血が流れるところを動画サイトで配信してしまう。あっという間にネット上で噂になり、尾ひれが付いていく。すると、しばらくしたある日、レンに南雲から連絡が。「血が消えなくなった……」
4.「あいつはなぁ、昔っから、なんか自分にツキが回ってきたと思うと調子に乗るんだよなぁ」呆れながら改めてレンを通して都伝に解決を依頼。ナツが電動ガンで撃ちまくって駆除。
「お前、これに懲りたら、もう馬鹿みてぇなこと考えるんじゃねぇぞ」とレンに釘を刺される南雲。しかし、またある日骨董屋で妙なものを……。

ていうか、この人今までも怪異とニアミスしてそう

序盤を書き始めました

第2話、第3話と、モブさんが怪異に遭うところから始まっているので、南雲氏が骨董屋でお面買うところから始めようかと思ったんですが、骨董屋行ったことがないのでよくわからず、レンに連絡を入れるところから始めることにしました。

久しぶりに未公開テキストを貼るぜ。

 警視庁に勤務する蛇岩レン警視正は、自宅でくつろいでいるところだった。同居している高校2年生の姪は、自室に引っ込んでネットサーフィンだ。レンはお手伝いの女性が置いていってくれたお茶を飲んで読書中である。有名な翻訳ホラー小説を読んでいた。事態が徐々に不穏さを増していく、という辺りで、突然テーブルが唸りを上げる。思わず肩を震わせると、なんということはない。マナーモードにしたスマートフォンが着信を知らせているのである。
「びっくりした」
 本とカップを置いて、端末を取る。発信者は「南雲真一」。大学の時から付き合いの続いている、数少ない友人の一人だ。今は会社経営をしている。やや調子に乗りやすいきらいがあるが、それが商売の助けになるタイプだったらしい。経営は順調のようだ。

この「高校2年生の姪」っていうのがメグのことです。マナーモードのスマホを木のテーブルに置いとくと着信あったときにすごい音するよね。

「もしもし? 南雲か?」
『よう、蛇岩。元気か?』
「ああ。元気だよ。お前はどうだ?」
『おかげ様で、俺も元気だ。早速本題に入るが、お前、まだ妖怪退治の仕事してるのか?』
「妖怪退治?」
 聞き返してから、それが以前まで室長に就いていた警視庁都市伝説対策室のことだと気付く。苦笑しつつ、
「妖怪じゃねぇ。都市伝説だ。今はもう室長は後進に譲ってる」
 人の良いキャリアの警視を思い出しながら告げた。

いるよね、理解できないものをとりあえず自分の理解に当てはめる人。私も割とそうだけど(おい)。

『まあ、何でも良いんだよ。まだ妖怪に興味あるか? 面白い物見つけてさ。ちょっと見て欲しいんだけど』
「それは通報か?」
『通報? 何言ってんだよ! 別に襲われてるわけじゃないって。だったらこんな悠長に電話なんかしない。そうじゃなくてさ、お前に見せたいんだよ。お前絶対こう言うの好きだからさ……』
 今ひとつ要領を得ない話だが、どうやら核心部分を敢えて避けているらしいことはレンにもわかった。これは、レンが実際に彼の家に赴かないと教えてもらえないに違いない。正直、得体の知れない「妖怪」の様なものに対して丸腰で行くのも気が引けたが……本人が言うように、呑気に電話をしてくるくらいなので、襲いかかって来るような怪異ではないのだろう。
「良いよ。見てやるよ。いつ行けば良い?」
『お前が泊まりがけで来られる日!』
「は?」
 レンは目を瞬かせた。

病気と同じで、怪異も昨日大丈夫だったから今日大丈夫って保証ないけどね。

ここでレンが南雲氏の思惑を感じ取るのは、頭の良い人描写です。

脇役のユカさん

ちなみに、レンが南雲氏のおうちにお泊まりしちゃうとメグが一人になるのですが、だからと言って、怪異めっちゃ見えるけど戦う手段のないメグを連れて行くのもまずい気がしているので、この一泊にはお手伝いのユカさんに頼んで家に泊まってもらいます。

ちなみにユカさんは第3話にちらっと名前だけ登場しています。

「え~? 勤務中だからな」
「五条もそうですよ。お前、それどうしたんだ」
 ルイとメグの間にデスクを構えている桜木アサが眉間に皺を寄せた。この美貌の巡査長はどんな表情をしていても美人だとルイは思っている。ルイも顔が良いと褒められることはあるが、アサの前だと霞んでいる気がした。別に、そこまで自分の顔で得をしようとは思っていないのだが。
「ユカさんとこの上のお兄ちゃんが子供会でもらったんだって。うちは狭いからメグさんどうぞ遊んでくださいって言われたから持って来た」
「ここで遊ぶな」
「ユカさんって?」
 ルイが首を傾げると、メグはあっさりと、
「うちのお手伝いさん」
「お手伝いさんがいるの? 五条さんちってお金持ち?」
「割とお金はある方だと思う!」
 メグはまたもさっぱりと返しながら、バスケットボールを投げた。残念、今度は狙いがそれて、壁にぶつかってあらぬ方向へ飛んだ。

ちなみに、ボツにした八尺様回でも登場しており、

 自宅近くの住宅街に入った。今日はメグさんの登校日だからカレーにしましょう、とお手伝いのユカさんが言っていたのを思い出す。ユカさんのカレーはメグの大好物だ。日中、メグは警視庁にいるからユカさんがどうやってカレーを作っているのかは知らない。そっとゴミ箱を開けてもルーの箱が入っているわけでもない。どうやって作っているんだろうか。
 家で待っているユカさんが心配で、メグは走って家に帰った。ユカさんは、大人しいお嬢様が息を切らせて帰ってきたことに大変驚いた。
「まあどうしたんですか、メグさん。怖い物に追い掛けられたんですか? 警察を呼びますか? それとも旦那様に?」
「ユカさん、幽霊みたいな女の人、うちに来てないよね?」
「来てませんよ。来てたら私こんな呑気にカレー作ってませんもの」
 ユカさんはそう言いながら、台所を指した。カレーの良い匂いが漂って来る。
「そっか……」
「具合悪いですか?」
「ううん、大丈夫。カレー、楽しみにしてたから早く帰ってきたの」
「そうですか? 何かあったら仰ってくださいね」
 頷きながらアサがインターフォンを押した。メグではない女性の声が応答して、アサが名乗ると、すぐに玄関が開いた。お手伝いらしい女性と一緒にカレーの匂いが漂ってくる。
「桜木さんご無沙汰してます。佐崎さんも。ええと、そちらの方は……」
「レンさんの後任ですよ、ユカさん」
「まあまあ、こんにちは。武藤ユカと申します。どうぞお上がりになって。メグさんは今リビングにいらっしゃいますよ」
 おろしたてみたいなふかふかのスリッパに履き替えると、一行はぞろぞろとリビングに向かう。ダイニングテーブルに、所在なさげにしているメグが座っていた。いつものようなゴスロリではない。制服風とでも言うのか、チェックのプリーツスカートにブラウス、その上にブレザーを着ている。
「五条さん!」
「ルイさんも来てくれたんだ」
「来ないわけないだろ!」
 僕は彼女に何だと思われているんだろう。話し合いの余地がありそうだが、今はそれどころではない。
 背後から声がした。
「お帰りなさい、旦那様」
「ユカさん、すまないね。今日だけはちょっと早めに上がってもらえないか? 一日分の報酬は出すよ」
「そうですねぇ。あたしがいてもお邪魔でしょうし、今日は失礼しましょうかね。じゃあ、メグさん、怖いのが終わったらカレー召し上がってくださいね」
「うん。ありがとうユカさん」
 ユカが帰ると、レンはすぐにメグの部屋に上がって、インターネットで上がっている八尺様除けの準備をした。盛り塩をして札を貼る。

雇い主やお嬢さんがなんか人知を越えた仕事をしてるっぽいことを察してるけど深入りしてこない出来たお手伝いさんです(ご都合主義とも言う)。

とりあえず、ここまでしか書けていないので今回はこの辺で~。また見てくれよな。

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一応毎回記事を投稿する度に更新しています。

これはとても真面目な話ですが生活費と実績になります。