メリーさん覇道伝
こんにちは目箒です。
「警視庁都市伝説対策室」略して「#都伝」の進捗を晒してモチベーションを上げるシリーズとなります。
前回までのあらすじ
という事で、前回はメリーさん大喜利をしよう! と言う事になり、6話構成の中身も決めました。
お題:こんなメリーさんは嫌だ
(※このメリーさんはフィクションです……というかこの大喜利の部分だけ切り取らないでね! 「こうなんだって~!」とか友達に話したら駄目だぞ!)
・ランドセルに顔が浮かび上がる。
・タッチされると自分がメリーさんになる。
・突然立ち止まると自分を通り過ぎて走り去る。
・おんぶおばけに豹変する。
・振り返ると魂を抜かれる。
・怖いから考えたくない。
そこまでの間をどうするか
ちなみに、プロットでは、
1.教師がメリーさんからの電話を受けて負傷。その件での相談が都伝に回ってくる。(序)
2.小学校で聞き込みをしていたら、事件以前から電話そのものはあったらしいこと、最近「追い掛けられるラスト」の噂が広がり始め、この学校に出現した「メリーさん」は追い掛けるラストで完成してのではないか、という結論にいたる。(破)
3.ルイに電話してきた怪異化メリーさんと対決する。(急)
となっており、これは一応2番目の内容ですね。
ただ、これで短編一本になるか……? というと非常に不安だったので、もう一個エピソードを入れました。
「私に聞きたい事ってなんでしょうか? スマホを学校に持って来るのって罪になるんでしょうか?」
「それは学校での罪なので、そっちは先生におまかせします。僕たちは、あなたが受けたメリーさんからの電話について聞きたいんです」
ルイは丁寧に告げた。
「警察ってそういうのも調べるんだぁ……わかりました」
宮島によるとこうだ。昨日、授業の合間にスマートフォンを見ると、公衆電話からの着信が五件ほど入っていた。メッセージが残っており、再生すると、
『私メリーさん。今新宿にいるの』
『私メリーさん。今上井草にいるの』
『私メリーさん。今関町北にいるの』
『私メリーさん。今校門にいるの』
『私メリーさん。今昇降口にいるの』
と言うものだったらしい。
後で聞いたところによると、宮島にとって「遠い所」というのが新宿などの都会らしい。そこから電車に乗ってやってくる、というイメージだったのだろう。そのため、「電車でごとごと揺られながらやってくるメリーさん」という、人によっては拍子抜けする怪異になってしまったようだ。メリーさんが口にした地名は、いずれも駅がある。
宮島が驚いてクラスの友達に話すと、聞いた児童が怯えて取り乱し、パニックが広がった。それを岡田が見つけて、宮島のスマートフォン持ち込みが発覚した、ということらしい。宮島は平謝りしながらも、岡田に得体の知れない留守電について訴えた。
「こんなの悪戯だから相手にしちゃいけません」
岡田がそう言った瞬間、スマートフォンが鳴った。発信元は「公衆電話」。
「出たら駄目ですよ」
岡田が鋭く告げる。宮島はおろおろした。その間に話を聞いていた別の児童たちも怖がって集まる。やがて、留守番電話に切り替わった。
『ただいま、電話に出ることができません。発信音の後に、メッセージをどうぞ』
ピー……。
『私メリーさん。今あなたの後ろにいるの』
教室が悲鳴の渦に巻き込まれた。
「結局、宮島さんの背後には何もいなかったんですが、児童はパニックで授業は中断。他の先生に応援を頼んで皆には落ち着いてもらったんです」
「ごめんなさい」
「過ぎたことなのでもう良いですよ。でもスマートフォンは駄目です」
スマホを持ち込んだ小学生の所にメリーさんの電話が掛かってくる、というエピソードですね。
ちなみに、警視庁で都内なので地図見ながら一生懸命練馬区周辺の駅を調べました。練馬って全然電車通ってねぇな。西武新宿線をイメージしています。
グーグルマップで「警視庁 上石神井」とかでルート検索してる。
ちなみに、都民と言っても23区の地理に詳しいわけではまったくないので路線図見てスペキャ顔しています。こんな駅あるんだ……。
今のところ世田谷と練馬で23区だけなので市の方も行きたいね……立川のエスカレーターに並ぶルイ……。
ていうか警視庁勤めだからダンジョン駅は慣れてんのかな……。
新室長、閃く
ちなみに、大喜利大会(誤)を開くまでの経緯としては、
「聞いても良いかな?」
微妙な空気が漂う応接室の沈黙を破ったのはメグだった。可愛い高校生くらいのお姉さん、というのは、小学生の警戒心を解くらしい。
「なんですか?」
「その時、メリーさんはあなたの後ろにはいなかったんだよね?」
「はい」
「その後異変は?」
「ないです」
「うーん」
メグは首を傾げた。
「あなたが聞いたメリーさんの噂、最後はどうなるの?」
「最後って……『あなたの後ろにいるの』で終わりですけど」
「そうだよね」
「……私、何かまずいことをしちゃったんですか?」
決定的なことを言わないメグに、宮島は不安そうだった。
「してないと思うよ。ねえ、他の友達もメリーさんの噂は知ってるの?」
「はい……」
「その友達が知ってるラストもそこで終わりなのかな?」
「あー……」
宮島は中空を見た。
「えーと、ともちゃん……友達は死ぬほど追い掛けられるって言ってました」
ルイはナツの顔を見た。ナツは頷くと、小声で、
「『消極的な信仰』だね」
まずここで人によってメリーさんのラストが違う、という事を示唆します(先生への聴取シーンも入れました)。
『転倒した教師から話が聞けた。俺は間違いないと思う。執拗に電話を掛けて現在地を伝え続けたそうだ』
アサからナツのスマートフォンに着信があった。ナツは廊下で、窓の手すりに肘を突いて下を長めながら応答する。
「うん、クロだね。こっちもメリーさんからの電話を受けた子から話を聞いた。でも、そこでは背後には立たれなかったみたいだよ」
『こっちも本当に立っていたかはわからん。だが、児童に掛かってきた電話が初回ならそこで具現化のとっかかりを掴んだんだろうな』
「二回目で実体化するとか器用な怪異だ」
『児童が騒いだからだろ。そっちはどうだ?』
「室長が面白いことを」
ナツはにやりと笑う。あのキャリアの警視は順応性が高い。
『何だ』
「子どもたちから、メリーさんの都市伝説、ラストが何かを聴取するって」
『なんだって?』
アサは素っ頓狂な声を出した。
「メリーさんのラストがなんなのか。最も流布している噂の内容が具現化している筈です」
ルイは副校長にそう説明した。
「ですから、協力してくれる生徒さんだけで良いのです。明日以降、警察に自分の知ってるメリーさんについて話してもらえるようにお願いしてもらえませんか。保護者の同意が必要なら同意して下さるご家庭だけで結構です」
「わ、わかりました……」
副校長はぽかんとしてルイを見た。ルイは微笑むと、
「こう言う聞き取りも捜査の一環なんです。ご協力いただければ……」
という事でルイが大喜利大会(誤)を思いつく、という流れになりました。
それにしても、「怪異の具現化」っていうワードを受け入れてるこの副校長やべぇな(自分で書いておいて)。
「室長さぁ、順応性高いって言われない?」
帰り道、車を運転しながらナツがぼやくように言った。ルイは助手席、メグは後部座席だ。
「え? ど、どうして?」
「いやぁ……こんなトンチキな部署に入って二件目の事件で、よく任意の聴取なんか思いつくなって思って……」
そうじゃないと話が進まないからね(作者都合)。
ちなみに、ナツはラストでも、
「いや、ほんとえらいよ室長……警視。キャリアの警視がこんな訳のわからない部署に配属されて、二件目で順応しようってほんとすごいことだと思う。都市伝説対策室って何って思わない?」
とか言い放ちます。歯に衣着せない佐崎ナツ……。
こんな感じで1万字くらい書けたのであとはラストをちまちま進めるだけとなりました。
ただこのラストの詰めに時間掛かるんだよな~~~まあ、気長にやりまする。
次回もまた見てくれよな!
これはとても真面目な話ですが生活費と実績になります。