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暇つぶし

「明日世界が終わるって」
「世界が終わるって何が起きた結果だよ」
「さあ?」
「なんで把握してないんだよまあ何でもいいけど怪しい奴の言うことホイホイと聞いてたらそのうち.…」
「いや起こることは確実なんだよ」
「ん?そこまで言うなら起こるんだろうけどやっぱり終わり方って気にならない?」
「確かに…」
「じゃあどうやって世界が終わるのか考えようぜ」


「隕石とかはどう?」
「確かに世界の終わりとして取り上げられがちだよなあ」
「地球ごとぶっ壊れて生物がいられる場所が完全になくなるし終わりとしては妥当じゃない?」
「やっぱり気になる部分として世界の終わりって言ってるからには世界全部が壊れてほしいっていうのがあるんだよな」
「ちょっと何言ってるかわからない」
「確かに隕石の衝突は地球の生命を完全に滅ぼし切るだけのポテンシャルがあるし世界の終わりとしては妥当かなとも思えるんだけれども」
「それで終わる世界は想定しうる範囲の世界で本当に世界の全てが滅んでいるかと言えば微妙じゃないかみたいなことか」
「そう、そうなんだよ。隕石で終わる世界滅亡の話もセカイ系といっていいんじゃないかとすら思える」
「そうなってくると今から始まるとは考え難いけどその前提をなくしても疫病だとか核戦争みたいなものもやっぱり世界自体は滅んでないことになるな」
「確かに そうなってくると世界滅ぼすのって思ったより難しいのかも」
「少なくとも想像力の範疇でどうにか理解できる類のものではない気がしてくるな」


「ちょっと見方を変えてみるか。アザトースって知ってる?」
「なんか前に米津玄師がいってたやつ?」
「そうではあるんだけれどもまあいいか」
「どういうことなんだよ」
「ざっくり説明するとそのアザトースってやつが世界を夢見ていてそれが目を覚ましたら世界が終わるっていう話があるんだけれども」
「まだ話が見えてこない途中に挟まった化物のせいで」
「要するに世界の終わりというか世界っていうのがどういうものかってことを定義してなかったなと思って」
「まあ確かにそうなんだけどさやっぱり人間しか高度知的生命を知りえない現状では人間がいなくなるか人間が観測できる範囲での終わりでいいんじゃない?」
「結局そこに行きつくしかないのか」
「浅学非才が二人集まったところで考えられるのはその程度だろうよ」
「空想であればどこまでも行けたあの頃が恋しいって感じる今日この頃」
「終わりを前にしてそんなこと言ったってどうしようもないじゃんか」


「終わりを前にしてとか言ってるけど全然世界が終わりそうも無いのはどういうことなんだろうな」
「それって感覚の話?」
「だってほら空の色だっていつもと変わらないしさインフラも正常に動いているわけだし」
「言われてみればそうだね」
「隕石が落ちてくるなんてことがあればそれこそニュースが黙っちゃいないだろうし」
「確かによくある世界の終わりって急に今日世界が終わりますなんて言って起こるものではないよね」
「感染症にしろ世界大戦にしろ少なくとも何らかの準備行動とでもいうべきものがあるわけだし」



「宇宙人の地球侵略とかはどうだろう」
「知らない兵器で急にドンなんてされたら確かにひとたまりもないよな」
「ありえそうではあるけど意味が分からないってのが率直な意見だな」
「といいますのは?」
「動機がないだろうよ」
「ちょうどいい住み場所を探していたとか?」
「酸素を使えるやつ以外には毒の惑星だし地球人類を一掃できるほどの威力の武器でドカンとかやったらその時点で星ごとぶち壊しに来てると考える方が妥当だろう」
「ただ壊したかったからとか」
「地球以外にも無数に天体が存在するのに?」
「知的生命体を痛めつけたかったからとかならある程度は納得できそうじゃない?」
「人間飼い殺しエンドを滅びとするなら納得はできそうだな」
「発想の過程を省略するなよ」
「一回で全部ぶっ壊しちゃうのはもったいないだろ そんなするくらいなら
飼育して痛めつける方が合理的だろうし地球まで来るような奴がそこまで非合理だとも到底思えないし」
「そもそも痛めつけて楽しむってのが非合理的だってことには突っ込んじゃダメな感じ?」
「そもそもいるかすら怪しい宇宙人の話なんて考えても何もわからないわけだし考えるだけ無駄だっていう気がしてきた」
「もっと根本的に意味があるかもわかんない話してる時点で無駄なんじゃないとは思わないのだろうか」

「そういえば

終わり

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