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麻雀研究界隈から撤収を考える時期

 最近、麻雀研究界隈から撤収する時が来たのかなあ、と思うことがある。
 まあ、これまでも度々、うつ状態になってそう思って衝動的にアカウント・ブログを消し飛ばしてきたので、今回もそうなのかもしれないが。

『新版 おしえて!科学する麻雀』におけるとつげき東北と勝間さんの対談においてとつ(とつげき東北)が私などのシミュレーション・牌譜解析結果を

(以下、同著47ページ引用)
だって、みんな僕のシミュレーションをまねして作ったシミュレーションですから
(引用終了)

と評価しているところがある。

 これについて、私はなんら抗弁できないし、またする気もない。
 私はとつを超えられる能力を持っていないし、とつを超えることもできない。
 この評価自体至極妥当である。


 将来、数理的麻雀研究史なるものができたとして、それにとつ、kmo2さん、nisiさん・水上さん(爆打ちの中の人)の名前は残るだろうが、私の名前が残るかは疑問である。
 というのも、私が麻雀研究を行った約5年を総括すると、

① とつが赤ナシ麻雀において研究した結果が赤アリ麻雀でも成立することの確認
② 牌の危険度に関するデータの発表
③ 天鳳界隈に対するデータの普及

 この3点くらいしかないところ、それは研究という観点から見て、あまり意味がないからである。

 無論、麻雀界から見てこの価値がないとは思わない。
 5年前はそもそも赤アリ麻雀のデータがほとんどなかった状況なので、①の価値がないことはない。
 また、②もこれまでなかったデータであるから、価値がないわけではない。
 ③もデータに親しみやすい状況を作ったという点では、価値がないこともないだろう。

 ただ、それだけである。
 nisiさんのような凸理論をさらに詳細化した局収支シミュレータを作ったわけでもなければ(しかも、nisiさんは機械学習をシミュレーションに応用するという新たな機軸を考えておられる、今後の研究者としてもっとも期待できる人であろう)、水上さんのように機械学習を麻雀AIに応用したわけでもない。まったり麻雀を作ったkmo2さんのように麻雀AIの先駆者になったわけでもない。
 彼らに比較すれば、私の価値は一桁落ちるだろう。


 さらに言えば、私は最近、牌譜解析プログラムを作ってないし、回してもいない。
 最近、NOTEで公開しているデータ、ツイッターで他人にデータを提供しているデータは2018年3月頃に取り直した(牌譜を2年分追加したためデータを取りなおした、つまり、データ自体は昔からあった)ものである。
 また、「『統計学』のマージャン戦術」を書いた際にも、新たに集めたデータはほとんどなかった。
 さらに、今年の4月から7月にかけて秋刀魚本の原稿を書いていたが、その際にも新たな牌譜解析というのはほとんどしていない(従前に一度原稿を書いていたという事情があるものの、従前のデータだけで足りた)。
 というわけで、最近の私は牌譜解析をしていない。
 つまり、麻雀研究なるものをほとんどしていないのである。


 それだけの功績しかない私が麻雀研究についてなんらかしら語っているのはちゃんちゃらおかしいと思わないでもない。
 そう思うと、そろそろ麻雀研究界隈から撤収した方がいいのかもしれない。

 無論、私の役割を果たせる代わり、つまり、麻雀研究(麻雀研究結果ではないことに留意)の広報者がいない。
 そう考えると、おいそれとやめるわけにもいかないのだが。

もし気が向いたら、サポートしていただければありがたいです。 なお、サポートしていただいた分は、麻雀研究費用に充てさせていただきます。