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Mリーグファイナル、パイレーツの優勝確率

 聴くところによると、今日からMリーグのファイナルが行われる。
 ファイナルは6日間、12試合をかけて行われる。

 現状の成績はこちら。
(データは次のサイトのものを利用)

トップ サクラナイツ 142.4
2位  フェニックス  86.0
3位  アベマズ    32.0
4位  パイレーツ   -1.7

 さて、残り試合数は12試合。
 また、4チームが固定されている。
 とすれば、半荘収支乱数表を使って各チームの優勝確率を求めることができそうである。
 そこで、実際の優勝確率をシミュレーションによって求めてみる。


(以下、データの出し方に対する説明、結論のみ知りたい方は読み飛ばしてよい)

 この点、上で出てきた「半荘収支乱数表」とは何か。
 これは疑似麻雀シミュレータを用いて「半荘収支(ウマオカ込みの成績)をひたすら求めた結果」をリスト化したものである。
 これを用いることで、1試合の結果を(その出現確率の割合に応じて)ランダムに抽出することができる。
 もちろん、1試合分と言ったが、12個集めれば12試合分の結果を(その出現確率の割合に応じて)ランダムに抽出することが可能である。

 要は、擬似シミュレータの半荘収支の結果をひたすらリスト化したものが半荘収支乱数表である。
 言い換えれば、半荘収支乱数表は擬似麻雀シミュレータの結果である。

 ここで、擬似麻雀シミュレータという言葉が出てきたのでこれについても解説する。
『科学する麻雀』(とつげき東北著、講談社現代新書、2004)の記述に従うと、疑似麻雀シミュレータとは次のものを指す。

(以下、『科学する麻雀』73ページより引用)
 これ(みーにん註、擬似麻雀シミュレータのこと)は他家の和了率・和了時得点分布などのパラメータが既知のとき、その割合に応じて試合終了までを「実際に再現して」、最終的に点数と順位に対応付けられるものだ。
(引用終了)

 通常疑似麻雀シミュレータは100万回など大量の試行回数を通じて、点数と平均順位(半荘収支)の関係を対応付けるために用いられる。
 しかし、1回1回の試行結果をリスト化すれば、それは出現割合に応じた半荘収支などの乱数表に転化させることができる。
 今回は後者の方法で疑似麻雀シミュレータを用いている。

 さて、擬似麻雀シミュレータという言葉がある通り、本件結果はシミュレーション結果でもある。
 よって、いくつかの強い仮定を置いている。
 その結果は次の通りである。

・常に和了率・和了点数分布は一定
(天鳳の牌譜解析結果より得られた実測値を使用)
・4人チームの能力は全員同じ

 もちろん、この仮定は強いものであると考えている(特に、試合数が残り少なくなれば特に)。
 しかし、現状、1位と4位のポイント差はトップラス1回分でまかなえてしまうものである。
 その点を考慮すると、点棒状況対応によるノイズの影響はまだ少ないかなと思っている。

 また、天鳳とMリーグの和了率・和了素点分布を同じと仮定するのもなかなか強い仮定である。
 その辺も実証が必要である。
 これについては、この優勝確率予想が実証テストであると思ってほしい。

 最後に、この仮定はMリーグのプレーヤーの成績が一律という仮定を置いている。
 これはあまり強い仮定とは思っていないかな。
 短期試合数では麻雀のランダムの影響が強いので。

(以上、データの出し方に対する説明終了


 では、優勝確率を求めてみよう。
 各チームの優勝確率は次の通りである。

サクラナイツ 42%
フェニックス 27%
アベマズ   17%
パイレーツ  14%

 現在、トップであるサクラナイツの優勝確率は約40%となった。
(もろもろの仮定の強さを考慮すると、おそらくあてになる数値は上1桁程度であろう)
 パイレーツ相手にトップラス1回で僅差に追いつめられる状況ではリードはこの程度なのかもしれない。
 この辺は天鳳名人戦のときと似たようなものを感じる。

 他方、パイレーツの優勝確率は10~20%となった。
 中巡の先制愚形待ちリーチをかけて放銃する確率と同程度である。
 そういうことは頻繁にあることを考慮すると、「パイレーツに優勝の目がない」とは到底言えないようである。


 以上、参考までに示してみた。
 これから2試合が行われるたびに優勝確率を予想して行く予定である。
 座興として楽しんでほしい。

 では、今回はこの辺で。

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