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「安定段位は安定しない」の意味

(注意書き)

 今回の記事は「現代麻雀理論」という私が運営していた麻雀研究ブログ(2018年2月に閉鎖)で公開した記事の再録である。
 なお、ブログにおける記事の公開日は2016年4月。
 約4年前の記事になる。
 また、麻雀のデータを公開する関係で有償にしている。

 なお、この記事の内容は

安定段位7.0近辺における安定段位の標準偏差を予想するもの

である。
 戦術に関連することは全く書いていない。
 よって、戦術目当ての方は買う必要はないだろう。
 記事購入の際の参考にされたい。

 さらに、5月25日1時、誤植があったのでいくつか訂正している。

はじめに

「安定段位は安定しない」という言葉がある。
 今日はそれについてデータを使いながら考察したい。


 まず、鳳凰卓における安定段位の定義は次のとおりである。

(鳳凰卓安定段位)
 = ((6×(トップ率)+3×(2位率))÷(ラス率))-2

 このように安定段位の計算式にはラス率が分母にある。
 そのため、平均順位と安定段位の関係を綺麗に表すことはできない。

 だが、平均順位と安定段位の関係が分かれば、平均順位の安定性から安定段位の安定性について推測することができる。
 そこで、平均順位2.5近傍における平均順位と安定段位の関係を近似し、平均順位のばらつきから安定段位のばらつきを推測することで、安定段位の安定性を見積もってみようと思う。

平均順位2.5近傍における平均順位と安定段位

 まず、平均順位と安定段位の関係を見積もる際に、一つ仮定を置く。
 それは、「1位率から4位率までは等差数列を採る」という仮定である。
 つまり、平均順位が2.4だったら、1位率28%、2位率26%、3位率24%、ラス率22%というように、1位率から4位率が等差数列を採るように順位分布を設定するのである。
 そのような条件において、安定段位と平均順位の関係は次のグラフで表される。

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 グラフを荒っぽく見るのであれば、平均順位2.4~2.6においては平均順位が0.01良くなる(数値的には減る)毎に、安定段位は0.2増える。
 大雑把に見れば、平均順位が2.4だと安定段位は約9、平均順位が2.6だと約5になる。

 これで、平均順位と安定段位の関係は概ね分かった。
 次に、平均順位が打った試合数によってどの程度ばらつくのかを考えてみる。
 
 なお、話を簡単にするため、95%信頼区間(グラフの数値指標で言えば「5%変動順位」)の上限と平均順位の差をもって、「平均順位のぶれ」と定義する。
(片側検定を行うことも考慮し、一応、90%信頼区間の数値を10%変動順位として表しておくが、文章では用いない)。

平均順位のぶれ(2シグマ)

「n試合打ったときの平均順位のぶれ」の求め方は次の通りである。

(平均順位のぶれ)=1.96×√( 1.25 ÷(試合数)) 

 つまり、平均順位のぶれは標準偏差の1.96倍と定義する(所謂2シグマ)。
 この場合、試合数と平均順位のぶれの関係は次のグラフ(赤の曲線)の通りである。

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 500試合における平均順位のぶれは約0.1である。
 2000試合における平均順位のぶれは約0.05である。
 8000試合における平均順位のぶれは約0.025である。

 なお、標準偏差で言い換えると、

 500試合における平均順位の標準偏差は約0.5
 2000試合における平均順位の標準偏差は約0.025
 8000試合における平均順位の標準偏差は約0.0125

となる。

 この点、天鳳の安定RATE(東風荘のRATEではないことに留意)に換算した場合、

500試合における安定RATEのぶれは約106
2000試合における安定RATEのぶれは約53
8000試合における安定RATEのぶれは約26

になる。

 ちなみに、こちらも標準偏差に置き換えると、

500試合における安定RATEの標準偏差は約53
2000試合における安定RATEの標準偏差は約26
8000試合における安定RATEの標準偏差は約13

となる。


 この点、安定RATE・平均順位も8000試合単位で考えれば安定するように見える。
 しかし、2000試合の場合、安定RATEのぶれは53、平均順位のブレは0.05もある。

 これは何を意味するかというと、

平均順位2.5のプレーヤーが2000試合打つと(95%の確率で)平均順位2.45~2.55の範囲に入る
安定RATE2000のプレーヤーが2000試合打つと(95%の確率で)安定RATE1947~2053の範囲に入る

ということを意味する。

  つまり、それほど安定しない。
 見かけのRATEの平均順位のぶれは約106(平均順位約0.1)なので、500試合以上打てば安定RATEの方が安定する(ぶれない)だけで。


 そもそも、「安定」の比較対象は「見かけ」である。
見かけRATE」よりも「安定RATE」の方が安定する、これが「安定」の意味である。
 だから、それ以上の幻想を抱くととんでもないことになる。

安定段位のぶれ・標準偏差

 さて、平均順位・安定RATEのぶれ(標準偏差)について考えたので、安定段位のぶれ(標準偏差)について推測してみよう。

 この点、

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