見出し画像

白骨化スマホ【毎週ショートショート】

「森の中で自殺した人のスマホてどうなるのかな。」
「え?」
物騒なことを言わないで欲しい。特に高校という公共の場かつ今は昼食の時間である。
「人は白骨化して見つかるけど、スマホはどうなるのかな。」
「さあ、普通に錆びるんじゃない。」
「ほらさっき理科で微生物が何たらて習ったじゃん。」
「あれは分解可能なプラスチックの話。スマホは無理だよ。」
「うーん、そっか。」
リップの落ちた唇でリプトンミルクティーを吸いながら彼女は色素の薄い眉を顰める。
「ほら早くしないと、次体育だよ。」
「寒いから嫌だなあ。無理やりやらせる体育に何の意味があるのか、一回大人たちは考えたほうがいいよ。」
「そんなことを考えられる大人ばかりじゃないのよ、お姫様。」
「世も末だねぇ。」
彼女の言葉をひっそりと考えながら腕をさする。燃やせないゴミの燃やし方は思っている以上に面倒かもしれない。しかもふたり分であれば相当だろう。
「帰り、ブックオフ行こ。」
焦らずともあと1年もあるのだから。


-------------------------------
(独り言)
久しぶりに創作なるものを行いました。やっぱり女子高生は秘密を抱えているほうが可愛いという持論が崩せずに今回のような形になりましたが、誰かに気に入ってもらえると嬉しいです。
ゴミはきちんと分別して捨てましょう。
面白いお題をありがとうございました…!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?