「なぜ髭を伸ばし始めたのか? ~ 昔の日記より」
ある人に言われたことがある。「この人が怒ることあるのかなぁ~」というのが第一印象だったと。
ちょっと見はそうかも知れない。
怖そうな顔ではないと自分でも思う。
が、それは見かけだけであって、実はけっこう怒りっぽい。
毎月下旬になると、仕事で外を歩き回らなくてはならない。秋冬はまあ良いとしても、真夏は大変だ。
何日か前のことになるが、70歳前後と思しき男性からクレームを付けられた。
言っていることは分かるが、実に些細な事だった。仕事なのであって怪しい行動ではないことを説明したのだが、それでもごちゃごごちゃと食い下がってくる。ゆっくりとお相手している暇など無い。
我慢が限界に達したとき、僕は突然爆発する(長野にいた頃知人から言われたことがあるが、一瞬にして形相が変わるらしい)。
こういう場合少しでも遠慮が入っていると効果は薄くなるので、辺りに怒声を響き渡らせることになる。
「そこまで言う必要は無いだろうが!
薩摩隼人が細かいことでごちゃごちゃ抜かすな!」
相手は驚き、黙りこくってしまった。
さてと、その場にもう用は無い。さっさと仕事再開。
さっきまで咆えていた犬まで、自分が叱られたのだと勘違いし、横を向いたまま凍り付いている。
その様子がが可笑しくて、思わず吹き出してしまった。
あの怒りの表現には演劇的パフォーマンスが入っている。実は相手が思っているほど怒ってはいないのである。その証拠に、一瞬にして平常心に戻っている。実は、演劇の専門家から、そっちの才能があると言われたこともある。感情表現は僕の得意分野である。
とは言え、さすがにここまで派手なパフォーマンスは滅多にやらない。相手を見誤るとこっちが怪我をすることにもなるのだろうし・・・。
ここで話は変わるが、最近髭を伸ばし始めた。3週間ぐらいになるので、無精髭の域は脱している。伸ばそうと思った理由など特に無いつもりだったが、今書いた出来事と心理的にリンクしているような気もする。
ごくたまにだが、仕事中面倒なことを言われ、時間をロスすることもあったので、少し怖そうな人相にしてみようかと・・・、思ったのかな?
髭については、仕事先では特に何も言う人はいないが、同居中の家族の評判はよろしくない。自分でもちょっと浮浪者っぽいかなと思う。仕事先の人たちは単に遠慮しているのだろうかと思ったりしていたが、一昨日スーパーで偶然会った知り合いの女性。
「めどうさんには合ってるよ。髪の毛ももっと伸ばしてみたら?」
感じ方も人によりけりのようだ。
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以上、16年前の日記です。
最後に登場する「知り合いの女性」が誰だったのか、どうしても思い出せません。
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