「おんぶ記号について」
知っている人には当たり前過ぎる話。「おんぶ記号」と言っても、「だっこ記号」と対になる記号のことではありません。音部記号です。
とまあ、のっけからつまらんオヤジギャグかましてすみません。
小学校の音楽の時間に、ト音記号&ヘ音記号という2つの音部記号を習います。記号の書き方と、この記号で表される譜表の読み方を教わりますが、なぜこの2つの記号を「ト音記号」「ヘ音記号」と呼ぶのかは、知らないまま大人になっている方もいらっしゃるのでは? 僕にしても、高校卒業後、専門教育の場で初めて知ったくらいですから。
「ト音」「ヘ音」をそれぞれ英語で表すと、「G」と「F」になります。この2つのアルファベットの飾り文字から、あのくるくるっと丸い音部記号が出来ました。
「G」から何であの形が?と思われるかも知れませんが、小文字の「g」の変形であると言えば、納得してもらえるのではないでしょうか?
ヘ音記号は、「F」の左側の縦線がくるりとまるまって、2本の横線が2つの「・」へと化けた。ト音(G)とヘ音(F)を示す記号だから、「ト音記号(G clef)」「ヘ音記号(F clef)」というのであります。
2つの記号の形を思い浮かべてください。
ト音記号は、トの音、つまりイタリア音名で「ソ」の音を中心に巻いていますし、上端はその1オクターヴ上の「ソ」の音の位置まで突き出ています。
ヘ音記号の2つの点はへの音、イタリア音名で「ファ」の音を挟んでいます。
そういうわけですから、それぞれ上下の位置は正確に書いたほうがよろしいかと思います。実際、ヘ音記号が、下に3度ずれた「バリトン記号」なんてのも存在するので、要注意です。
記号の元がアルファベットであるという話をしたついでに、「アルファベット」の語源について。
英語のアルファベットの元になったギリシャ文字の最初の2文字「α(アルファ)」と「β(ベータ)」を並べたものが語源。つまり「いろは」という呼び方とまったく同じです。