ZOOMミーティング桃太郎
むかしむかしあるところに
おじいさんとおばあさんがZOOMでミーティングをしていました。
おじいさんは山を背景に、おばあさんは川を背景に設定していると、「桃」という人物が入室してきました。
突然の訪問者に老夫婦は大慌て。
しかし、画面をよく見てみると、それは名前を変更し忘れた男の子「太郎」でした。
二人は嘲笑の意味を込めて彼を「桃太郎」と呼びました。
それから数分のときが経った頃。
桃太郎の発言力はぐんぐん大きく育ちました。
彼は「鬼退治に行きたい」とアジェンダにないことを言い始めました。
老夫婦はそれに困惑。
おじいさんが退室しました。
おばあさんが退室しました。
しばらくして、犬が入室してきました。
犬は見るからに何かを欲しがっています。
そこで、桃太郎は犬に画面を共有してあげます。すると犬は桃太郎が見ているPDFを見れて大喜こび。
こうしてZOOMミーティングのお供になりました。
同じようにサルとキジを仲間にした桃太郎は、鬼を待ちます。
しかし、鬼は時間になっても入室しません。
もちろん鬼なしで話を進めるわけにはいかないので、みんなで待つことになります。
「キジさんは普段は何をされてれるんですか?」といった薄い話をして、気まずい時間をやり過ごしました。
そうこうしているうちに鬼が入室。
「お待たせしました。回線の調子が悪くて…」
と、ガサツいた鬼の声がミーティングルームに響き渡ります。
そこで、桃太郎は鬼に「スピーカーの音をマイクが拾っているので、イヤホンをして通話すると声が響かなくなりますよ」と教えてあげました。
しかし、鬼はそれを無視し、聞いてもいないのに一人で持論を語りだし始めました。
これを受けて桃太郎たちは鬼を懲らしめることにしました。
犬は鬼の発言に噛みつき、サルは議論を引っ掻き回し、キジは鬼の矛盾を突き、桃太郎は鬼に正論を振りかざします。
たまらず鬼は降参し、お詫びの印として有料プランのログイン情報を桃太郎に渡しましたとさ。
めでたしめでたし
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