見出し画像

目を開けてみる夢

先日11/30をもって、私の童話絵本『これ よむ?』の予約が締め切られました。
準備も含めて、約2ヶ月のプロモーションを走り切り、正直なところ、一週間くらいぐったりしていました。
ほっとしたのもあると思いますが、疲労感も多分にありました。

ともあれ、最終的に144冊ものご予約をいただきました。
全くの無名の作家が集まって作った自費出版本が、文字通り日本全国に広がっていくなんて、新しいステージに立たせてもらった気分です。
ひざが震えます。
口の中が乾きます。
でも、目はずっとうるんでいます。
本当に、本当にありがとうございました。

​私はガンガン周りを巻き込んで短期間で成果を出していくことも、
周りに配慮して支えていくことも、本来それほど得意なことではありません。

ヨシタケシンスケ展でもらった「あなたのみらいはこれかもしれない!でも、ぜんぜんちがうかもしれない!」カードには、

「いっぴきオオカミ」

と書かれていました。

もしかしたら、最初に刷った10冊でやめておけばよかったのかもしれない。

もしかしたら、本なんか作らなきゃよかったのかもしれない。

多くの人に届ける!と腹を括ってからも、

何度も何度も選ばなかった未来が「かもしれない」と囁いてきました。

勇気を出してプロモーションチームを募り、

勇気を出して色んな投稿をして、

勇気を出して選んだ未来の「かもしれない」に繋がる糸を離さずにいました。

結果144冊のご予約をいただきました。

今だから言えますが、いいとこ50冊が限界だと思っていました。

大赤字だろうとも、それでも画面越しじゃなく、手に取ってほしかったんです。

だって、本って“そういうもん”だと思っているから。

0と1の組み合わせじゃなくて、
もっと中途半端で、
もっと曖昧で、
もっと心が動くものだと思っているから。

デジタルな世界から、どうしても出してあげたかったんです。

デジタルがダメなんじゃなくて、五感と想像力を使って楽しむエンタメが読書だと思っているからです。

この約2ヶ月の間、私は夢を見ていました。

気づけば、夢を見ながら目が開いていました。

夢を見ながら現実を生きています。

『これ よむ?』を一足先に読んでくださった小学生が、

「この物語は勇気がすごいんだ」

と感想をくれました。

私の見ている夢が、誰かにも響いていると感じた瞬間でした。

その小学生のストレートな感想にふれて、

この物語を作ってから初めて泣きました。

じつはこの物語の中に、「勇気」という言葉は、ほぼ出てきません。

感想をくれた小学生のおかげで、私はこの物語で本当に出会いたかった自分の気持ちに出会えたような気がしました。

この物語は、「勇気」と「出会い」の物語です。

かもしれない未来を掴み、目を開いて夢を見る。

はたから見れば、何をそんなバカなことを、と笑われるような、

そんな挑戦を見守っていただき、本当にありがとうございました。

次は、自費出版ではない形での商業出版ができるように、がんばります。




七緒よう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?