【日記】ちいさいころから
私は、お話を想像するのが好きです。
ちいさいころから、
「もし学校の黒板やチョークが、放課後だけ私の友だちになってくれたら」
「もしこの空が時間をかけてゆっくりと落ちてきたら」
なんてことばかり考えていました。
大人になった今は、あの頃のような柔軟なイメージは湧いてこないけれど。それでも、お話を想像することは変わらず好きなままです。
ピカソが、
「子どもは誰でも芸術家だ。問題は大人になっても芸術家でいられるかどうかだ」
といったことばを残していますよね。
この感覚は、現在では結構ポピュラーなものかと思います。
実際、私もそう思います。
仕事柄もあるかもしれませんが、色んな話を
「それは本当に根拠のある話なの?」
「◯◯さんが言ってたって言うけど、たったひとりの主観的な意見は根拠として、データとしてあまりにも脆弱なのでは?」
「で、それは数字で変化が確認できてるの?」
なんて、斜に構えたような感想を持つことがあります。いわゆる「で、ソースは?」ってやつです。
こんな思考をするのだから、あの頃素直な気持ちで読めた「星の王子さま」は、今の私ではまっすぐ受け取ることができないでしょう。
それでも、お話を考えていると、ふっとあの頃の気持ちや考えが浮かんでくるときがあるのです。
普通に生きていたらきっと二度と思い出すことのなかった、あの頃のまっすぐな気持ち。
そこに価値を見出だせるのは、今の私だからこそなのかもしれない。
自分の内面と対話したときにだけよみがえるこの感受性を、私は大事にしたいのです。
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