【天涯客(山河令)日本語訳】第4章 義士
黒衣の男と紫衣の少女はすぐに闘い始め、周子舒はその様子を傍観していた。この二人の功夫の度合いはあまり同じとは言えなかったが、意地の悪さは同程度で、いわゆる名門の正統派の中で完成されたものとは違っていた。
十四五手の内に、黒衣の男は不意に少女の掌を躱すと、すかさず彼女の膻中穴を蹴った。
少女は横向きに身を躱すと、軽く怒声を上げ、鋭い手付きを向け、彼の膝骸骨に狙いを定めた。ところが突然、黒衣の男の褲子から音が鳴ったかと思えば、彼の脛から折れた矢がバネのように飛び出し、少女の顎